インタビュー

多くのメディアでとりあげられている化粧品会社に学ぶWebマーケティング(中小企業だからこそできるWebマーケティングってなんだろう?#2)

interview

 

こんにちは。一般社団法人日本中小企業情報化支援協議会の牛島です。
「中小企業だからこそできるWebマーケティングってなんだろう?」シリーズ、第二弾です。

今回取材させていただいたのは、多くのメディアや雑誌でも取り上げられている化粧品会社、マードゥレクスの藤原さんと寺西さんです。藤原さんは取締役、CRM部・法人営業部部長も兼役されており、株式会社キャッチボール・トゥエンティワンさんで行われているWebマーケティング・リレーセミナーにも講師として登壇されております。寺西さんはPRをメインに担当されており、様々な取り組みについてお話していただきました。
タレントさんが隣で撮影されている明るい現場でインタビューをさせていただきました。

様々なWebマーケティングに取り組んでいますが、、、?

 

牛島:

貴社のマーケティング施策としてどのようなことに取り組んでいますか?

 

藤原さん:

マーケティング手法に合わせて具体的にそれぞれやっています。検索結果でWebサイトが検索エンジンで上位に表示され多くの人の方にみていただくよう工夫する「SEO」や、検索エンジンで上位に表示してもらうための広告「リスティング広告」、様々なサイトにバナーなどの画像や動画が掲載できる「ディスプレイ広告」、一回サイトにきてくださった人を追いかける「リターゲティング」、成功報酬モデルの「アフィリエイト広告」、楽天市場で店舗を確立したり、@cosmeで自社のブランドページを作る「自社以外でのプラットフォーム作成」またFacebook 、Instagram、Twitter、LINE@の「SNS」に取り組んでいます。

 

牛島:

貴社のマーケティング体制を教えてください。

 

藤原さん:

CRM(顧客関係管理)部という部署がマーケティングを担当しており、全体で20名ほどいます。CRM部にグループが3つあり、カタログなどの紙媒体を作るグループ、デジタル面を担当するグループ、また両方のグループにまたがってバナーやページを制作するクリエイティブグループがあります。デジタルを担当するグループは6名ほどです。会社の規模から言うと少ないほうですね

 

牛島:

マーケティングをする上で大切にしていることはありますか?

 

藤原さん:

ストーリー作りを大切にしています。Webマーケティングをする上で、PDCA仮説を立てる企業がほとんどだと思うのですが、それだと少し固すぎるなと。なので社員には「物語を作ろう」と伝えています。Webでものを検索している方は「どういう気持ちで検索しているのだろう」そして「どういうことが書いてあるとリンクを押したくなるのだろう」結果的に「そういう期待を持って押したリンクにどういった内容が書かれてあるべきなのだろう」という一連のストーリーを思い浮かべてページやキャッチコピーを考えています。デジタルマーケティングを初めてする方は、自分たちの商品のよさをどのように伝えるかに一生懸命になったり、過去にしてきた施策をデジタルでも全く同じように取り組んだりします。例えば、紙媒体または、冊子とバナーでは絵の見え方が全く違うのに、以前使っていた絵を使用してしまいがちです。また、飛び先のページがバナーのスタイルと統一されていないと「あれ?違うページに来ちゃったのかな?」と思わせてしまうかもしれません。ページがどう見えるべきか、お客様の立場になって制作することが大切です。

 

牛島:

オンラインサイトにて、オススメアイテムやメイク講座など色々な項目が並んでいますが、何か工夫されている点はありますか?

 

寺西さん:

販売サイトなので売り上げを上げることを第一にしつつも、料理コンテンツなどを載せることによってお客様に楽しんでサイトを見てもらえればいいなと考えています。実際にお客様からレシピに関する感想を頂いたりと反響もたくさんあります。マードゥレクスは美と健康にまつわることを販売している会社なので、化粧品で美をケアしていただくことに加えて、内面美も一緒に提供していきたいです。

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藤原さん:

実は、公式サイトのトップページは来る方によって違うのです。マードゥレクスを検索して初めて来る方、一回来たことはあるが商品を購入したことがない方、以前に商品を購入し既にメンバーである方、それぞれの人に合わせた見え方にしています。というのは、サイトをみる人それぞれによってトップページの意味合いが変わるからです。購入したことがない方には看板商品であるエクスボーテ(ファンデーション)をポップアップし、クレンジングなどのスキンケア商品を購入した方には定期コースに入ってもらうようにおすすめしています。Web上には店舗と違って販売員がいないので、その人にあったトップページをカスタマイズすることによって、お客様をサポートし、楽しんでお買い物をしていただけるよう工夫しています。

 

牛島:

SNSを複数運用されていますがどのように使い分けていますか?

