事例

ベンチャー企業が実践したクラウドツール活用〜職場の環境改善とクライアント満足度向上〜 

クラウド化に取り組もうとしても、何から手を付けて良いかわからない……そんな企業も多いのではないでしょうか。そんな時は、まず自社の課題を整理して、効果が高いところからシステム化に踏み切るのが最善策です。ASUE株式会社がはじめたのは、まずは自社の課題を3つに絞ることでした。そして、それぞれの問題を解決できるクラウドツールを選定・導入。残業を削減し、社員の知的労働に従事する時間を増やすことで、顧客満足度を高める結果を出すことに繋げています。今後は、現在導入しているツールの活用の幅をより広げ、メンバーにとって働きがいのある環境を用意し、さらなるクライアントの成果につなげていく仕組み作りを考えているそう。
労働集約型のビジネスモデルで、効率化について考えている企業に参考になる事例です。


ASUE株式会社
所在地:名古屋市中区 錦三丁目5番30号 三晃錦ビル6F
設立:2012年9月19日
事業内容:インターネット広告事業、Web制作事業、Webサイト・メディア運営事業
従業員数:35名(2020年11月現在、アルバイト含む)

https://asue.jp/

私たちは現在、クライアントにとって、成果を出せる集客のパートナーになりたいと考え
クラウドによるコミュニケーションを多くとるということを大事にしています。
しかし……私たちにはクラウドツール導入前に課題が 3 つありました。

クラウドツール導入前の課題

課題はこちらの3つです。生産性、コミュニケーション不足、そして属人化した業務。
順に説明していきましょう。

課題①

まず 1 点目は残業問題。
こちらは主にバックオフィスの経理の月初入力作業に大きな時間がかかっており、
残業時間は月平均43時間ほど。担当者に大きな負担がかかってしまうことで、
モチベーションの低下にもつながっていました。それだけではありません。
月次決算が出るまでに15営業日ほどかかっていたので、迅速な意思決定ができない状況でした。

課題②

2点目の問題はクライアントとのコミュニケーション不足。
WEB広告代理店業というのは、労働集約型のビジネスモデルです。
会社の規模が大きくないと分業体制が取れませんので、幅広い業務を行う必要があります。
業務に忙殺されてしまうことで、本来私たちが大事にしているクライアントへの
改善施策の時間など、コミュニケーションを多く取るということができていませんでした。

課題③

3点目は属人的な営業活動です。
お問い合わせ頂いたクライアントとの商談までを、それぞれの営業メンバーが独自にエクセルで管理しており、独自の営業手法と内容で行っていたので、営業の「見える化」をはじめとした
営業内容の均一化ができていないという課題があったのです。

具体的な施策①

これらの問題に対し、私たちが取り組んだことの 1 点目は、まずバックオフィスの業務をすべてクラウド化しました。これらのツールを入れることで、入力時間を多く削減することができました。

クラウドツール導入による効果①

どのくらい削減できたかというと、43時間後だった残業時間が月平均10時間ほどまで短縮。
さらに、月次決算も15営業日から5営業日と、10営業日も短縮できました。
担当者の負担を減らしながら、意思決定のスピードをあげることが実現できたのです。

具体的な施策②

2 点目の課題に対しても、クライアントへの報告のレポート作成をクラウド化しました。Google・Yahoo・SNS媒体の広告の媒体の結果を、Googleのデータポータルと連携して
アウトプットすることで、レポート作成の業務をなくしました。

その結果、クライアントともリアルタイムでデータを見えるようになり、
改善の頻度・サイクルを高くするということができました。

クラウドツール導入による効果②

その結果、半期に一度、私たちの方で調査している「お客様満足度調査」のコミュニケーションの部分に関して、5ポイント中 3.4 ポイントだったところが 4.1ポイントまで改善されました。

具体的な施策③

そして 3 点目は、商談の「見える化」や営業内容を均一化しようとSalesforceを導入。
お問い合わせ頂いたクライアントやその商談の「見える化」を行って、商談管理は営業の
ロールモデルから進捗を12のフェーズに分解。商談内容を均一化するという取組です。

クラウドツール導入による効果③

Salesforce導入前で25%ほどだった受注率を、46%まで改善することができました。

クラウドツール導入の全体像

現状では、このような形で社内業務のほとんどをクラウド化して、働きやすい環境を用意することができております。

社内への浸透方法

導入にあたって社内で工夫した点としては、定期的なキャンペーンを行っています。
その中で、クラウドツールの入力漏れだったりミスだったりをなくそうと、
このようなチラシやポスターを使って社内への浸透をはかっています。

またSalesforceでは入力漏れのグラフを使い、入力漏れがどのくらいあるかを「見える化」
しています。曜日と時間を決めて「入力タイム」を作ることで、時間内に皆で入力をしよう
と呼びかけ、社内浸透を測っていきました。

今後のクラウド活用について

当社のように、クライアントとタッチポイントが多い事業は、メンバーの満足度だったりとか
働きがいが高かったりすることが、結果的に顧客満足につながると思っています。

そのため、今後もSalesforceやMAツールの活用の幅を広げ、今後はマーケティングの自動化を行い、知的労働生産の時間を多く取ることで、メンバーの働きがいのある環境を職場を用意して、
クライアントの成果につながるような仕組みを作っていきたいと考えています。

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