クラウド化、働き方改革、そしてSDGs。ペーパーレスはどの分野でも盛んに言われる取組です。東北コピー機販売株式会社は、まさにそこに直結するコピー機・複合機の販売がメイン事業。2015年からクラウド活用をスタートし、6年ものあいだ毎年クラウド製品の導入を続けてきました。業務のシステム化によってコスト削減も実現し、クラウド導入当初に掲げた目的については、ほぼ達成しています。しかし、業務改善が進むほど「そもそも何のためにシステム化をやっているのか」というジレンマに悩むように。そこで当初の目的である「お客様のために」に立ち戻ってCTIシステムを導入し、新たな価値をお客様に提供するために新たな取り組みを始めました。クラウド化の当初の目標を達成してもなお慢心せず、前進する前向きな姿勢が評価され「東北総合通信局長賞」を受賞しました。
東北コピー販売株式会社
所在地:福島市御山一本松13-5
設立: 1980年03月
事業内容:画像機器全般
従業員数:15名
https://t-copy.co.jp/
これまでのクラウド化

当社は、2015 年からクラウドの活用のスタートをして、丸 6 年経過しようとしています。
これまでのクラウド化の流れはこの通り。毎年クラウド製品の導入を続けています。
システム構成

こちらが、当社の簡単なシステム構成図です。これまでにとにかくクラウドファーストで進めてきて、社内でも「クラウドが基本」という考え方がだいぶ浸透してきました。

この 6 年間で、ここまでのシステムを作り込んできました。お客様への導入後、コピー機を含めた機器の管理。それに伴う保守の管理営業の見込管理や実績管理、そして在庫管理などなど……業務をシステム化することで、クラウドで管理できるようになり、合わせてコスト削減まで実現することができました。当社がクラウド導入当初に掲げた目的については、ほぼ達成できたのではと思っています。
このままで良いのか?

システム構築に限ったことではないですが、システム化にはこのようなフローがあると考えています。当社のシステムもこのような流れで進んできました。これまで6 年間で作り上げてきたものに、もちろんそれなりの自信はあります。
ただ、課題を把握して解決し、システムが定着することになんとなく満足をしてしまっている状態で、業務改善が進めば進むほど「このままで本当にいいのかな?」と強く感じるようになっていったのです。
そもそも私たち社員が「お互いが情報共有をすることを何で求めていたのか」「そもそも何のためにシステム化をやっているのか」という重要なポイントを、途中で見失い、ずれていったように感じています。
これは、自分たちのこと、自社のことばかりを考えてきたからではないか。本来、私たちのような販売業は「お客様のために」というのが本当に重要なポイントです。そこが欠けてしまっていたのかなと考えるようになりました。
CTIシステムをお客様のために

そこで、もっとお客様から共感を得られる。そんな仕組み作りをしなくてはいけないと思い、今回このCTIシステムの導入・活用をするに至りました。実際、CTIシステムは、お客様への対応を向上するためだったり、満足度向上のために使うことが多く、コールセンターの業務などでよく使われるシステムです。
この右側にある画像は、当社の営業スペースにある大型の Windows マシンです。お客様から受電が入ると、画面上にポップアップが上がり、どこのお客様からの受電かがわかります。そして、このポップアップをクリックすると、顧客マスターが立ち上がる仕組みです。
皆様の会社でも、お客様からお電話を頂いて、担当営業に回すと「折り返しにして」と言われることがありますよね?「あれはなんでだろう?」と思って聞いてみると、実はお客様との約束を忘れていたり、自分にとって都合が悪いタイミングだったりなど、つまり担当営業の自己都合で折り返しにしてしまっているケースが多かったのです。せっかくお電話頂いたお客様に対する対応として、本当にまずい対応をしているなと、営業マネジメントにも効果を発揮してくれるのですが、そもそも本当にやりたかったことはここにあります。

通話の履歴管理と会話の録音です。
お客様からお電話を頂いたもの、また当社からお客様にお電話をしたもの、両方の発着信の履歴が全て残る仕組みです。特に、お客様からお電話を頂く回数が多いケースについては、このCTIの活用で特徴を掴みたいと考えています。
そもそもお客様が当社にお電話するのは、今やってる業務を一旦止めてからお電話して頂いている。もしくは、その業務手前のことに不具合があったからお電話を頂いているのか、何かしら理由があるはずです。
お客様の業務が、障害で止まることがなく、集中して業務をして頂くために、当社ではさらにどんな提案やサービスができるのかを考えるきっかけにしたい、そう考えています。
また、録音したデータをテキスト化して、お客様からよく出る言葉について、キーワード抽出のテストを始めました。
お客様のニーズやお困りごとを分析、今あるデータにプラスすれば、営業からさらに進んだ感度の高い情報発信を行い、お客様のお役に立つような、私たちが目指すべき「お客様のために」が実現できると考えてのことです。
コロナによるChange

今までの自社のクラウド化を進めること、またコロナ禍であまりフィールドに出て営業に出られなかった分、考える時間ができました。このことが、逆に良い変化を会社にもたらしてくれました。仕事への取り組み姿勢、営業プロセスの変化。また会社としての行動指針、こうしたものが本当に良い意味で変わったなと思います。
これまでのクラウド活用の一番の成果、それは自社の業務改善を通し、お客様のために何ができるのか、何をしたいのか、ぼやけていたものが鮮明になったことです。

私たちがクラウド活用で社内変革を続けるのは「お客様のために」それが最大の理由です。
最後になりますが、これからも仕事が楽しい。そして仕事を楽しくお客様、またパートナー含めみんながハッピーになれる。そんな仕事ができるように頑張っていきたいと思います。
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