全国中小企業クラウド実践大賞は、クラウドサービス利活用を実践し収益力向上・経営効率化したモデル事例のなかから、コンテストにより優れた取り組みに対して総務大臣賞、日本商工会議所会頭賞等を贈るコンテストです。
2020年11月11日に行われた札幌大会より、ウェブ★ビー(WEBデザイン研究所BEE)の事例をご紹介します。テレワークという言葉が定着する前、いち早くクラウド環境による受注環境を構築し、クライアントの打ち合わせからフィードバックまでの業務をテレワークで実現。ホームページからのみの集客で、道外・日本のみならず世界からもWEB制作の仕事を受注されています。
ウェブ★ビー(WEBデザイン研究所BEE)の概要
■会社名:ウェブ★ビー(WEBデザイン研究所BEE)
■事業内容 :ジンドゥー(Jimdo)のカスタマイズ、その他ウェブツールによるウェブサイト制作/ウェブ系セミナーの講師/ウェブ書籍、コラムの執筆/北海道科学大学 非常勤講師
■設⽴:2011年
■従業員数: 2名
■ウェブビー公式ウェブサイト:https://www.bee-custom.com/
■BEEブログ(アメブロ):https://ameblo.jp/webken-bee
■Facebookページ公式アカウント:https://www.facebook.com/WDL.Bee/
■Twitter公式アカウント:https://twitter.com/webkenbee
■Instagram公式アカウント:https://www.instagram.com/webken.bee/
■JimdoCafe 札幌大通:https://www.jimdocafe-sapporoodori.com/
ウェブ★ビーの業務は、個人や会社に向けてホームページを制作することです。
クライアントとの打ち合わせからフィードバックまでテレワークで行っており、クラウド環境がないと仕事が成り立たないほど自然に使っています。
具体的にどのように仕事を進めているのか見ていきましょう。
クラウドがあれば何処へでも行ける
クラウドサービスの恩恵によって、新しい働き方を得ることができました。
普段は札幌の自宅を拠点に仕事をしており、これらのデスクトップパソコンを使っています。
もしも必要な用事が入った時には、ノートパソコンだけを持って道外や、時には海外へ行くことも。
移動した先での用事に加え、空き時間には通常の仕事も普通にできるのは、クラウドサービスのおかげです。
現在は新型コロナウイルス感染症の影響で、外出を控えていますが、一歩も外に出ることがなくても、普通にデスクで仕事をこなすことができます。
クラウドサービスは、場所や時間の縛りなど仕事においての垣根をことごとく取り除いてくれる、魔法の道具のようなものです。
Googleドライブとの出会い
独立した当初はこのように効率化した働き方ができておらず、個人事業運営の効率化問題に悩まされていました。
今のように便利な数々のクラウドサービスと出会う前には、ウェブ作成以外の書類作成や顧客管理、営業などといった他の業務にも悩まされ、自分自身がパソコンの前にいる時間を確保することが難しかったのです。
仕事を効率化問題を解決してくれた最初のクラウドサービスは2012年の「 google ドライブ
」でした。この出会いが、仕事の進め方や考え方までを根本から変えることになったのです。
現在、Web制作におけるクライアントからのデータ収集に使うのは、Googleドライブのみです。
google ドライブに「原稿」・「画像」・「資料」の3つの共有フォルダーを作りクライアントからそこにデータを入れてもらうだけで資料集めが完了します。
瞬時に共有されたデータは、常に最新の状態でクラウド環境であればいつでもどこでも引き出すことができるのです。
これまで、メールでのやりとりや、ダウンロードデータ送信サービスで何度にも分けて添付・送信していたわずらわしさから一気に解放されました。
道外・海外からの依頼も
こちらは、ウェブ★ビーのクライアントの所在地です。
大きな文字ほど依頼数が多い場所となります。全体の割合で見ると、地元北海道からの依頼がそれほど多くありません。
札幌に拠点をおいておりますが、クライアントはほとんど道外の方であり、なかには海外の方もいます。
クライアントからの依頼はホームページから
画像:ウェビ★ビーWebサイトより(https://www.bee-custom.com/)
クライアントのほどんとの方はほぼ面識のない方です。どうやってご依頼をいただいているのかというと、ウェブ★ビーのホームページをご覧になってお問い合わせをいただくのがきっかけです。
一般的な足を運んだ営業や、電話営業などは一切おこなっていません。
画像:ウェビ★ビーWebサイトより(https://www.bee-custom.com/menu/)
ホームページには、このように具体的に料金などを明示しているため、お問い合わせいただいた方の8~9割は成約に至っています。
業務の流れとクラウド利用
直接会わずに依頼をいただきますが、その後のやり取りの多くはメールやチャットでも十分可能です。
対応が必要な初期の打ち合わせはZoomを利用。デザインの提案にはAdobeXDというツールを使用することで、クライアントからの要望を明確にコメントで受け取ることができます。
クラウドサービスの利用を業務のベースとすることで、自分自身だけではなくクライアント側
においても地域の垣根がなくなりました。
その結果、仕事については対応エリアを限定せずに受注可能となったのです。
業務の98%をクラウドサービスでカバー
クラウドサービスの導入・利用の取り組みにより、WEB制作業務において約98%の業務ををカバーできるようになりました。
主に使っているのは以下の4つのサービスです
・Jimdo:https://www.jimdo.com/jp/
・Zoom:https://zoom.us/jp-jp/meetings.html
・Adobe Creative Cloud:https://www.adobe.com/jp/creativecloud.html
・Google Workspace:https://www.g-workspace.jp/googleworkspace/
依頼時の打ち合わせにZoomを利用、Googleで素材を集めたりメールのやりとり、デザイン制作から制作データ共有、フィードバックがAdobe、WEBサイト(ホームページ)作成がJINDOです。
フィードバックには、成果物引き渡し後のお客様アンケートも含みます。
これらの業務をすべてクラウドサービスで完結させています。
クラウドサービスで補えない2%とは
これだけ便利なクラウドサービスをもってしても、100%カバーしきれない事情が2つあります。
1つは、写真の撮影・動画の撮影を制作内容に含んでいる場合です。
すべての制作ではありませんが、この場合にはどうしても現地に出向く必要があり、クラウド環境では対応できません。
2つめは、「どうしても直接会って打ち合わせしたい」というクライアント側の心理的なケースです。
ただ、こちらの方はテレワークがもっと定着すると、将来にはなくなるかもしれません。
創業以来ずっとテレワークを実現
2020年は新型コロナウイルスの影響で、「テレワーク」という働き方がより注目されました。
しかし、ウェブ★ビーの場合は、クラウドサービスの活用により、創業以来ほとんどがテレワークで業務をおこなうことができています。
コロナ禍における大学授業
余談ですが、2020年に初めての大学講師を務めることになりました。
コロナ禍にあっては、大学授業においてもクラウドが欠かせないものとなっています。
オンライン授業ではGoogleミートを使い、資料作成ではGoogleドライブ、Web デザインの講義にはJimdo、Canvaといったサービスも使うほか、出欠確認や課題提出そして採点にいたるまで、クラウド環境の活用が進んでいます。
まとめ
クラウドの恩恵はとても大きいものだと私は思っています。
WEB制作現場においては、私のクライアントであっても依頼の段階でクラウド環境を導入されていないケースはまだまだ多くあります。その度にgoogle ドライブの説明から入ることもしばしばです。
しかし、クラウドがあれば、仕事は変わります。
これが本日お伝えしたかったことです。