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全国クラウド活用大賞福津大会。九州の成長企業が語るクラウド活用術

総務省による中小企業向けのICT利活用を推進する事業として、先進的なICT利活用により経営改革に成功した中小規模事業者を表彰するべく開催された「全国クラウド活用大賞」。     
その九州大会「全国クラウド活用大賞 福津大会」が2018年9月25日に福津市役所(福岡県福津市)で開催されました。主催は一般社団法人クラウド活用・ICT投資促進協議会(CLOUDIL)。
応募のあった九州の企業から書類審査を勝ち抜いたファイナリストは6社。このなかから、九州総合通信局賞と福津市長賞がそれぞれ1社ずつ選出されます。
各社に与えられた時間は6分間のピッチと3分間の質疑応答。代表者は審査員および来場者に向けて自社のクラウド活用事例について語りました。以下内容を登壇順にご紹介します。

株式会社ハピクロ

登壇者名:常務取締役 中田佳孝様
株式会社ハピクロは北九州で保育事業を行っている。そこで、今回IoTやクラウドを活用した保育園の業務改善についてご紹介していただきました。
   

株式会社ハピクロでは、セキュリティや収容管理にクラウドを活用している。以前は鍵を使い施錠していましたが、現在ではICカードを使い施錠をしています。ICカードにすることで、鍵を無くす心配がなく、安全に管理することができるとのこととでした。多くの保育園ではパソコンではなく紙で情報を管理するため、クラウドを活用づることに最初は抵抗があったが、パソコンではなく、普段使いなれているスマートフォンやタブレットを使うことで、その障壁を取り除くことができました。

株式会社OZ Company

登壇者名:代表取締役 小津智一様
株式会社OZ Companyは福岡市に本社を置く企業で、企業内保育施設等の運営を行っている会社です。

クラウドを活用する以前は、それぞれの園が独立しており、連携ができていませんでした。しかし、クラウドに情報を全て預けることで10カ園での連携が可能となりました。また、これまで仕事が属人化していたが、データを共有することで他の園の担当がそのデータを見れるようになり、一人当たりの負担が軽減した。その結果、有給休暇100%を達成することができました。

株式会社イーハイブ

登壇者名:取締役 平井良明 様
株式会社イーハイブは、福岡市に本社を置く、会社で、
熊本震災の翌日に提供を開始した「地震情報すまっぽん」というサービスを紹介しました。

        
災害が発生すると様々な情報が流れ、その中には誤った情報が含まれていることがあります。被災者の方に正確な情報をいち早く届けたい、そんな思いからこのサービスができました。
すまっぽんは、地震などの災害が起こった時に正確な情報を提供するアプリです。YahooやTOYOTAなどの信頼できるところが発信している地震情報や公共交通機関の情報、通れた道マップなどの情報をまとめてあります。
今回は、実際に観覧者の方にもスマートフォンを使ってQRコードを読み取り、体験していただきました。

株式会社セリタ建設

専務取締役 芹田 章 様
株式会社セリタ建設は、佐賀県武雄市に本社を置く地盤改良工事を行う企業です。

       
2013年からデータ共有にクラウドを活用し始めた。クラウドを活用することで現場の写真をすぐに共有することができ、疑問をいち早く解決することができるようになりました。また、2016年に社内SNSを導入することによって個人的なフィードバックができるようになり、経営の安定化を図ることができました。

株式会社お掃除でつくる優しい未来

登壇者名:代表取締役 前田雅史様
株式会社お掃除でつくる優しい未来は福岡県春日市に本社を置いています。「我々は清掃業ではなく、製造業だ。我々は優しい未来をつくっている」という思いのもとハウスクリーニングやマンション・アパート共用部の掃除などを行う企業です。

        
総勢スタッフが74名でその大多数が子育てをしているママさんたち。スタッフは宮城県や埼玉県、大阪府、福岡など全国6か所に点在しています。
スタッフは現場に向かい、スマホを使って他の地域のスタッフや依頼主にいま現場で掃除していることを知らせています。お客様にクラウドに入ってきていただくことにより、お客様のスタッフに対する信頼や評価が上がりました。また、管理するためにクラウドを活用しているのではなく、一人で黙々と作業をするママさんたちのモチベーションを上げるために活用をしています

