事例

すべての属人タスクを一本に繋ぐ!みどり財産コンサルタンツが実践した爆速DXとその結果 

非効率でアナログな業務が続いていても「そういうものだから」となんとなくその流れで業務を行っていることはないでしょうか?株式会社みどり財産コンサルタンツは、そこにメスを入れ、属人的な作業や顧客管理、紙ベースの業務を廃止。Salesforceを軸に社内のクラウドシステムをつなぎ、商談~会計までの流れをシームレスに統合することで、年間2770時間の工数削減を行いました。情報を全てオープンにすることで、専門性が高い業務のスキルを横展開。各社員の成長も目指します。顧客管理と情報共有、会計連携にお悩みの企業様はぜひ参考にしていただきたい事例です。

株式会社みどり財産コンサルタンツ

所在地:香川県高松市栗林町1丁目18-30 みどり栗林ビル
設立:平成15年11月
事業内容:相続・事業承継コンサルティング、M&Aコンサルティング・法人組織再編、法人・個人の節税、税財務コンサルティングなど
従業員数:16名(令和3年10月現在)
https://www.midori-zc.co.jp/

1.課題~2017年4月時点で抱えていた課題

5年前、当社は業績は右肩上がり。徐々に社員数も増えて堅調に成長していましたが、漠然と抱いていた4つの課題がありました。

①属人的な作業&顧客管理

当時は、職種にかかわらずそれぞれの作業は非常に属人的でした。

営業とアシスタントは、情報連携は密に行っていました。しかし、営業社員同士は作業が分断されているなど、組織のシナジーが生まれにくい状況にあったのです。


コンサルティングは無形のサービスを提供します。つまり、お客様情報が何よりも重要です。にも関わらず、この当時使用していた CRMは必要な時に必要な情報を取り出せない状況にありました。顧客リスト一つとっても営業社員単位で作っていた状態です。お客様に「いつ」「何を」提案したらベストかという情報は、個々の頭の中にしかありません。

提案のタイミングを逃したり。必要にもかかわらず提案してないようなことが日常的に起きていたのです。

②紙ベース管理

2つ目の課題は紙ベース管理です。

営業に必要な資料はアシスタントが毎回1つずつ手作業で作成する状況。売上の報告に関しても、営業から経理に手書きで手渡していました。

③共有されない文化

当時は、情報共有や連絡事項が全て個別メールで行われていました。

「誰がどんな商談をした」「どんな売り上げが上がった」「誰がどんな作業をしている」などは、調べないと分からない状況にあったのです。

④独立した会計管理

当時は、商談と売上の記録を別々のクラウドサービスて管理しており、2つの情報が完全に分断されていました。

つまり、どの商談からどの売上が上がったか、つながりが確認できませんでした。

4つの課題を俯瞰してみると、それぞれをバラバラに管理されていることこそが課題なので、それらを一つにつないでしまえば良いのではと考えました。

個人の作業も、お客様との商談も、お金の流れもすべてをつなぐことで便利になるばかりではありません。当社にとってとてつもない情報資産になるのでは?と考えるに至りました。

2.どう作るか? ~そうだ。すべてをつなげよう!

「会社全体で、シームレスな情報管理ができないか?」という検討を5年前に開始しました。

構想としては、この図の通りです。お客様と商談、売り上げメールのやりとりなどはすべてクラウドサービスに記録、個人の作業も全員が記録します。

お客様を軸に、情報を繋げられるだけ繋ぎ、それを社内全員で共有するのはどうかと考えました。新人であってもシステムにログインさえすれば、入社初日から会社のことがおおよそわかってしまうという形になるのが理想です。

設計段階から、この情報は、営業活動とマーケティング活動に活用できると確信していました。

SFA/CRMにどんなサービスを選定したか?

設計の次はシステムの選定です。当社が提供するサービスは非常に多岐にわたります。売上の管理ひとつとっても複雑です。

そのため、CRM選定基準としては開発の自由度が高いこと、それからセンシティブな情報を取り扱うので、セキュリティが強固であることを重視しました。また、当社のサービスは状況によって数年後で売上構成ががらっと変わる可能性があります。このような当社の変化に対応できる先進的な取り組みをしているサービスであることも重要なポイントでした。

そこで選定したのはSalesforceです。

社内情報共有

ベースが決まったところで、次は共有されない文化の課題解決方法です。

まず社内メールを全て廃止し、やり取りは全てSalesforce のChatter(チャター)に移行。社内社員同士のオープンな情報共有を行えるようにしました。


お客様のやりとりだけは、引き続きメールでは行っていましたが、添付ファイルはboxから共有するようにしてセキュアなやり取りにしています。

Salesforceからの会計連携

Salesforceからの会計連携には、クラウド会計システムfreeeを選定。

今までは、伝票を手で書いて経理が仕訳というアナログな作業をしていましたが、全てオンラインに切り替えました。

どんな構築を行ったか?

Salesforceでどのような構築を行ったかについて解説します。

まずはお客様との関わりが把握できるように、商談やあらゆる客様との接点を溜め込める器を用意。お客様の情報だけではなく、当社が提供するサービスについても商材ごとに準備しました。

それらを基礎情報にし、ボタン一つで情報を抽出し、資料としてアウトプットできる仕組みを作り上げていきました。

例えば、お客様や商談によっては定期的にお知らせする機能を設けたり、溜め込まれた膨大な情報の中から、営業のアタックリストを簡単に生成して共有する仕組みを実現。

紙ベース管理も廃止し、Salesforce に移行。デジタルでの管理も実現しました。

構築はスピード感が命

構築のスピード感についてですが、大きく2回に分けてローンチしました。

過去のクラウドサービスからの情報移行など、基本的な機能実装は3カ月で構築しています。その後、試験運用しながら4カ月で会計を連携を進め、全体としては半年ちょっとで機能実装しました。細かい機能リリースについては、月1ペースで継続しています。

3.結果 ~〇〇〇〇時間の工数削減

5年たった今どうなったかというと、開始時点で掲げた4つの課題は100%達成しました。

さらに、取り組みの副産物として生産性が目覚ましく向上しました。

例えばバックオフィスでは業務時間が770時間削減。社内全体としては情報をつないだことにより「探す」行為が劇的に縮小されました。社内全体ではおおよそ2000時間くらいの業務時間・工数削減となり、全体では2770時間工数が削減できた計算です。

売上については5年前と比べて約1.3倍に伸びています。

しかし、クラウドサービスの導入が売り上げに貢献できたかというと課題が残るところです。

4.今後 ~次、目指すもの

次は、Salesforceに貯まったデータを活用した売上アップを目指しています。現在、さまざまな施策を実行中です。

2017年、取組を行う以前は、従来の方法で業務をなんとなくの流れで継続していました。

今回このような成果を上げられたのは、クラウドサービスの導入が目的ではなく皆で「圧倒的な成長するぞ」という目標を掲げ、全員で取り組んだからこそだと思います。

これからも成長を続け、より一層の付加価値をお客様に提供することが目標です。

本事例が、同じような課題を抱える企業様にとって少しでも参考になれば幸いです

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