事例

野菜の受託加工における自動見積システムの導入によるDXの推進

コロナ禍で対面営業が難しい状況に陥り、非対面で何かできないかという発想でホームページを改修。2021年5月からという短い取組み期間で、課題であった売上の構成比と工場の稼働率をアップさせた事例です。地元の九州圏内から関東圏まで商圏を拡大するという効果も生み出しました。DXは難しいイメージをもたれがちですが、まずはできることから効率化に取り組む前向きな姿勢が高く評価され、九州総合通信局長賞を受賞されました。

株式会社村ネットワーク

所在地:大分県豊後大野市大野町田中 43-12
設立:2014年7月1日
事業内容:野菜カット・野菜ペースト、カットフルーツなどの製造加工販売
従業員数:14名
https://muranetwork.com/

経営の現状

当社は、野菜や果物の加工販売業者で、現在主に4つの事業を運営しています。
飲食事業と業務用野菜カット事業が主力事業です。
しかし、その2つと小売と受託加工事業との間に売上の隔たりがあります。
そして、3~8月の工場の稼働率が低いことが経営課題です。

対策と課題

つまり、当社の課題は、売上比率と、工場の稼働率を平準化すること。
2つの課題を解決するために「受託加工事業の拡大」を目指すことにしました。
「モノ」ではなく「技術」「設備」「経験」を販売しようという発想です。

しかし、コロナの影響に加え、加工の問い合わせ対応に時間がかかる割に成約率が上がりません。

コロナ禍での事業拡大のために必要なのは「非対面で営業」「自動で問い合わせ対応する仕組み」だと考え、DXに取り組むことにしました。

課題解決のための取り組み

課題解決のために、2つのステップを考えました。

Step 1:ホームページに LP という形で営業させること

Step 2:自動見積システムを作成し導入

順にみていきましょう。

Step 1:ホームページの LP化

「受託加工サービスは何か」を、具体的に詳しく説明するため、ホームページを改修しました。

Before

受託加工ページは元から存在していましたが、具体的な説明は未掲載でした。

After

こちらが改良した LPです。中小企業で多く使われている wordpress を採用して作成しました。

まず「受託加工サービス」の説明を行い、スクロールすることで以下の説明を見ることができます。

・このサービスのターゲットは誰か、
・具体的にどんな加工ができるか
・当社の優位性は何か
・具体的な事例の紹介など

これらの要素を入れ込み、ホームページで営業を可能にしました。

Step 2:自動見積システムの作成・導入

説明だけでなく、その場で見積もりをお客様に提示して見込み客を獲得することが必要と考え、自動見積もりシステムを導入しました。

加工したい食材を選択すると、加工実績のある食材が表示される仕組みです。

加工実績が増えれば、管理画面で新たな食材を簡単に更新できます。

次に加工方法を選択し、持ち込みたい原料の重さを入力。もし、原料に特徴がある場合は、そちらも追加で選択できます。

入力が完了すると、加工にかかる費用の見積もりが表示されます。

価格に納得いただけた場合は、仮申込フォームに入力すれば、加工の仮申込が可能です。

自動見積もり、仮申込フォームを導入することで問い合わせ対応の手間を省くだけでなく、より成約率の高い見込み客とのやりとりができるようになりました。

見積もり・仮申込情報はデータとして蓄積され、google スプレッドシートにて社内で瞬時に共有できる仕組みです。

集客方法について

ホームページをいくら作り込んでも訪問機会がないと営業になりません。

そこでDMを作成・配布することで、ホームページに誘導するとともに、アクセス状況を googleアナリティクスで追いかけながら分析。次の戦略につなげています。

結果

結果は以下の通りです。

・受託加工サービスの売上比率:7%→17%

・工場の稼働率:17%→85%

・自動見積システムの利用件数:330件(2021年5月~9月)

売上比率も工場の稼働率も大幅に増加しました。また330件という見積もり作成の手間を省くことができ、効率的な成約に役立っています。

まとめ

今回、クラウドを活用した取り組みを3つ行いました。

クラウドシステムを導入するにあたって考慮した点は「自社で運用できるか」ということ。そこで、既存のホームページを改良し、手軽に更新できるようすることで、運用をスムーズに行うことができました。

今後もデジタルをうまく活用し、時代に合ったスタイルで柔軟に対応していける企業を目指していきたいと考えています。

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