こんにちは。一般社団法人日本中小企業情報化支援協議会(JASISA)の牛島です。
「中小企業だからこそできるWebマーケティングってなんだろう?」シリーズも4回目となりました。
今回は、さくらフォレスト株式会社の安田さん、中矢さんにお話をお伺いしてまいりました。さくらフォレストさんは、健康食品を販売しているECサイト「さくらの森」、ゲストハウス「ほころび」、コアワーキングスペース「ココフフィス」、コールセンター受託運営と様々な事業をされています。
今回は、お客様に寄り添ったECサイトさくらの森のマーケティングをメインにお話していただきました。
牛島:
貴社のマーケティング施策としてはどのようなことに取り組んでいらっしゃいますか?
安田さん:
9割がウェブ上での施策です。Eコマースも最近軌道に乗り始めたと感じていて、これから色々なことに取り組んでいきたいです。その他には、テレビ、ラジオ、新聞、また最近ではSNSを活用した広告を配信しています。
牛島:
ECサイト「さくらの森」では、生産者インタビューやスタッフ紹介など様々なコンテンツが並んでいますが、工夫されていることはありますか?
中矢さん:
コールセンター事業にも力を入れていて、顔も名前も公開しています。顔が見えることは重要だと考えていて、未だに通信販売に対して不信感を抱かれるお客様もいらっしゃいます。楽天さんなどを使わずに初めて買い物をする際に、どんな会社なのかなと一旦リサーチされる方がほとんどだと思います。リサーチの際に、こちらから顔と名前をさらけ出していたら、少しでも安心していただけると思うのですよね。さくらの森はお客様の健康についての商品を扱っているので、お客様の健康状況や悩みなど、本当のことを教えていただきたいと願っています。そこで、我々が閉鎖的だとお客様も心を開きづらいですよね。通販サイトでは直接お客様にお会いして接客ができない分、こちら側はオープンマインドで接していきたいという考えです。お客様とスタッフとの距離も縮まりますし、話題作りや親近感が芽生え、より良い関係性が築けると思います。
安田さん:
一度さくらの森でお買い物をされた方には会報誌をお送りしていて、会報誌に「お客様のアンケートハガキ」を同封しています。たくさんのお客様から頂いたお声を公式サイトや会報誌でとりあげ、お客様に公開する、そのことによってお客様にまた安心感を抱いていただけると思うのです。お客様からのお声は、マーケティングの手がかりとしても扱っています。「お客様からこのようなお声が多かった」となれば、「次はこういった商品を作ろう」「こういったお客様の悩みを解決したい」という流れができ次に繋げることができます。
牛島:
ターゲットごとに向けたマーケティングでのポイントはありますか?
安田さん:
自社で取り扱っている商品のターゲットは女性のお客様が多いのですが、商品によって年齢も悩みも性別もそれぞれ異なります。ですので、一度商品を購入された方がどのような悩みを抱えているかを把握した上で、お客様の悩みを解決できる同梱物を商品と一緒にお送りしたりしています。また、お客さんの悩みの入り口によって広告の見え方も変えたりしています。
牛島:
さくらの森では、”昔ながらの商店”のような人々の生活に寄り添うコミュニティづくりを目指されていると拝見しましたが、具体的にどのようなことをされていますか?
中矢さん:
定期的に勉強会を日本各地で開いています。例えば、今は「白井田七」というサプリメントを開発された方のお話を届ける勉強会を開催しています。こちらのサプリには、農薬がないと作れない田七人参をどうしても農薬を使用せずに作りたいという生産者の方の思いが詰まった商品なのです。このような思いを我々が文字にしてお客様にお伝えすることはできるますが、実際にお話を聞くのとでは、パワーが全く違います。また、悩みを抱えているお客様が生産者の方とお会いして直接お話できれば、「正しいものを体に取り入れているんだ」という実感が改めて湧きますし、同じような悩みを抱えているお客様同士が繋がれる場にもなると思うのです。
牛島:
感謝の朝礼ブログを長年更新されていますが、こちらへの取り組みの理由、効果などを教えていただけますか?
中矢さん:
自社が会社になる前の事業部の頃より続けていて、もう10年以上経ちます。効果というか、ただ朝一番に笑って仕事を始められたら1日頑張れると思いませんか?実際は、感謝だけでなく週末に起こった出来事などをみんなの前で発表したりします。嬉しいことや悲しいこと、頑張ったことをみんなで共有することって、共同体として健全な姿だと思うんですよね。
安田さん:
朝礼ブログは社内広報としての役割が大きいと思ったのですが、お客様にも意外と読んでいただいたり、コメントをしてくださったりします。こういった意味でも、朝礼ブログはオープンマインドな社内の気風にあっているのですかね。
牛島:
今後取り組んでいきたいことについてお聞かせください。
安田さん:
先ほどの勉強会もそうですが、さくらの森では「ウェブからリアルに」を目指していきたいです。実店舗まではいかなくても、直接お客様とお会いできる機会を増やしたり、お客様同士が繋がれたりできれば、もっといい関係になれるのではないでしょうか。
中矢さん:
雑誌や紙媒体での広告も取り組んでいて、テレビなど媒体自体を広げていっています。
ウェブの世界は1日過ぎたら昔になってしまいますので、先を見据えて仕掛けていけるくらい攻めていきたいです。新規のお客様にさくらの森を周知していくことも大事ですが、既存のお客様とどれほど長いお付き合いしていけるかも大切にしています。ITの会社ですが、泥臭いスタイルで続けていけたらいいですね。
最後に
オンラインショッピングで抱かれやすい不信感や不安をお客様に感じさせない、オープンマインドなマーケティングをされている「さくらの森」、感謝の朝礼ブログは、以下のリンクよりご覧になれます。
さくらの森:http://sakura-forest.com
さくらフォレスト:http://sakuraforest.co.jp
素敵なお話、お時間をありがとうございました。
執筆者:
一般社団法人日本中小企業情報化支援協議会 牛島
URL:http://www.biz-solution.org/