事例

【株式会社グッデイ】古いオンプレから最新クラウドへ。内製化で実現したクラウドジャーニー 

全国中小企業クラウド実践大賞とは、クラウドを活用して新規事業創造、収益向上、業務効率化を実現した中小企業等の実践事例を発掘し、広めていくためのプロジェクトです。

2022年10月26日に行われた「九州・沖縄大会」より、ホームセンター運営におけるクラウドのフル活用推進で注目を集めている、株式会社グッデイの事例をご紹介します。

株式会社グッデイの概要

■法人名:株式会社グッデイ
■事業内容:小売業(ホームセンター・グッデイの経営)
■設立:1950年2月
■公式Webサイト:https://www.gooday.co.jp/

「Tableau」と「BigQuery」活用で売上伸長

福岡市に本社を置くホームセンターグッディ。 北部九州を中心に64店舗を展開し、1500人の従業員が「家族でつくるいい一日」の理念のもと、日々業務に勤しんでいます。

その業務を裏で支えているのが、社内のシステム部です。実はグッデイは、クラウド活用の成功例として今、注目を集めています。 

代表取締役 柳瀬 氏:

2015年頃からクラウド化に取り組み始め、店舗・発注・在庫管理といった基幹業務をすべてクラウド化し、店内どこでも操作ができるようになり、非常に業務効率化が進みました。

「Tableau」とGoogleの「BigQuery」というクラウド上のサービスを使って、さまざまな経営データ、売上データ等を分析し、業務改善をすることによって、2015年から比較すると売上は約20%伸びています。

普通はベンダーさんにお願いするようなことも、自社でシステムの内製化を進めている点が大きな特徴です。

システム内製化の始まり

嘉穂無線ホールディングス株式会社…グッデイの親会社

光嶋 氏:

小売業なので、データ分析・集計の仕組みが必要だと、かねてより思っていました。

以前はデータ分析の仕組みがまったく無かったので、そこに何らか、導入すると効果的ではないかと考えました。

別件で、社内にグループウェアを導入した際には、非常に反応が悪かったんです。

その一方、データ分析・集計なら反発が少ないと予想され、社内の共感を得やすいのではと思いました。

ツール導入後のスタッフ教育を強化、予想を超えた速度で需要予測などを実現

光嶋 氏:

他社さんと比較してやはりグッデイの特徴の一つとして、CEOが十分に理解して、リーダーシップを発揮して推進している点があります。

店舗の皆さんも、本部の他部門の皆さんも非常に協力的です。

新しいことに取り組む風土が社内にあると思います。

宮田 氏:

新しいことにチャレンジできる社風を活かし、ツール導入後のスタッフ教育にも力を入れました。一方通行の説明会ではなく、ツールを使った勉強会という形を取ったことも、特徴の一つです。

各部署から比較的若いメンバーを何名か集め「データ利活用推進会議」を毎週行いました。実際の店舗課題を、データ活用で解決していこうという場です。 「データベースとは、どういうものか?」「Tableauで、どんなことができるのか?」など、業務面と技術面の擦り合わせを一歩一歩進めていきました。

ここでもクラウドツールは極めて有効でした。クラウドであれば、追加したいタイミングでどんどんデータソースを追加していくことができます。

例えば「雨が降ったらお客さんが減る」という店舗課題に対し、新たに「気象データも取得してTableauのデータソースとして入れましょう」といったように、どんどんデータを追加していき、いわゆる「需要予測」ができるようになりました。

データのクラウド化

岡部 氏:

データの総量は、全店舗を含めた全てなので非常に膨大です。店舗の営業時間内には当然データ移動はできませんから、 夜間の限られた時間帯で移動することになります。半年〜一年程度の時間が必要でした。 

ほぼ全ての店舗データをクラウド化した後は、データを扱うシステムや、データ取得ツールのWEB化に着手しました。 

店舗で使っているシステムは、もともとExcelやCOBOLで作られていた部分があるので、そのWEB化を進めました。

あとは、店頭で使っているハンディスキャナーの仕組み(検品、バーコードスキャン)もWeb化を進めています。

それから、POSシステムの刷新も進んでいます。

5分おき、10分おき…という形で、弊社内のクラウドのサーバーに店舗データを連携していっています。

遅滞なくクラウドとデータを同期するためのネットワーク構築

山田 氏:

強靭で、できるだけ停止しにくいネットワーク環境を整備しました。

店舗内の無線LAN環境の強化も必須と考え、メーカー選定・検証を進めました。

その次に取り組んだのは、クラウド環境を活用した具体的なビジネス戦略です。

ホームページ上で商品検索ができる仕組みを軸に、店舗内での商品陳列場所も案内できるようにしました。

現在は、デジタルマーケティング担当部署と共に、「LINEミニアプリ」の開発に注力しています。新POSシステムと連携し、顧客の購買行動をより精密に把握してマーケティングに活かしていく仕組みを検証中です。 

クラウド化がもたらした最大のメリット

代表取締役 柳瀬 氏:

クラウドとはまさに中小企業向けのものだなと感じています。

少額の投資で始められたり、「やろう!」と思ったその日のうちに触れるようになる、といったメリットが大きいと言えます。

難しく考えすぎず、まずはチャレンジしてみることがすごく大事です。

私が社長になってから「社会の変化に対応して、新しいことに積極的にチャレンジする会社を目指していきましょう」ということをスローガンとしてずっと言ってきました。

この考え方は、クラウドと親和性が高いのではないかと思っています。

2015年から我々がやってきたクラウドジャーニーは、まだ本当に始まったばかりですが、今後は自社だけではなく、外部のさまざまなステークホルダーとつながりながら、クラウド上のセキュアな環境でデータ連携などをしていきたいと思っています。

地方のホームセンターの枠を超え、未開の地を進んでいくグッデイのクラウドジャーニーはこれからも続いていきます。

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