今後の業界動向と人口減少を見据え、本業以外の新たなサービスを創出したいとお悩みの企業様も多いのではないでしょうか。株式会社丸信では、2016年にSalesforceを導入を皮切りにDXを開始。アナログな受発注業務を効率化するとともにお客様へも利便性を提供しました。さらに、営業社員に寄せられたお客様のニーズを集約・分析して「お客様のお困りごとを解消する」新たなサービスを生み出しています。全社で取り組んだクラウド化・DXの成果をご覧ください。
株式会社丸信
所在地:福岡県久留米市山川市ノ上町7-20
設立:昭和43年06月01日
事業内容:事業内容包装資材販売・シール印刷加工・紙器印刷加工・その他商業印刷
従業員数:450名(2021年4月1日現在)
https://www.maru-sin.co.jp/
株式会社丸信は、食品向けの包装資材の販売、シール印刷やパッケージ印刷を手掛ける企業です。主なお客様は食品スーパー、酒造メーカー、食品メーカーなど。これらの企業の「お困りごと」に着目して関係性強化に取り組んでいます。

ディレクター、デザイナー、コピーライター、カメラマン webデザイナーなどのクリエイターを抱え、お客様の包装資材の企画デザインから販促支援までワンストップで提供できるのが特徴です。
改革の背景と経営方針

印刷業界はバブル期には9兆円産業といわれましたが、2018年には5兆円を切りました。
さらに、コロナ禍で大きな打撃を受けています。市場規模はおそらく4兆5000億を割り込み、今後も縮小が続くでしょう。

しかし、人口減の影響を受けるのは当社だけではありません。
お客様も多くの問題に直面するはずです。お客様のお困りごとを解決するような仕事が今後も生まれてくると考え、そこに着目して経営戦略を構築していくことにしました。
今日の話しは大きく二つです。
- クラウドサービスを活用したお客様の「不」の情報を共有化による新サービス開発
- クラウドサービスを活用したスピードと効率化による生産性向上
クラウドサービスを活用したお客様の「不」の情報を共有化による新サービス開発

お客様の「不」とはなんでしょうか。
それは、営業マンが常日頃お客様よりお聞きしている、不便・不満・不安・不備の情報です。これらをお客様の「不の情報」と名付けました。
これらの情報は、これまでは営業担当者が自分の頭の中・PC の中・手帳の中に保存していたので、共有されていませんでした。

そこで、Salesforce を導入し、これらの情報を一元集約しました。
さまざまなお客様の情報が迅速に社内で共有され、新しいサービス導入のヒントが得られるようになったのです。
「不」の解消事例① 通信販売の課題

ほとんどの食品メーカーは通販にチャレンジしていますが、通販での食品販売は実はハードルが高いのです。
「楽天にお店を出したが全然売れない」「何から始めていいかわからない」といった声を多数いただいていました。

そこで、売り上げを増やすお手伝いをするために2016年にスタートさせたのが「九州お取り寄せ本舗」です。サイトを通じて、広告や販促手法をテストし、得たノウハウをお客様に提供しています。
2018年より九州地区のお客様に対して商品提携の提案を強化し、現在では掲載商品は400点、月商1000万円を超える月も出てくるようになりました。2021年の年間売り上げは1億円を見込んでいます。お客様に対し、通販の売上アップのお手伝いができるレベルになりました。
「不」の解消事例② 人材採用支援

人手不足は、ほとんどの企業が抱える問題です。当社は indeed を使って採用を好転させたという成功事例があったので、それをお客様にお伝えしたところ「われわれもやりたい」「いっそ丸信さんでまとめてやってほしい」と要望を受け、現在は indeed の代理店として採用支援も行っています。
・丸信の求人支援
https://saiyo.maru-sin.net/
「不」の解消事例③ OEMマッチング

食品開発OEM.jpは、食材を持つ人と、食品メーカーのマッチングです。
材料を「缶詰にしたい」「ゼリーにしたい」あるいは「こういう材料があるんでどこか他の会社で使ってもらえないか」このようなニーズを結び付けてマッチングしています。
このサイトは月間16000アクセスあり、毎日多くのマッチングが生まれています。

今後もお客様の「不」を解消する新サービスを創出していきます。
クラウドサービスを活用したスピードと効率化による生産性向上
WEB 受発注システム

包装資材の業界は、電話・FAX での注文がほとんどであり、注文内容を入力しなければなりません。それから倉庫に発注情報が渡り、ピッキングリストバーでピッキングしている状況です。
そこで、WEB 受発注システムを開発し、タブレットから直接お客様が受注入力できる仕組みを取り入れました。お客様が受注入力をすると、ダイレクトに倉庫でピッキングリストが出力されます。間の受付と入力の作業をショートカットした分、配送までの時間が短縮されるものです。

今では300を超えるお客様に利用いただいています。
導入効果としては、事務処理も倉庫作業もおおきく残業時間を削減、トータルで年間416時間の削減に結びついています。
クラウドの導入体制と活用事例

クラウドをどのような体制で導入していったかをお話ししましょう。
2016年にSalesforce を導入しましたが、その当初からプロジェクトを組織しました。毎月改正のミーティングを継続中です。
受注入力などの業務改善するための問題については、別に業務改革委員会が取り組んでいます。
MA(マーケティングオートメーション)を使った営業のサポートについては、DXマーケティング委員会を組織。
この3つの組織が社内の業務改革とDXを動かしています。
コンサルタントの活用

当社のクラウドと基幹システムとの連携図です。
マーケティングオートメーションを使った営業のサポートなど、さまざまな情報が一元集約
されています。これだけのシステムを単独で運用するのは困難だったので、株式会社クリアから導入~従業員教育~カスタマイズまでサポートを受けました。
Salesforceの活用例

こうしたシステムを活かし、営業では先行管理を行っています。基幹システムとの連携によって「売上がいくら」か「この先どれぐらい売りあがるか」がわかるようになりました。これを営業の行動改善につなげています。
見積書などの書面も、一元管理によって新人の社員がベテランの知見を活用できるようになりました。
DXマーケティング委員会の活用例

休眠顧客については、営業ではなくDXマーケティング委員会の方でフォローしています。MAツールを使ってメルマガなどで働きかけ、お客様からの認知度を上げてホットになったところで営業が応対するという流れです。
導入したクラウドサービス そして未来へ

様々な提供価値向上と生産性向上のためにクラウドツールを導入してきました。

これらの成果もあり、35年連続増収を続けています。
今後も、お客様の「不」の情報を道しるべとし、いろいろなクラウドサービスを活用しながら新サービスを創出。さらにお役に立てる存在になることを目指します。
従業員みんなの働き方も改善する「持続的な生産性向上」が願いです。
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