インタビュー

昭和23年創業の老舗企業に学ぶWebマーケティング(中小企業だからこそできるWebマーケティングってなんだろう?#1)

interview

 

こんにちは。一般社団法人日本中小企業情報化支援協議会の牛島です。
「中小企業だからこそできるWebマーケティングってなんだろう?」シリーズとして、Webマーケティングに力を入れている中小企業の事例を定期的にご紹介していきます。そもそもなぜこの企画が誕生したかといいますと、
「中小企業のwebマーケティング事例を知りたいのだけれどもどこで見つけたらいいのか?」
という声をいただいたことがきっかけでした。

「大手企業はお金も人材もあるけど、うちはそんなお金も人材もいない…」
「そもそもITとか難しそう…」
「マーケティングって何すればいいんだろう…」
そんな悩みを方にぜひこの記事を読んでいただければと思います。

さて、今回取材させていだいたのは、昭和23年より創業されている大変立派な老舗、上野公園前あんみつみはしの佐藤社長です。佐藤社長は上野観光連盟の役員もされており、上野という町ともにあるあんみつ屋みはしの素敵なお話をたくさんしていただきました。

老舗企業がWebマーケティングに取り組み始めたきっかけは?

 

牛島:
Webマーケティングに力を入れ始めたきっかけはどのようなものですか?

 

佐藤社長:

実は、1995年からみはしのホームページはありました。というのは、私自身が早くからインターネットに興味を抱き、ウェブが1つのメディアとしてこれから発展していくという予測がありました。そこで興味本位で個人的にホームページを作成したのが始まりです。
20年近く続けてきたホームページを2015年に全面改訂し、今現在のスタイルに変わりました。コンテンツはさほど変わりはありませんが、CMS(コンテンツマネジメントシステム)を利用して、スマートフォンやPCいずれから見ても適切のサイズに自動的に表示させるようカスタマイズしました。また、お品書きの項目では、商品名と金額しか載せていなかったものを商品の写真、カロリー、アレルギーを表示するようにしました。ホームページを見てくれているということは、少しでもみはしに関心を抱いていてくれているということなので、来店する前にお客様に商品の詳細を伝えるのは大事なことだと考えたのです。必要な情報を詳しくお伝えすることが客様とのコミュニケーションになり、それが信頼に繋がると思うのです。

 

牛島:
貴社のマーケティング体制を教えてください。

 

佐藤社長:

私、一人でしています。いかにホームページのコンテンツをこまめに鮮度を持って、かつ情報を正確に維持するかが大変です。新しい商品を発売日にウェブ上で公開するように設定したり、SNSを更新したり、手間がかかります。なので、今新しいスタッフを教育しているところですが・・・なかなか難しいですね。
みはしは、お客様とのインターネット上の接点づくりとして、ホームページ、インスタグラム、Facebookを活用しています。
Facebookでは新商品の発売を宣伝したりと、メールマガジンの役割を果たしています。いいねやコメントをいただいているのを確認してお客様の反応をみる、1つのコミュニケーションツールだと思っています。

 

牛島:

インスタグラムに、あんみつの写真が一枚もアップされていませんが、、、?

 

佐藤社長:

みはしは、昔からあんみつ屋だけど上野動物園や上野公園の文化施設と強く結びついてます。というのは、どこか上野に用事があって遊びに来た帰りにみはしに寄ってくださるお客様が非常に多いんです。中には、40代の方が子供の頃、おばあちゃんに上野動物園に連れて来てもらった帰りにみはしに来てあんみつデビューをしたとおっしゃっていました。なので、上野の情報を写真を通して発信して「上野に行きたい」と思っていただいて、その帰りに「ついでにみはしに寄りたい」そう思ってもらえれば最高ですね。インスタグラムは上野の情報写真集であるべきだと思っています。
世の中は今、「もの」に対する執着から「こと」に対する執着へ変わっています。稽古や旅行、情報そのもの楽しむ人たちが増えていますが、みはしは昔から「こと消費」に結びついているのです。

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牛島:

Webマーケティングについてどなたかに相談されたりしましたか?

 

佐藤社長:

株式会社キャッチボール・トゥエンティワンさんに初代のホームページ作成、また2015年にリノベーションの依頼をしました。また、株式会社LIGさんにもご提案いただきました。
グーグルアナリティクスをホームページに導入し、お客様がどの情報を一番求めているか把握をした上でホームページリニューアルに臨みました。いわば、お客様の意見や反応によってホームページも、商品も作っていこうという姿勢が会社に現れるべきだと思っています。

 

 

牛島:

HPを作成する点でこれだけは譲れない!ことはありますか?

佐藤社長:

お品書きの写真は私自身で撮影しています。みはしのメインメニューはクリームあんみつなのですが、撮影スタジオにソフトクリームマシンがないんですよ。ですので、お店で撮影するしかないんです。昔、カメラマンの友達に教えていただいたスキルを使って、自分で買ったカメラで撮影しています。
お客様から「お品書きの写真を全部みたい!」という声があったのが、写真を取り始めたきっかけです。
ホームページ作成を業者さんに依頼するのもお金がかかるので、写真やホームページのテキストはこちらで用意する等をし、作成者側の負担を減らすことによって費用を抑える工夫をしています。「駅の大きい広告数〇〇十万円で依頼受けますよ」と営業がよく来るのですが、それならそのお金をウェブ費用にかけた方が現実的だと思いますね。

 

牛島:

今後取り組んでいきたいwebの施策はございますか?

 

佐藤社長

ECサイトを充実させたいです。みはしは宅配販売もしているのですが、注文の依頼をメールで受付しています。お客様から要望を聞いて、送料込みの合計金額を伝える、宅配業者からお客様にメールが届く等のプロセスに時間がかかっているのが現状です。今は、便利で素早いものを求める世の中なので、その要望に答えられるようECサイトを改善していきたいです。

最後に

「上野の情報を見ながら、ついついあんみつを食べに行きたくなる」そんな思いを私たちに抱かせるみはしさんのマーケティングに魅了されました。
佐藤社長、素敵なお話、お時間をありがとうございました。
上野と常に共にある、「上野公園前あんみつみはし」。
上野に遊びにいった際にはぜひお立ち寄りください。

URL:http://www.mihashi.co.jp

私も佐藤社長と一緒に写真を撮っていただきました!


執筆者:
一般社団法人日本中小企業情報化支援協議会 牛島
URL:http://www.biz-solution.org/