※本記事は経革広場の読者に有用だと考えられる54ブログの記事をJASISA事務局が選び、ブログの著者である山口豪志氏の許可を得て一部修正をし転載したものです。
ある方の話を聞いて衝撃的だったことがある。
「社会に良いことをしているので、給料は少なくても良かったんです。」
「ヒトに喜んでもらえたから、それで良かったんです。」
その方は、社会人1年目で大学生時代に地方から出てきて
都内で社会起業家として著名な企業でインターンをされていたそうだ。
その当時の月給は5,000円。
お金のやりくりは貯金を切り詰めて、丁稚奉公のつもりでやっていたので、
それは自分で納得していた、という話だった。
ただ実際の生活は困窮していて、鍵の閉まらない物件に住み、食事も一日一食。
朝から晩までとにかく働いたというものだった。
それを聞きながら、私も思い出したことがあった。
約10年前に同じようにインターンとしてある企業に世話になった時に、
交通費込で月2万円で1ヶ月(週4日勤務)で働いていたのだ。
ただ私の場合は、業務内容が時給2千円の営業電話掛けだったことと、
1ヶ月目で結果を出したことと、期待とギャップの差をインターン先の社長に直訴し、
2ヶ月目からは月12万円と業務内容も営業電話掛け以外の業務をさせてもらった。
そのインターン業務から、
その後の社会人人生を決める出会いがあるので、
今にして思えば非常によい経験であると振り返ることができるのだが・・・。
あの当時を振り返ると、自分から給料を上げてくれ!と言い出す勇気。
そして、自分の実績を認めさせるという行動は、非常に大事であったと思う。
折にふれて、学生の方や20代前半の方とご一緒するときに、
社会貢献やヒトのために、という気持ちや想いをもっておられる方が多いことを感じる。
その純粋な想いはとっても素晴らしいことであると共感する。
少し余談になるが、今回の話に関係あることなので挙げさせてもらうと、
「僕たちは世界を変えることができない」という映画に凄く共感を覚えた。
イメージとしてはここの映画ででてくるような若者が今とても多いように思うのである。
就職活動の時期に皆一度は考えることかも知れない。
社会の為になる活動(行政やNPO、ボランティア的な活動)と
経済活動(お金儲けやビジネスによる活動)を正反対の行為と思っている方が多いように見受けられる。
先ほどのインターンをされた方は社会の為になる活動ということで割り切っていたのだろう。
自己犠牲というカタチでの貢献は美しくうつるかも知れないが、
利益の循環がないために継続性がなく、
大変に不安定な価値提供になってしまう。
(もちろん、ちゃんと運営されているNPOの存在は認めた上で)
純粋に社会のために活動したいという、
その想いを叶える方法としての「お金儲け」や「ビジネス」があるということ、
それを事業として行うことに対して非常にネガティブであることに驚く。
「良いことしているので、それだけで・・・」と
お金を得て循環することを放棄するのではなく、
良いことして、その対価でお金をもらうことが一番良いことではないだろうか。
まさに、経済活動である。
これは言うのはカンタンで、やるのは難しい。
本当にそうなのである。
ただ、それで折れているようでは理想は現実にならない。
ユーグレナの出雲氏の取り組みがとても共感を覚えるものがあったのでここで紹介したい。
“2年間、営業で500社に断られ続けて学んだこと。
ユーグレナは研究開発型ベンチャーとしてスタートして、
まだ屋外培養が可能かどうか分からない中、2005年に創業している。
長年に渡る研究開発をもってしても誰も果たせなかったミドリムシの大量培養という
科学上のブレークスルーを創業後に達成し、いよいよ営業だというときに、
2年間で500社に断られるという経験を出雲氏はしている。
500社に営業してダメだったときに取れる手段としては、501社目に営業に行くこと。”
<techcrunchより引用 http://jp.techcrunch.com/2015/06/12/ivs-euglena/>
「仕事を通じて社会によいことをしている」という実感があることはとても大切である。
仕事のやりがいであり、自分と他者との接点が持てることであるからだ。
社会人になると、もちろん、納得がいかない仕事や嫌な業務ももちろんある。
ただ、それも総論でありその仕事によって社会や人々が幸せになると思えるからやれるのである。
自分(自社)が提供できる価値(仕事)による対価として給料や報酬をもらうのである。
『お金儲け』や『ビジネス』は、まさにその為にある。
ちなみに、今まさに『ビジネス』や『事業』をつくる学びの場を提供している。
リアルなビジネスモデルや起業家の話を通じて、本当に血の通った『お金儲け』の話を聞き、
自分でそれを実現する方法を試行錯誤する4週間なのである。
起業を志す方、新規事業を創ろうという企業担当者の方は是非とも、ご一緒していただきたい。
【4期生募集】ブルーオーシャン・サミット(4週連続開催×3時間)
つまり、もっと本質的な社会の課題を『ビジネス』のチカラで解決していきたい、
そして、私はこの第3の男の様なカタチでその事業やビジネスを応援したい!と強く思っている。
私の尊敬する原丈人さんの言葉で、しめたい。
“今の現状に絶望しているヒマはない。
今は未来の理想を叶える為の時間なのだから。”
執筆者
JASISA神奈川支部
デフタパートナーズ 横浜ジェネラルマネージャー 山口豪志
2006 年から日本最大料理レシピサイト「クックパッド」を運営するクックパッド株式会社にて、広告事業・マーケティング事業の創成期より参加し、2009 年の同社IPO にトップセールスにて貢献。2012 年より3 人目の社員としてランサーズ株式会社に参画し、ビジネス開発部部長として大手企業との事業提携・協業、広告企画の販売開始などを実行。47 都道府県フリーランス交流会の実施、中小企業庁主催の各県のセミナー登壇など、実績多数。2015 年1 月より現職。