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税理士ウーマンの税務会計ホッとコラム

こんにちは。岐阜県岐阜市で税理士稼業が14年目の篠田陽子です。
さて私が行っている税理士業務は、税法の解釈や適用判断に細心の注意を払い、関与先様とのコミュニケーションをとることがとても重要な職業です。このような危機管理意識をもって関与先様からの問合せ等にはお応えしています。しかし、関与先様のお知り合いの方からアドバイスを求められることもあります。その際は当然、税理士としての解釈をお話しいたします。しかし、私(税理士)から聞いた解釈やアドバイスを第三者(その方のお客様)に気軽に伝えていいわけではありません。あなたならば、どんなことに気を付けますか?
■ある日、関与先の知人保険代理店営業マンが訪れて・・・・ 
当事務所の関与先様と取引のある保険代理店の方が、保険契約書を握りしめて私の事務所に訪れました。どうやら、その方のお客様に新しい保険商品の加入を勧めたいようです。その方から、税理士としての税解釈のアドバイスを求められました。その保険は「節税商品」としては魅力的なもののようです。しかし、税理士ではない人が行う「税金に係るアドバイス」には、気を付けなくてはいけないことがあります。
 
税理士以外の人に税金相談をしたら?税理士にしか頼めない3つのこと 
中小企業の経営者ならば、税理士といわず、自分の知り合いに助言を求めることも多いはずです。しかし、そのアドバイスが「税理士法違反」となることがありますのでご注意ください。
 そこで今回、税理士にしか頼めない業務をまとめてみました。
1.申告の代行 
2.税務書類の作成代行 
3.個別事例に対する税務相談
 「税理士でなくても有償でなければいいんじゃないの?」と思うかもしれません。
しかし、必ずしも有償であることを要しない(税理士法基本通達2-1)とされています。つまり、無料で行った場合も税理士法に抵触することがあります。特に3の「税務相談・税金相談」に関しては、気軽に受け答えしてしまうことがありますので気を付けたいものです。
「どの程度までが相談なの?」これには一定のラインがあります。税務相談とは「税務官公署に対する申告等、税務官公署に対してする主張もしくは陳述又は申告書等の作成に関し、租税の課税標準等の計算に関する事項について相談に応ずること」をいいます。個別具体的な質問に対して答弁・指示・意見を表明することを「相談に応ずる」といいます。一方で、仮定の事例に基づいて計算を行うことや、一般的な税法の解説などは「税務相談」に該当しないとされています。
これらのことから、知人であっても税に関することは軽い気持ちで受け答えしない方が良いようです。では、「税務署職員への相談は?」。税務署は、合法的に相談に応じてくれますので、こちらを活用したほうがいいと思います。
では税理士以外にも頼める業務って何でしょうか? 
税理士が専業のように思えますが、実は税理士以外にも頼める業務があります。
1.会計業務 (いわゆる記帳代行) 
2.コンサルティングなど
 名古屋税理士会でも無資格者に注意を促しているページがあります。http://www.meizei.or.jp/?page_id=130ご参考ください。
このように税務相談については、信頼のできる税理士に相談するのが一番です。
税務署への相談で注意したいことは 
税務署に電話をしたり直接行ったりして相談する際に注意したいことがあります。税務署への相談は、口頭での相談になることが多いと思います。その際は、税務署職員の担当者名や日時、相談内容について詳細に記録することをお勧めします。税務署職員からの回答だとしても100%ではないからです。
実務でよく聞かれる話し。「前回の税務調査ではOKといわれて、その通りやってきたのに、今回の税務調査でこの処理方法はNGといわれた」というケースです。このような場合も、不足した税金は納めなくてはいけません。本税は元々納めるべきものなので仕方のないことだとしても、過少申告加算税や延滞税がかかることがあります。
国税通則法の規定では、「正当な理由がある場合には、過少申告加算税はかからない」とされます。税務調査官の指導のミスは、過少申告加算税がかからないという正当な理由に当てはまると、国税不服審判所の裁決事例があります。誤指導があったかどうかできるだけ客観的に説明できるように、税務署への問い合わせ時のメモなどによって具体的な証拠、記録を残しておくといいと思います。
いかがでしょうか?さて、7月は税務署の定期異動月とされています。今月はまさに税務職員の異動時期、いわば税務署員の新年度なのです。この時期が、税務署員のモチベーションが高い時です。税務調査では、自分では気づかないような思わぬところで課税指摘されることがあります。そのようなことを少なくするためにも、税務調査や日頃の税務会計の相談は専門家である税理士にお願いしましょう。
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 執筆者:
篠田 陽子氏
しのだ会計事務所 代表
中部大学非常勤講師
平成14年税理士登録。平成16年しのだ会計事務所を独立開業。
商工会議所での会計指導やコンピュータを使っての経営診断の講師を務める。 他士業や金融機関、不動産会社と連携をとり、創業に強い税理士として活動している。