事例

株式会社ジェイ・バン「コロナを乗り切る!ひとりDX&テレワークで売上206%の具体策」

Oosaka

全国中小企業クラウド実践大賞は、クラウドサービス利活用を実践し収益力向上・経営効率化したモデル事例のなかから、コンテストにより優れた取り組みに対して総務大臣賞、日本商工会議所会頭賞等を贈るコンテストです。

 2020年11月25日に行われた大阪大会より、株式会社ジェイ・バンの事例をご紹介します。

株式会社ジェイ・バンは、代表の稲葉氏による「ひとり法人」。性格統計学をもとにしたコミュニケーション法を集合研修や参加型セミナーを通して普及しています。コロナ禍においてリアルでの研修・セミナーができなくなりましたが、クラウドとオンラインの活用で全国から集客をすることで業績をV字回復しました。

株式会社ジェイ・バンの概要

■法人名:株式会社ジェイ・バン

事業内容 :研修・コンサルティング

■設⽴:2007年7⽉

■公式WEBサイト:https://j-ban.com/

株式会社ジェイ・バンは「性格統計学」をもとに、世界初のコミュニケーション支援クラウドアプリ「伝え方ラボ」を開発した会社です。

性格統計学とは

性格統計学とは、16年間かけて集めたのべ12万人の統計データを元に構築されたコミュニケーションメソッド。人の性格を4タイプに分けることで、より伝わるコミュニケーションのノウハウを確立しました。

コロナ渦でDX実現・3つの具体策

性格統計学について、セミナーや研修を開催するという業務を行っていたのですが……
コロナ禍によりビジネスモデルが崩れてしまいました。

そこでDXを実現したところ、前年⽐売上206%にV字回復。

地⽅の、アナログな、ひとり経営者が、どのようにビジネスをデジタル化し、テレワークの活用を行うことで、広告費ゼロでコロナ渦を乗り越えていったかの具体策について、次項から解説していきましょう。

1.クラウド完結型のビジネスモデル

これまでは、性格統計学をもとにしたコミュニケーション法を集合研修や参加型セミナーを通して普及してきました。しかし、その場では理解し、納得したつもりになっていても、繰り返し学習しないとその効果が長続きしないという課題がありました。

そこで、性格統計学を継続的に使ってもらい、かつビジネスとして成り立たせるために、サブスクリプション(定額継続)してもらうアプリを開発することに。

伝え⽅ラボ

こうしてできたのが「伝え方ラボ」。eラーニングで各自が性格統計学を学ぶことができるアプリです。

伝え⽅ラボの機能

あらかじめ登録した相手の名前を選ぶことで、性格タイプを表示。

どのような対応をすれば相手とうまくいくかを、具体的な伝え方例と動画などで示してくれます。

研修・セミナーという、形のないサービスについて、アプリという、形あるデジタルツールとして商品化することで、ビジネスモデルのデジタル化の第一歩を踏み出しました。

そんな中、新型コロナで「法⼈向け研修」ができない状況に

しかし、その時新型コロナウイルス感染症の影響で、法人向け研修ができない状況に。

三密を避けるために、集合研修やセミナーを行うことができなくなってしまいます。

個⼈のお客様向けサービスに集中

そこで、法人から個⼈のお客様向けサービスにシフト。

性格統計学の体験セミナーをZOOMでオンライン開催し、さらにWEBで受講できる「伝え⽅コミュニケーション検定」講座を制作しました。

伝え⽅コミュニケーション検定

これまで紙で手渡していたテキストはPDF化、講座内容はeラーニング。合格証書もWEBから確認できるようにしました。

外出せず3時間で資格がとれるWEB検定講座として、受講+検定をセットで販売することにしたのです。

リアル開催していた「伝え⽅コミュニケーション検定」検定をデジタル化し、全てオンラインでおこなうことができる、クラウド完結型のビジネスモデルを構築しました。

2.⾃社業務の⼀元化と⾃動化をクラウドで

関わるすべての⼈がテレワークで働く会社

次に、⾃社業務の⼀元化と⾃動化です。

株式会社ジェイ・バンは、本社は富山ですが、関わるすべての⼈が遠隔地でテレワークで働く会社。

居住地にとらわれずリモートワークでの仕事が可能な体制を作っています。

クラウドシステムで業務⼀元化・⾃動化

 salesforceを中⼼に、業務クラウドシステムをフル連携することで、最少の⼈員で、快適&効率的に業務ができる体制にしています。

・salesforce:https://www.salesforce.com/jp/
クラウドベースのCRM/顧客管理システムやSFA/営業支援システム、MA/マーケティングオートメーション

・Dropbox:https://www.dropbox.com/ja/
スマート ワークスペース
コンテンツ管理やファイル整理など

・クラウドサイン:https://www.cloudsign.jp/
ウェブ完結型のクラウド契約システム

・docutize:https://www.opro.net/products/service/docutize/
帳票ポータルサービス。
帳票の作成、紙文書の取り込み、配信の自動化、外部ユーザーとの情報共有、そして出力履歴まで帳票に関わる全ての作業を一元管理

