経営企画室から始まった、税理士法人発のDX革命

333体のロボットが稼働!ロボ研が拓く非IT人材リスキリングと伴走支援の未来 - 経営企画室から始まった、税理士法人発のDX革命

あさひ会計は山形県にある税理士法人で、2018年、RPA(Robotic Process Automation)の活用による自社の業務効率化を経営企画室主導でスタートさせました。

最初に開発したのが、国税庁サイトのメッセージボックスにある未開封メッセージを自動で取得するロボットでした。1件あたり5分かかる業務を2,000件、年間では660時間もの業務時間削減という成果をもたらしました。この成功を皮切りに、会計ソフトから出力された財務諸表の様式を自動で整えたり、毎朝スキャンフォルダ内の古いファイルを自動で整理したりと、次々に業務自動化ロボットが誕生していったのです。

1年後、株式会社ASAHI Accounting Robot研究所、通称「ロボ研」(以下、ロボ研)として法人化。中小企業や会計事務所の業務自動化を支援する事業を本格的に始動させました。

「Power Platform」+「非IT人材×リスキリング」=中小企業のDXの始め方

多くの中小企業は、DXの重要性を認識していても、詳しい人材が自社にいない、従来の方法を変えたくない社員が多いなどの理由から、「何から始めたらいいか分からない」という課題にぶつかっています。

税理士法人の経営企画室で業務効率化に取り組んでいた頃、外部の専門業者に丸ごと業務効率化を任せてしまえば、膨大なコストが生じるだけでなく、社内にITツールを使いこなせる人材が育たないという強い危機感を抱いていました。

そこでロボ研では、中小企業がDXに取り組むための方法として、業務の自動化ができる「Power Automate」を含む5つのツールの総称「Microsoft Power Platform」を使った業務効率化と、リスキリングを通じてIT人材の内製化を進めるという戦略を打ち出したのです。

333体のロボット開発、957名への勉強会――数字と実績で見る「伴走支援」の成果

333体のロボットが稼働!ロボ研が拓く非IT人材リスキリングと伴走支援の未来 - 333体のロボット開発、957名への勉強会――数字と実績で見る「伴走支援...

333体の自動化ロボットが社内で日々私たちの右手左手となって働いており、北海道から沖縄まで、全国159社、延べ957名に対して、RPAやDXに関する勉強会を実施。導入後の継続的な開発サポートは205社に及ぶなど、自社だけでなく日本全国の企業などへの伴走支援を積み重ねてきました。製造業やサービス業など、サポートを受けている顧客の業種や規模もさまざまです。

333体のロボットが稼働!ロボ研が拓く非IT人材リスキリングと伴走支援の未来 - 333体のロボット開発、957名への勉強会――数字と実績で見る「伴走支援...

各種ツールの使い方のレクチャーから毎月開催される無料のオンラインセミナー、全国各地での勉強会、継続的な開発サポートなど、DXのビジョン共有から実際の開発、社内コミュニティの形成まで、顧客の隣で走り続ける徹底した伴走支援が特徴です。伴走支援に際しては、悩みや課題を丁寧にヒアリングし、最適なクラウドサービスを提案。また、自社でノーコード・ローコードツールでアプリ作成や業務効率化を進められるよう、顧客企業の非IT人材のリスキリングをサポートするなど、顧客企業の悩みを解決するためのサービスを提供しています。

「Be Innovator」―技術的キャリアを問わず誰もが革新の担い手になる文化の醸成

333体のロボットが稼働!ロボ研が拓く非IT人材リスキリングと伴走支援の未来 - 「Be Innovator」―技術的キャリアを問わず誰もが革新の担い手に...

私たちが最も大切にしていることの一つに「非IT人材のリスキリング」があります。

「Be Innovator」。これは私たちのクレド(行動指針)の一つです。「私たちは技術的キャリアに関わらず誰もが革新の担い手になれる世界を目指します」。この理念のもと、プログラミング経験のない非IT人材でも業務自動化やアプリ制作が可能なMicrosoft Power Platformの勉強会を社内で継続的に実施しています。

我たち自身がイノベーターになることで、「Make Innovators」、つまりたくさんの革新の担い手を各企業内に生み出していく、それが私たちの存在価値です。

ちなみに、入社当時派遣社員として受付業務を担っていたスタッフが、ロボ研のリスキリングに手を挙げ、取り組んだ結果、ITエンジニアとして顧客向け開発を担うまでに成長するなど、リスキリングによって業務の幅を広げた職員の事例がメディアで紹介されました。

目指すは「ご苦労さん」から「ありがとう」と言ってもらえる世界に――山形から全国へ広がるDXのムーブメント

333体のロボットが稼働!ロボ研が拓く非IT人材リスキリングと伴走支援の未来 - 目指すは「ご苦労さん」から「ありがとう」と言ってもらえる世界に――山形か...

ロボ研では、「ロボットはロボットの得意な業務を、ヒトはヒトにしかできない業務を ヒトとロボット協働時代を推進する」を経営ビジョンに掲げています。

333体のロボットが稼働!ロボ研が拓く非IT人材リスキリングと伴走支援の未来 - 目指すは「ご苦労さん」から「ありがとう」と言ってもらえる世界に――山形か...

ロボ研の挑戦は、同じ東北地方を中心に全国へ活動を広げています。2024年5月〜6月、東北6県を巡る無料のDXのセミナーをキャラバンのような形式で主催。既に多方面でDX関連のコンテストの受賞経験もある企業とともに、企画から運営までを自分たちで手掛け、東北経済産業局やTOHOKU DX大賞受賞企業をセミナー登壇者として迎えました。知識や経験の共有だけでなく、東北全体のデジタル化への機運を高める大きなきっかけになりました。

333体のロボットが稼働!ロボ研が拓く非IT人材リスキリングと伴走支援の未来 - 目指すは「ご苦労さん」から「ありがとう」と言ってもらえる世界に――山形か...

こうした活動と実績を発信することで、高い評価を受けたり、各種メディアにも取り上げられたりと、着実にDXの裾野を広げてきたのです。

333体のロボットが稼働!ロボ研が拓く非IT人材リスキリングと伴走支援の未来 - 目指すは「ご苦労さん」から「ありがとう」と言ってもらえる世界に――山形か...

技術を導入すること自体が目的ではなく、技術の力で人々の仕事を楽にし、終わった後に「ご苦労さん」といわれる作業ではなく、「ありがとう」と言ってもらえる、より付加価値の高い仕事にシフトしていく。それこそが、ロボ研が目指すDXの最終的なゴールなのです。

まとめ

株式会社ASAHI Accounting Robot研究所、通称「ロボ研」は、税理士法人での成功体験を基に、Power Platformを武器に業務の内製化を促し、非IT人材のリスキリングと徹底した伴走支援で中小企業のDXを推進しています。ロボ研の活動は東北から全国へと広がり、自社の非IT人材が作った333体のロボット稼働、およそ1,000名へ実施した勉強会といった実績を上げ、日本のIT人材不足という社会課題の解決にも貢献しています。

これからも山形から発信を続けていき、日本の中小企業、ひいては社会全体の業務効率化に寄与していくでしょう。