DX事例

テックタッチ株式会社「ノーコードのガイド・ナビゲーション『テックタッチ』〜誰もがITを使いこなせる世界を実現し、DXを支える〜」

発表者:テックタッチ株式会社 代表取締役 CEO 井無田 仲 様

日本DX大賞は、日本のDX推進を加速するために、自治体や民間企業などが取り組んだ事例を発掘し共有するためのコンテストです。

DXを進めるにあたって、システムを本格的に導入しようとしても、以下の理由から断念された経験が企業であれば一度はあるのではないでしょうか。

  • システムのUIが複雑で、なかなか直感的に操作できない。
  • システム用語が普段社内で使ってる用語とズレてしまっていて分からない。
  • 業務とシステムの連携が上手くいかない。

一人でもシステムを理解できない、使いこなせない人がいると、DXとしては意味を成さないので、UIが簡単で、誰でも使えるシステムを導入することにより円滑なDX推進が期待できます。テックタッチ株式会社では、Webシステムの操作を画面上でリアルタイムにナビゲートする「テックタッチ」の開発により、誰でもシステムを使いこなす世界を目指しています。

2022年6月22日に行われた「支援機関部門」より、テックタッチ株式会社の事例をご紹介します。

テックタッチ株式会社の概要
■代表:代表取締役 CEO 井無田 仲
■設⽴:2018年
■事業内容:「テックタッチ」 の企画・開発・運営・販売
■公式Webサイト:https://techtouch.jp/

DX推進における、現場でのさまざまな課題

近年、多くの企業において、デジタルトランスフォーメーションの名のもとに最新のシステムを導入して、これまでのオペレーションを大きく変える動きが極めて盛んになっています。紙でやっていた作業を電子化することによる業務効率化、各種データを経営判断に活かすデータドリブン系といった領域では、導入したシステムをしっかりと活用できれば、極めてパワフルです。

一方で、システム操作を使った現場オペレーションが極めて複雑化してしまっているうえ、従業員の方々の高齢化という日本特有の事情も加わってきます。そうなると、システムを
上手く使いこなせる人とそうでない人に分かれてしまい、会社全体としてみるとシステム
利活用が上手くいかないケースがあります。DXのオペレーションを企業などの中で進めようとしたとき、1人でもついてこれない人がいると全体が意味をなさなくなってしまいます。

システムは残念ながら全ての人が同じように使えるわけではないので、この課題を解決すべく、多くはシステム導入時にマニュアルと研修という手法を採り入れています。しかし、
マニュアルの場合、何百ページにも及び、作るのがすごく大変です。しかも、作っても誰も読みたくない。研修を受けても、実際にシステム操作する頃には忘れてしまっている。
どちらにも欠点があり、有効に機能してるとはあまりいえません。PCがビジネスに登場するようになってから30年以上経ちますが、その間全くイノベーションが起きず、こういった負の状況が続いてきました。

私たちテックタッチは、そうした状況を打破する革命的な答えを提供しています。

「テックタッチ」と、開発のきっかけ

情報システム部門の方からすると「そんなに難しくないシステムなのに」とか「まあ使えるんじゃないか」と思ってたら全然使ってもらえなかったり、エンドユーザーに使ってもらうにはシステムが難しすぎたりしたことがありました。一方、エンドユーザーの方からすると「情シスの人たちは、なぜこんなに使いにくいシステムを導入したんだろう」となってしまうことも。私自身、金融機関で働いていたとき、導入されていたシステムに使いづらさを感じていました。その後自分がIT業界に転職をしてシステムを作る側になって、ユーザーさんからフィードバックを受けたときに、お互いに誤解があることが凄くもったいなく感じたんです。そういった誤解をゼロにしたくて、このサービスをはじめました。

「テックタッチ」の優れているところは、実装がとても簡単でシステムの開発や回収作業が一切不要なこと、私たちのアプリケーションをインストールするだけでChromeEdgeなど、全てのウェブブラウザに対応できる点です。全てのシステムに対してウェブシステム、ブラウザーにインストールしていただければ対応可能です。

私たちが開発した「テックタッチ」を使うと、お使いのシステムの上に被せるイメージで、アプリケーションへのナビゲーションを直接表示できます。あたかもシステム画面の中に人がいるかのように、システムを操作する人に次に何をするべきか手取り足取り教えてくれます。この技術を使うと、全員が必要なオペレーション、システム操作をこなせるようになります。このナビゲーション、誰でも簡単にノーコードで作成できて、必要な操作をナビゲーションとして記憶させることが可能です。