・freee:https://www.freee.co.jp/
クラウド会計ソフト

・PayPal:https://www.paypal.com/jp/home
クレジットカードや銀行口座で支払いと受け取りが簡単にできるオンライン決済サービス

・mielca:http://mielca.com/
グループウェアシステム。事業全体を見える化することでプロセス管理

・Facebook:https://www.facebook.com/
Facebook, Inc.が運営する世界最大のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)

・zoom:https://zoom.us/
クラウドコンピューティングを使用したWeb会議サービス

・Google Workspace:https://www.g-workspace.jp/googleworkspace/
Google の提供するグループウェアとして利用可能な組織向けオンライン アプリケーション セット(旧G Suite) 

お客様対応と集客の⾃動化と⼀元化

業務をデジタル化することで、マーケティングとセールス、バックオフィスが自動連携。
24時間、⾃動でトライアルアカウントを発⾏できるしくみを作り上げました。

「伝え⽅ラボ」を多くの⼈に知ってもらうため、無料体験トライアルを行っているのですが、この利用IDの⾃動発⾏ の仕組みです。

ウェブで集客→無料体験トライアル発⾏→メールアドレスの⾃動取得という循環を作ることで、手作業によるエラーがなくなりました。

アプリお試し版・24時間3秒で⾃動発⾏

これまでは、メールで受付して、管理画面にアクセスし、トライアルのIDとパスワード発行、そのメール作成や送信に至るまでをすべて手動で行っていたことで、1件につき30分の対応時間がかかっていたのです。

それを、システム化することで全自動化。現在は3秒で自動返信してくれるため、人が携わることは一切ありません。

 このシステム化が功を奏したのは、2020年7⽉にフジテレビの情報番組「ノンストップ!」で「伝え方ラボ」が紹介された時です。

「伝え方ラボ」が全国に広がるきっかけになりました。

TV放送開始直後からトライアルお申し込み殺到

テレビの効果のおかげで、1週間で5,230件の無料トライアル申し込みが入りました。自動化していたため、作業時間は0秒、ミス0件で済んでいます。

テレビでの放送効果は一瞬ですが、この時にメールアドレスを取得していたことから、その後様々なご案内ができるようになりました。

トライアル⾃動発⾏→メルマガ配信→セミナー集客の流れ

トライアルID/PWを自動発行したら、その後は定期的にメルマガを配信、さらにセミナーに集客するという流れです。

このマーケティングもクラウド化しているためスタッフ1名で対応できています。

お客様は申し込んだときが一番熱意があるので、興味を持っていただいているうちにメルマガを配信すると42.79%、半数弱の開封率があります。

さらに、オンラインセミナーは全国で受講ができるため、20開催した結果、北海道から沖縄まで107名にご参加いただけました。

現在では、さらに個人のお客様向けに、無料トライアルからLINEを活用した動画講座付きの5日間ステップメールに連携することで、営業しなくてできる自動販売システムを構築中です。

3.セミナー・研修のオンライン化

最後に、セミナー・研修のオンライン化です。

コロナ禍の中でリアルのセミナー・研修は開催できなくなりましたが、その代わりにオンライン研修が主流となりました。

①営業先が全国に拡⼤!

オンライン研修となったことで、Zoomを介して営業先が全国に拡大。これまで対面で行っていた業務が全てオンラインとなりました。

②移動時間、旅費交通費の削減

オンラインに移行したことで、これまで直接出向いていた分の移動時間と経費が大幅に削減。会場レンタルやアシスタントへの手当などもなくなりました。

現在は、大企業ほどテレワークに移行するという、コミュニケーション方法が急激に変化する過渡期。オンラインならではのコミュニケーション方法を教えてほしいという企業様も多く、オンラインだからこそ出会えたお客様もいらっしゃいます。

法⼈のお客様

例えば、グローバル企業の営業チームの研修。

インサイドセールスチームに向けて76名に同時に研修を実施しました。

オンラインでの相手とのコミュニケーション方法がわかることでスムーズに業務を行えるようになったと好評を得ることができました。

お客様の効果実績

また、研修の結果、自社だけでなくお客様の業績もプラスに。

営業数字の達成はコロナ禍の走りである5~7月80%の未達に比べ8~10月では達成率118%にアップ。4億円の目標に対して4.7億円の売上を達成しています。

 こうしたコロナ禍におけるDXをなぜできたのか?というと、

1、時代背景に合わせたデジタル商品の開発

2、⾃社の業務⼀元化と⾃動化をクラウドで

3、営業・サービスのオンライン化

今まで述べてきたこの3つの取り組みを連携できたからです。

デジタル化の次に⽬指すもの

 これからは⼈⽣100年時代と言われます。

コロナ禍の中ではありますが、クラウドシステムを活用することで、すべての⼈のよりよい⼈間関係と幸せのために、⼈と社会に貢献し、成⻑していきたい-これがデジタル化の次に目指していきたい方向性です。

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