コロナ禍で大打撃を受けた観光・飲食業。能登島で、カフェとイルカとの触れ合いを提供する能登島マリンリゾートも例外ではありませんでした。しかし、需要が回復してくると電話対応の負荷が、本業に支障をきたすようになってしまいます。そこでネット予約システムを刷新。
Webサイトからいつでも予約・キャンセルができるようにしただけでなく、クレジットカードや電子マネー支払いにも対応、売上金や従業員のシフト管理までシステム化を行いました。その分のリソースをアクティビティ増枠に当てることで、厳しい状況の中で売り上げを5倍以上に伸ばすことに成功したのです。ネットやシステムに決して明るいわけではない坂下社長ですが、サポートに何度も問い合わせをして自力で構築したシステムは「今では私の強い味方」と語ります。
アナログからデジタルに進化することで、新たなコミュニケーションの形を見出した事例として「北陸総合通信局長賞」を受賞しました。
株式会社能登島マリンリゾート
所在地:石川県七尾市能登島曲町2部乙2-7
設立:2005年3月25日
事業内容:カフェ、イルカウォッチング、ドルフィンスイム、ハンドメイド体験、コテージ
従業員数:4名
https://www.umi-to-orgel.com/
コロナ禍で事業に大ダメージ

能登島マリンリゾートでは、海のすぐそばで窓一面に広がる海を眺めながらのお食事を楽しめるカフェ「海とオルゴール」を運営しています。車で15分ほど行くと和倉温泉があり、
和倉港からはアクティビティ事業として、船上から眺めるイルカウォッチングだけでなく、
イルカと一緒に泳ぐことができるドルフィンスイムの事業を行っています。
さらに、3年前にはカフェの前にあった倉庫を改装して、一棟貸切露天風呂付き宿泊コテージの運営も始めました。創業してからこれまで様々なことにチャレンジしてきました。
今では積極的に新たな取り組みにチャレンジしていくことが当社最大の強みです。
主要顧客は首都圏・関西など観光の方が多く、顧客層としては、カップルがダントツに多く、
次に女性、家族連れの順となっています。しかし、2020年からコロナウイルス感染拡大による影響で、事業に大きなダメージを受けました。
電話での口頭予約によるトラブル多発

観光需要が盛り返してきてからは、オペレーションの不備に悩まされました。
当時は電話で受付をし、予約管理は手書きのノートでした。電話受付のカフェと、船が出航する和倉港は車で15分ほどかかります。なぜ場所が離れているのかというと、イルカ達が生活の場とするポイントを変えたからです。事業開始当初は能登島付近だったため、カフェの目の前の桟橋が集合場所だったのですが、ポイントが変わってしまったため、和倉港から船を出すことにしました。
しかし、出航場所が変わったことで電話予約によるトラブルが多発。
というのも、カフェにある固定電話には、トップシーズンには1日50回以上も電話がかかってきます。内容も予約電話だけではありません。「イルカについて質問したい」といったような質問電話だと、平均で10分、長い場合は30分かかることもありました。
1組のお客様が何度も電話をかけてきたりすることもあります。そのほかにも、カフェに間違えてきてしまうお客様の対応や、現地に到着したお客様からも港、駐車場、船、トイレなどの問い合わせを全部電話で行っていました。電話は顔が見えない分、色々な感情をぶつける方もいらっしゃいます。
カフェでは常に電話が鳴り響くようになり、心の負担になるだけでなく、応対の会話がお客様に聞こえてしまって、不快な思いをさせてしまうようになりました。
複数事業の予約管理をクラウド化

そこで、2021年春にイルカウォッチング・ドルフィンスイム・コテージの予約システムを複数管理できるエアリザーブに切り替えました。エアリザーブ導入により、お客様はPCだけでなくスマホからの管理画面で24時間受付・キャンセルができます。

予約説明文を読んでいただければ、和倉港から船が出ているっていうのがわかります。
Web予約特典を付け、ホームページからリンクすることで電話での問い合わせがなくなり、
スタッフの負担も大幅に軽減されました。顧客情報が事前にわかるので、初回のお客様かリピーターかを把握でき、よりきめ細かいサービスにつなげられています。
Web予約に切り替えたことで予約の取りこぼしを防止でき、売上の最大化を実現できました。
ドルフィンスイムについては、1〜2年前の売り上げを大幅に伸ばし、5倍以上の売上を達成しています。
活用中のクラウドサービス

現在活用しているクラウドサービスは、エアリザーブの他に、エアレジ、エアシフト、
クラウド監視カメラ、Zoom、googleカレンダーなどです。
エアレジについては、観光地ということもあり、クレジットカードやQRコード決済の利用者が増加していたことと、売れ筋商品の把握ができずにロスが生じていたことが導入の理由です。
エアレジ導入により、これらの決済利用が可能になったのはもちろん、売れ筋商品を即日把握することができ、ロス減少につながりました。毎日の売上管理にも活用しており、データを会計士と共有しています。また、手書き伝票がなくなったことでミスが減少し、オーダーがスムーズにできないといったこともなくなったので、スタッフ間トラブルもなくなりました。

次に、エアシフト導入について解説します。
こちらは、全スタッフと共有しており、毎日のシフトを管理しています。人員が不足した場合も、クラウド上で出勤のリクエストが可能です。労働時間、シフト、人数なども一目で見ることができ、電話なしでシフト変更可能であるため、管理がスムーズになり時間削減につながりました。
労働時間と給与が表示されるため、スタッフのやる気向上につながるというメリットもあります。今まで手書きや直接会話で伝えていたことが、クラウドを活用することで業務にかかる時間を短縮することができました。
未来を見据えて・・・。

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未来を見据えて、シミュレーションした時に考えたことや実践したことが、
今の経営の柱となりました。今後なくてならない必需品であるクラウドは大切な救世主。
iPad やスマホは強い見方です。
新たな時代、直接声に出して伝えることはだんだんと薄れていく中で「お客様は何を求めているか」を模索した時「文字と非接触型だ」と気が付きました。クラウド上の画面の中の人の感情や思いは、一文字一文字の中に込められているからです。
新たなサービスを得て進む先でも、人と人とのつながりを大切にし、クラウドを活用し、経営の力としていきます。
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