こんにちは。一般社団法人日本中小企業情報化支援協議会(JASISA)の牛島です。
「中小企業だからこそできるWebマーケティングってなんだろう?」シリーズとし様々な企業のマーケティング施策について取材をしています。
今回取材させていただいたのは、株式会社Medyの高橋社長です。Medyさんは女性向け商品の広告代行やマーケティングコンサルタント、化粧品の口コミを通して人と繋がれるSNSアプリケーションcosmeeを運営されています。
本シリーズで初めてのBtoB企業への取材ということもあり、今までとは異なった視点でのお話をたくさんお伺いできました。
牛島:
どのようなWebマーケティング施策をされていますか?
高橋さん:
cosmeeのターゲットが「過去に買った化粧品で失敗した方」あるいは「自分に合うものがわからない方」なので、その方達のマインドに合わせて効率よくアプリを設計しており、その方に向けてPRもしています。アプリ内の口コミ情報は誰が書いているか分かるようにし、その方とコミュニケーションもとれます。また、自分と同じ肌質や同じものを買っている方の情報も得られるようにしています。Medyは2015年に創立したばかりのベンチャーで、アプリストアでランキング上位にするための有料施策をする余裕はないですし、他の企業と違ってアプリに対するSEO対策は非常に難しいです。今は、cosmeeのLP(ランニングページ)のリンクをSNSやブログに貼ったり、cosmeeのイベント来場者へアプリを直接ご紹介したり、自社MedyのFacebookページにcosmeeについての投稿をしたりしています。
ですが、実はこの半年間、テストでアプリを出して振り返ると、狙っていた方より若い方の流入が多いです。これが分かったので、少し戦略を変えようと思っています。今後もPDCAを繰り返していきます。
牛島:
美容に関するイベントやcosmeeのターゲットは女性でありますが、女性に向けたマーケティングでのポイントはありますか?
高橋さん:
女性のマインドにどれだけ我々、企業が寄り添えるかがポイントだと思います。女性に相反するものは男性であって、男性の消費行動をするときのきっかけは「ステータス」や「趣味」だと思うのです。もちろん少しずつ変わってきていると思いますが。男性向け商品、例えば車のCMは高級感あるものやアウトドアのシーンが多いように思います。
反対に女性の消費行動をするときのきっかけは、「限定」や「お得」、また「時間をかけずに」といったことであり、お金の使い方が男性より現実的だと思うのです。例えばクリスマスシーズンしか買えない化粧品や時間をかけないために乾燥機付き洗濯機を買おう、などと思ったりするところです。
女性がどんなときにその企業さんの商品を買うか、なんで買うのか、を突き詰めるといいと思います。
牛島:
女性向けマーティングに関して多くの企業が抱える共通の課題はなんだととお考えですか?また、その課題に対してどのようにアドバイスしますか?
高橋さん:
マーケティング全般にいえますが、PDCAサイクルのいずれかが抜け落ちていることだと思います。振り返りの仕方が違っていたり、そもそも振り返りをしたようでしていなかったりと、そもそも広告戦略を考えていないままDOをしたり。それだとなかなか有効的な広告戦略は立てられないですし実践できないと思います。
他の課題点としては、女性向けの商品を販売しているのに、代表をはじめとして男性社員が多いことだと思います。いくら販売している商品が優れたものであっても、消費者の気持ちがわからないと、その商品を魅力的に伝えられないですからね。
例えば化粧品だと、CMやネットで情報を見て、化粧品をレジに運ぶ最後の決め手は「自分で化粧品を試したとき」と「友人、知人のおすすめ」です。弊社調べですが。この決め手の理由や先ほど述べた女性の消費行動をするときのマインドなどは、女性にしか分かりえないと思います。男性社員が女性向け商品を販売する場合は、女性のお客様の声を拾うことが一番大切ではないでしょうか。
牛島:
SNSアカウント運用についてのヒントを差し支えない程度で教えていただけますか?
高橋さん:
SNSをどれくらい更新するのがいいかというと、もちろん更新の頻度は高い方がいい、写真のクオリティは高い方がいい、情報はクイズ形式にするなど面白い方がいいですが、社員の人数が少ないとSNS運用ばかりに時間をかけてられません。なので、商品の購入頻度やいつその商品が一番売れるのか等に合わせて更新するべきです。なので、売っている商品、またその商品を売りたいターゲットによって違います。
また、商品のターゲットに合わせてSNSも使い分けたほうがいいですね。
例えばコカコーラのCMを考えてみてください。爽健美茶は美女が大草原で飲む姿、アクエリアスは学生が汗をかいてスポーツをしているときに飲む姿、ジョージアは工事現場で働いているおじさんが飲む姿が映し出されています。決して1つのCMに3つの商品が同時に並んで出てきてないですよね。SNSも同じでターゲットを絞ってPRした方が、お客さんも自分がその商品を使用している姿がイメージしやすいですし、運営側も無駄なくお客さんにメーッセージが届けられます。
牛島:
マーケティングをする上で大切にしていることを教えてください。
高橋さん:
cosmeeを作ったきっかけは、もともと自分が肌について悩みとネットでの情報が正確なのかという不安を持っていたことがきっかけにあります。私がどういう思いでこのアプリを作ったのかというストーリーと、困っている方、このアプリを必要としている方に知ってほしいという思いを素直に伝えてみています。そういった思いが伝わりやすいのは、今はブログであると考えていますので、HPに唯一ブログをくっつけています。またcosmeeのSNSの作り込みも「これはcosmeeのページですよ!」といった商売系の作り込みではなく、「自分にぴったりのコスメが見つかる」といったコミュニティ的なページ名にしています。というのは、cosmeeがユーザーにとって信頼できて安心できる存在であってほしいからです。
自分がされて嬉しいことをお客様にするということをモットーに、ユーザー視点でのマーケティングを目指しています。まだまだ完璧ではありませんが。
牛島:
今後取り組んでいきたいことを教えてください。
高橋さん:
これだけ情報がネット上で溢れている時代なので、情報が正しいのか疑わしいのが現状です。ですが、その現状をチャンスに変えて、いかに裏表のない信頼性の高い情報を提供できるのかがポイントだと思います。だからこそ、Medyは時代に合わせて必要なことはどんどん取り組んでいきたいですね。
今はその情報発信をするのに、SNSやブログが手軽でいいと考えています。今後はなにかに変わってしまうのかもしれませんが。
最後に
お客様の必要としているものを第一に考え、自分がされて嬉しいことをお客様にもする、そのような当たり前でも、難しいことをきっちりと実践されているMedy高橋社長。
貴重なお話、お時間をありがとうございました。
マーケティング、広告に関してお悩みの方はMedyさんでご相談に乗っていただけます。
自分に合う化粧品が見つかるアプリcosmee公式サイトは以下よりご覧ください。
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執筆者:
一般社団法人日本中小企業情報化支援協議会 牛島
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