株式会社ダイワ

総務部人財開発課主任高田直哉様
株式会社ダイワは福岡市に本社を置く、太陽光発電システムや工事現場の足場を扱う企業です。

株式会社ダイワがクラウドを活用したきっかけは300台ある技術車両の管理です。かつてはExcelを用いて半日かけて管理をしていました。しかし、サイボウズのkintoneを使うことによりこの時間が10分に短縮されました。また、応募者管理や採用広告の分析にもクラウドを用いています。どの媒体がどのくらい効果が出ているのかを分析することにより、広告宣伝費を約3割削減することに成功しました。

受賞企業は?

審査の結果、九州総合通信局賞は株式会社お掃除でつくるやさしい未来、福津市長賞は株式会社ダイワが受賞でした!
こちらの2社には2018年10月22日に東京で行われる決勝大会でも発表します。
全国でも2社の活躍に注目です。

株式会社お掃除でつくる優しい未来


働いている方のうち、子育て中の方が9割以上というなかでビジネスが成り立っていることが素晴らしいと思います。そういった方々が、ITを活用しながら気持ちよく働いているというのが評価につながりました。

        

株式会社ダイワ

広告宣伝費や人材にかかる費用などをクラウドを用いて効果的に分析しているところが、福津市長賞という評価につながりました。

表彰式のあとは一般社団法人クラウド活用・地域ICT投資促進協議会野水理事に講評をいただきました。
九州はレベルが高いです。クラウドをもってビジネスを変えようとしている会社が多かったという印象を受けました。今までの常識では、地域的に集中することで儲けていましたが、それだと、都会しか人が来ないという図式になってしまいます。ところが、社員は数十人しかいないのに、拠点は全国にあり、そこで多くの方が働いている。それはITがないと成り立ちません。

特別講演「週休3日、週32時間労働でも業績アップ。国東時間の挑戦」

スピーカー:松岡勇樹氏(国東時間株式会社 代表取締役社長)


審査を待つ間には国東時間株式会社 代表取締役社長である松岡勇樹氏による特別講演が行われました。週休3日にしたから業績が上がったというわけではなく、それまで40時間働いていたものを32時間にするためにどのように付加価値を高めていくのかということが大切である。特別講演では、この付加価値の高め方について語っていただきました。

2012年に初めて業績が落ちて、業績をあげようとしたときに、最初はモノをたくさん作って売ることを考えました。しかし、そうするともちろんモチベーションは落ちて、ミスはでて、クリエイティブな発想もなかなかできない。そこで、真逆のことをやってみようということで金曜日も休むようにしました。
国東時間は、働き方改革ではなく、自分たちのライフスタイルを変えていくことを示しています。4日間はお金と仕事をつくって、残りの3日間は地域の人たちとの関係をつないで、自分たちのいる場所をつくる時間です。なので、ON/OFFではなく、方向は違えどもどちらもONなんです。
そして、3日間全く仕事に関わらないというわけではなく、3日間で起こったことは必ずチェックできるようにしています。
ワークライフバランスというと、家に仕事を持ち帰らないというイメージがあると思います。でも、常に表に出しているわけではなくても、潜在的に考えておかないと後退します。
休みの日の時間の使い方が大切なのです。

終わりに


インターネットの普及により、以前は高額だった技術を中小企業が生産性向上や新ビジネスを行うために導入するようになっています。
また、働き方改革で注目されている在宅勤務やサテライトオフィスなどにもこのクラウドの活用は大きな影響を与えているといえます。
今回このコンテストを通して、様々な企業のクラウド活用事例を発表することで、これからの地域の経営やビジネスを盛り上げるきっかけになったのではないでしょうか。
全国クラウド活用大賞の決勝大会は10月22日に開催いたします。
全国5カ所の予選を勝ち抜いた10社がプレゼンテーションを競い合います。ぜひご参加ください。
▼詳細・お申し込みはこちら
https://www.cloudcontest.jp/-/final

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