テックタッチを導入後、システムへの利用度合いがどれぐらい上がったかという指標を取っています。DX目的で入れた営業の管理ツールであったり、データドリブン経営のために導入したERPの入力データの情報量が数倍に増えたり、精度が上がっていたりしていて、こういったところもテックタッチ導入の大きな効果だと思っています。

テックタッチの使い方

エンドユーザーさんやシステムを操作する人からするとハイライトされた箇所に、何も考えずただ入力していってもらえるよう、さまざまな箇所にガイドを付けていくイメージです。

ガイダンスの作成画面の右側に作成用のバーがあって、その中にフローチャートのような
イメージでエンドユーザーさん、システムを操作する方に対して案内したい操作手順を
ノーコードで書いていきます。

画面に表示されているプラスボタンを押していただくとメニューが出てきて、ガイダンスの中でよく使われる、「吹き出し」という機能を選択すると、吹き出しを表示する位置を選び、クリックすると吹き出しができます

吹き出しにはユーザーへの案内を入力しますが、オリジナルの案内文はもちろん、デフォルトで用意している文があるので、いずれかを選んで入力したあと、「確定」を押します。
オリジナルで入力する場合、例えば「株式会社まで入力してください」といった形で入力していただきながら、次はここをクリックすればいいんだな、あるいはここに入力すればいいんだ、その時の入力で気をつけなきゃいけないことなど、ユーザーに伝えたい操作手順や入力手順を書いていくイメージです。

では実際の私たちのソリューションを使った課題解決の事例についてご案内をさせていただきます。

CASE 1:トヨタ自動車

トヨタ自動車様は、現場の方が間接材などを発注するパッケージソフトを導入される際に、私たちのソリューションをご利用いただきました。当初、ユーザーテストを実施した時には「使いづらい」「マニュアルを見てもわからない」と言われてしまったんですけれども、「テックタッチ」の操作ナビゲーションをつけて、再度ご覧いただいたところ「これだったら使えそうだね」という非常にありがたいコメントをいただきました。

「テックタッチ」導入後、入力時間を3分の1に抑えることができておりまして、生産性にも大きく寄与しているものと自負しております。

CASE 2:株式会社GENDA GiGO Entertainment

株式会社GENDA GiGO Entertainment様は、全国200拠点のアミューズメント施設を運営されておられる会社様で、こちらの基幹システムの刷新導入時にもテックタッチをご利用いただきました。「マニュアルや研修をなくし短期間で利用できるようになった」という非常にありがたいコメントをいただいております。アンケートでも実に80%のユーザーの方からスムーズにシステムを利用できたとご回答をいただきました。

「テックタッチ」は、社内システムの利活用サポートから始めているサービスではあるんですけれども、現在サービスインしてから3年間で、日本を代表する大企業の方々を中心に100社以上支援してまいりました。お客様向けのサービス提供画面などに使っていただいている大企業様もいらっしゃるなど、ここに掲載させていただいてる多くの企業様で、テックタッチを社内のさまざまなシステムに導入いただいております。

CASE 3:官公庁

複数の公共機関様・中央省庁様・自治体様でも既に導入いただいていて、「ホームページや住民向けのサービスを自分たちで改善したい」という自治体様からの声を非常に多くいただいています。

最後に

私たちはテックタッチを通じて、誰もが簡単に複雑なシステムを使いこなせる世界を目指しています。そのためにはシステムを運用する管理者の方とシステムを利用する現場のユーザーの方が一体となって、システムのユーザビリティーの改善活動に取り組む必要があります。また、現場の方が問題に気づいて改善できる世界を目指すために、システムの活用度合いの可視化やアンケート機能などを実装しました。

これらの機能を使いながらユーザーの皆様からいただいたフィードバックを反映する改善ループを作り出すことで、日本のDXを現場主導かつボトムアップに支えていけると信じております。ここから数年で、マニュアルに代わるシステム利活用のインフラとして、あるいはDXのラストワンマイルを実現する切り札として、皆さまの周りに私たちのナビゲーションをどんどん届けていき、日本全体のDX推進に貢献していく所存です。