事例

【桑原運輸株式会社】企業の持続性のカギはバックオフィスが握っている!ペーパーレス化と担当者エンゲージメント1.2倍を実現したバックオフィスDXの全貌 

全国中小企業クラウド実践大賞とは、クラウドを活用して新規事業創造、収益向上、業務効率化を実現した中小企業等の実践事例を発掘し、広めていくためのプロジェクトです。

2022年10月21日に行われた「近畿・中国・四国大会」より、運送業において、脆弱だったバックオフィス業務の業務改善を進めた桑原運輸株式会社の事例をご紹介します。

桑原運輸株式会社の概要

■法人名:桑原運輸株式会社
■事業内容:

港湾運送業

貨物自動車運送業

製造・物流に関する請負業

産業廃棄物収集運搬業

■設立:大正13年4月

■公式Webサイト:https://kuwaharaunyu.co.jp/

次の100年に会社をつないでいくために

当社は愛媛県新居浜市、四国瀬戸内側の真ん中あたりに位置し、大正13年に創立されました。本年で創立98年を迎え、再来年には創立100年となります。

代表者は 桑原涼一、私の兄にあたり、兄弟で経営しており、従業員数は約160名です。 

我々はこの新居浜で事業をさせていただいておりますが、私たちが長年、新居浜の地で事業を展開させていただいてきた要因は、お客様との強固なパートナーシップを長きに渡り持続できたからだと考えております。

約100年、お客様から必要とされ続けてきた、この素晴らしいバトンをしっかりつないでいきたい。しかし私自身が約10年ほど前に入社をした際、このパートナーシップ持続のうえで感じた課題・危機感がございました。

脆弱なバックオフィス体制に危機感

私が抱いた会社の持続性に対する危機感は、脆弱なバックオフィス体制です。

紙と手作業で、非常に労力のかかるやり方でした。

タイムカードは紙からExcelに転記する、伝票起票は手書き、そして従業員の長時間労働の管理の甘さも見られました。 

法令を守るのは当然のことなんですが、中小企業の運輸業で、「まあこれぐらいなら、他もやってるんじゃないか」といった甘えを感じることもよくありました。

また、多大に労力のかかる仕事の仕方によって、一人一人が目の前のタスクに手一杯になっていて、長時間労働を是正する、様々な課題を議論していくといったアクションができていませんでした。社内の課題が「自分ごと化」されてなく「他人ごと」となっていたんです。

「これらを改善していきたい」と私は使命を感じました。

そこで取り組んだのが、バックオフィスのDXです。

法令やルールに沿って、従業員が安心・安全に働ける環境。

一人一人が経営者と同じ視座で会社を考えられる環境。

これらを構築していきたいと思いました。

バックオフィスのDXの全体像

我々のバックオフィスDXの全体像です。

給与、人事、財務、税務、会計といった基幹のところで「OBC奉行クラウド」を利用しています。

社労士の先生や、税理士の先生とデータベースを直接、随時参照していただける環境にしました。

素早く、確実性を持って外部の方々にチェックしていただく。そしてリスクを防止していく仕組みを構築しました。

バックオフィス部門において安心感と根拠を持って、「改善に向けて具体的に次は何をやらなくてはならないか?」とアクションが伴っていくようになりました。

DXによる効果

特に顕著な成果は3つです。

1つ目、一人当たりの平均時間外労働年間を、約134時間削減できました。

大きな変化、達成感を得たことで、バックオフィスのメンバーから「一つできるようになれば、これも改善できるんじゃないか」「他のことも、もっとよくできるんじゃないか」と現場からの改善提案がどんどん進むようになりました。

そして、エンゲージメントの向上、つまり「この会社で働き続けたい」と思えることです。

DXによって、経営的感性・感覚を持った人たちが揃ってきて、一人一人が当社で同僚と共に働き続けたいと思える環境構築ができたことを、非常に嬉しく思っております。 

まとめ

桑原運輸は、すべてのステークホルダーから必要とされ続けるということを大事に考えています。

我々の行動指針として「従業員、会社、そしてこの町ともに幸せになる」「幸せ=自分らしさ」と考えています。 

従業員一人一人が、自分らしく。

そして、 桑原運輸が桑原運輸らしく。

この地元新居浜が、新居浜らしくある、を目指し、次の100年をワクワクしながら目指していける状態を、みんなで作り上げていきたいと思っております。

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