DX事例

【合同会社DMM.com】『令和3年度デジタルトランスフォーメーション加速化事業』〜公式LINEx行政手続きオンラインサービスの開発・構築プロジェクト〜

日本DX大賞は、日本のDX推進を加速するために、事例を発掘し共有するためのコンテストです。自治体や民間企業などが取り組んだDX推進プロジェクトを表彰し、それぞれの部門で大賞を決定します。

2022年6月24日に行われた「官民連携部門」より、合同会社DMM.comと福岡県大川市の連携によるDX推進の取り組みについて、背景や成果をご紹介します。

合同会社DMM.comの概要

■法人名:合同会社DMM.com
■事業内容:動画配信、FX、英会話、ゲーム、3Dプリント、その他
■設立:1999年11月17日
■公式Webサイト:https://dmm-corp.com/

DMMグループが取り組む地方創生事業

DMM.comは設立24年目の会社で、グループ全体で60事業以上を展開、社員数は4,400名ほどです。

コーポレートメッセージとして「誰もが見たくなる未来」というビジョンを掲げており、
全事業部においてこのビジョンを実現すべく日々の活動を行っております。領域にとらわれず社会や時代の変化に合わせて、幅広いジャンルの事業に挑戦し続けております。

地方創生事業部ではDMMが掲げるビジョンにのっとり、誰もが見たくなる日本の未来の
実現を目指し、日本全国の自治体様とともに地方創生事業に取り組んでおります。

その中の一例として、福岡県大川市様と共同で取り組んでいるDX推進についてご紹介させていただきます。

DMMと大川市の連携体制

大川市様と弊社は民間企業のノウハウ・知見を自治体事業に生かし、官民が連携して地域の発展を目指す地域活性化起業人の派遣協定を締結しております。

起業人として派遣された社員が、大川市の一員としてDX文脈のあらゆる課題解決に取り組む体制を整えています。

福岡県大川市の目指す姿

大川市が目指している未来像として「多様な幸せを実現できる大川市」というビジョンを
掲げています。具体的には、コロナ禍でも安心して暮らせるまちづくりや、市民とより近いコミュニケーションが取れる環境づくりを目指しています。

大川市の抱える課題

大川市が抱えていた課題として「行政手続きはすべて庁舎へ来庁しなければいけない」
それから「市からの情報が市民に届きづらい」といった課題がありました。

1点目の課題「行政手続きはすべて庁舎に来庁しなければいけない」については、
市民の方々が助成手続きを行うにあたり来庁する必要があるため、庁舎の限られた受付時間に合わせて予定を考えなくてはいけなかったり、手続きを行うにあたっての待ち時間の
長さ、新型コロナウイルス感染症への感染リスクなどかあり、「できれば来庁したくない」という市民からの声が多々ありました。

次に「市からの情報が市民に届きづらい」について、これまで市の情報発信媒体は主に
ホームページ、市役所などの掲示板、市報に限られていました。若い世代を中心に「欲しいときにすぐ情報が手に入らない」といった声も上がっていました。

デジタル活用による課題解決

大川市が抱える課題に対して我々が取り組んだデジタル活用による解決策は、次の通りです。

まず多くの人が持っているスマートフォンを活用し、手持ちのスマートフォンからすぐに
行政手続きを行えるサービスの導入を行いました。次に多くの人が使っているコミュニケーションツール LINEに着目し、公式LINEによる自治体広報の発信を導入しました。

公式LINEによる自治体広報施策の導入に当たっては、LINE福岡が提供するオープンソースプログラムを活用をしたことにより、導入決定から3カ月でリリースという、行政においては異例のスピードで進めることができました。スピーディーに進められたもう一つの理由として、市職員と我々DMMのチームが同じ方向・熱量で取り組めたこともあると思っています。

公式LINEの友だち登録者数はリリースからわずか3日で600件を記録し、市民の方々への
浸透度の高さを実感しております。 

デジタル活用による課題解決により、市役所に行かなくても行政手続きができるようになり、自治体からの情報がいつでもすぐに手に届く環境整備を実現できました。

大川市「デジタル市役所」

先ほどご紹介した公式LINEについては、市からの情報発信だけでなく、市民アンケートの
回答結果を返答いただいたり、被災地の状況報告をいただいたり、市民の方々からも発信をいただき自治体・市民双方向のコミュニケーションが実現できる環境を目指しています。

取り組みに「デジタル市役所」というキャッチーなネーミングをつけ、オンライン行政手続きや自治体広報だけでなく、市役所窓口の改善や、まちづくりへのデジタルデータの活用、今後の推進計画を市民の方々に分かりやすく伝える取り組みも行なっております。

また施策を着実に進める中長期戦略も、市と共同で策定を進めています。
市民や職員の方を巻き込みながら、徐々に街全体のDX推進に発展していくことを目指して 取り組んでいます。

多様な幸せを実現できる大川市を目指して

多様な幸せを実現できる大川市を目指して、これからも大川市に価値あるイノベーション
創出を大川市とともに推進してまいります。