従来の事務機器販売から「オフィス課題のトータル伴走支援業」へとビジネスモデルを転換した結果、業種平均の2.17倍となる生産性向上と残業時間66%削減を実現した、株式会社弘法の事例をご紹介します。
変革を迫られた伝統企業

広島市に本社を置く株式会社弘法は、1923年に創業。「喜びの創造」を企業理念に掲げ、事務機器販売の他、IT・ネットワークや働き方改革支援、オフィス環境提案(オフィスマネジメント)、広島オフィスづくり.comの運営を行っています。

絶えず変化するVUCAの時代にあって、激化する価格競争、競り負けることがある官公庁向けビジネス、ペーパーレス化の波、いまだにメーカーの影響力が根強いなど、事務機器販売の業界には多くの課題がありました。

一方、弘法においても物売り意識が非常に強く、残業を当たり前とする風土でした。個の力量に依存する営業活動、「売れても楽しくない」と若手社員から声が上がるほどでした。入札市場への依存度を減らすためにも、民間企業との新規開拓は急務でした。

そこで弘法では、創業100年の節目を「第三創業期」と位置付け、事務機販売業からオフィス作りをワンストップでトータルサポートするオフィス課題のトータル伴走支援業へのビジネスモデル変革へ挑戦していくことにしました。
改革を支えた3つの変革
弘法の改革は、組織・営業・意識という3つの柱で展開されました。
本社営業部の組織変革

まず組織面では、従来の本社営業部をオフィス環境、ワークスタイルソリューション、ドキュメントマネジメントの3つの専門事業部に再編しました。ドキュメントマネジメント事業部が従来の顧客担当機能を担いつつ、新たに立ち上げたワークスタイルソリューション事業部でICT推進を、オフィス環境事業部でオフィス開設・リニューアルを専門的に手掛ける体制を整えました。

これによってそれぞれの専門性が追求できること、オンラインの営業動向も取り入れながら、全拠点横断的な支援が可能となり、個に依存する営業活動から、個プラス組織力で顧客対応できる体制を整えました。週1回のオンライン全拠点勉強会も開催し、組織全体のスキル向上を図っています。
提供サービス、商品領域を広げる営業改革

オフィスの修繕・リニューアルに着目して、「広島オフィスづくり.com」という集客特化型のホームページを立ち上げました。そのサイトのSEO対策としてブログも運用しています。「オフィス移転 広島」など、10項目以上の分析指標に基づくSEO対策を継続的に実施し、ブログ執筆カレンダーに全社員を割り振っていきました。
その結果、初年度の問い合わせ件数は18件でしたが、SEO対策が功を奏して、新規の顧客や、従来の営業では縁がなかった、都市部の企業からの問い合わせの問い合わせが増え続け、3年目には100件を超えました。なお、SEO対策に専門的な増員はしていません。
理念を軸にした意識改革

最も重要な変革は、経営理念「喜びの創造」を軸にした意識改革だった。従来の訪問件数や商談件数による行動管理から、「いかにお客様に喜んでもらえるか」を追求する評価軸へと転換。経営層とリーダー層の意識統一を図り、現場への権限委譲を進めることで、事業推進の加速化につなげた。
部門・階層を越えた多様な改革
弘法は、自社で実践した業務改革のノウハウを他社へ提供し、中小企業の働き方改革のモデル企業となるために、部署や階層を越えた改革を進めています。
オフィスの0円リニューアルとテレワークの導入

既存のICTを利活用できそうな業務の洗い出しから導入、ペーパーレスなどをボトムアップで推進しています。業務の洗い出しにはワークショップを活用しました。オフィスに紙の書類がほぼなくなったことで、スッキリしたオフィスへと生まれ変わりました。こうした経験は、顧客への提案力強化にもつながっています。
オフィスづくり委員会を設立

社員の自律性を活かして、継続的な改善活動としてオフィスづくり委員会を設立しました。各委員会は、毎週金曜日に定例会議を行い、若手社員を委員長に登用し、部門や階層の異なるメンバーが参加。毎月の定例報告会にて社長を含めた全社員に共有しています。
オフィスづくりの支援を通して得られた成果と今後
改革の成果は、数字にも明確に表れました。

業種全国平均の2倍以上の人時生産性、残業時間の大幅削減、本社営業の人員や問い合わせ件数の増加、経営理念の社内浸透といった成果も出しながら事業領域を拡大し、従来からのビジネスモデル変革を実現しました。オフィスカジュアルの導入やフェア企画など、オフィスづくり委員会主体の改革も徐々に実を結んでいます。
弘法の改革は現在も進行中です。これからも喜びが生まれるオフィスづくりを通して、地域社会へ貢献していこうと考えています。
まとめ
広島の老舗企業である弘法は、創業から100年を迎えたタイミングで事業の見直しを図り、時代の変化に適応しながら新たな価値創造に取り組んでいます。社内改革やオフィスづくりのWebサイトを介した歴史ある企業の挑戦は、多くの企業にとって示唆に富むものとなるでしょう。
全国ワークスタイル変革大賞 2025
「働く」を再定義し、未来を共創するチャレンジを募集!