 

寺西さん:

「Facebookは文章が長くかける」「Instagramは写真で商品をPRできる」とそれぞれのSNSの特徴をうまく利用しています。基本的には同じ内容を連動更新していますが、Instagramは特に丁寧に取り組んでいます。Instagramは他のSNSと違って投稿ページにURLリンクが貼れないので、写真を見ただけで終わってしまう可能性が大きいです。ですので、商品を使用している写真などを多くのお客様に投稿してもらうUGC(ユーザー生成コンテンツ)を手法し、その写真を見た方がマードゥレクスの公式アカウントにきて、初めてプロフィール文にあるリンクから公式サイトに飛んでいただきます。ユーザーが撮った写真はより使用感が溢れるので、お客様が使用イメージを抱きやすく印象のいい写真になります。

牛島:

LINEのアカウントも運営されていますが、こちらの取り組みでよかったこと、また大変なことを教えてください。

 

藤原さん:

LINE@は公式アカウントと違って高額費用もかからないので、始めやすいメニューの一つです。友達登録をしてくださっている方は少しでもマードゥレクスに興味を持って登録をしているので、メッセージを送って商品を購入してくださる割合が非常に高いです。また、LINE@では今までのような誰でも得られる情報ではなく、クローズなセール情報が得られることを売りにしています。「今登録したらお得なクーポンが届く」と友達登録した方限定に向けたセールを行うことによって、本当に買いたい方に向けた効率の良いプロモーションができます。

牛島:

一から友達を増やすのは難しそうですが、、、?

 

藤原さん:

そうですね。友達を増やさないと売り上げの規模が上がらないので、いかに友達を増やすかが課題です。現在登録をしてくださっている方はほとんどが既存のお客様なので、新規の人にLINE@の存在を知ってもらうにはキャンペーンを実施して外のメディアで取り上げていく必要があります。例えば、@cosmeの自社ブランドページにあるブログで「LINE@始めました!」とプロモートすることなどです。

また、今取り組んでいるのがミッション型の友達獲得です。友達登録をしてくださっている方にメッセージを配信し、その情報をLINEで友達100人に共有すると「〇〇日から半額」といったディスカウントセールが発令します。お客様自体もお得なクーポンをゲットできるし、情報を共有された方も「〇〇ちゃんが使っているこの化粧品良さそう、、、」と知り合いから勧められた商品の方が受け入れやすいのです。
この施策はノーコストなので、月に少なくとも1回こういったキャンペーンをどんどんしていきます。

 

牛島:

Webマーケティングについて、どなたかに相談されたりしましたか?

 

藤原さん:

LINE@はcrocsさんを参考にしました。crocsさんは、LINEで友達登録をしている方に向けた24時間限定シークレットセールの情報を発信していました。
オンラインサイトも自社のオリジナルです。当たり前のことをいかに改善できるかが大事です。購入ステップは限りなく少ないほうがいい、入力する項目は少ない方がいい、であるとか基本的なことをしているサイトは意外と少ないと思います。ついビジネス的なことを優先してしまい、メアドを間違えて欲しくないから二回打たせる、マーケティングデータを集めたいから生年月日、性別、どこ経由で知ったかを細かく聞く、などとわかってはいてもユーザー視点で見れないことを多くの企業はしてしまいがちですね。スマホ時代では、電車に乗りながらなどの〇〇ながら購入が多いので、簡潔化がより重要になってきます。

 

牛島:

今後取り組んでいきたいことについてお聞かせください。

 

藤原さん:

公式サイトに来てくださる方が十分ではないので、そこを改善したいです。「ファンデーション」と検索をして公式サイトに飛んできていただくだけでなく、「エクスボーテ」のブランド名での検索数を増やしたいです。その為には、検索してもらう機会を増やすことが必要です。第三者機関の評価が欲しいので、@cosmeの口コミランキングが1位になる、化粧品店にマードゥレクスのシールを貼る、タレントさんを起用して興味をひきだす、モニターを募集してUGC効果を使う、拡散力の強いSNSを活用する、また楽天などのショッピングサイトにマードゥレクスのブランド店舗をきちんと確立するなど、その他にも多くのことに取り組み、お客様の日々のインターネット生活の中に「マードゥレクス」の名前が出てきてほしいですね。

最後に

 

お客様の立場になって考えるマーケティングの手法に、私自身も大変勉強させていただきました。
藤原さん、寺西さん、貴重なお話とお時間をありがとうございました。

 

素敵な情報がたくさん手に入る「マードゥレクス」の公式サイトは、以下よりご覧になれます。

URL:http://madrex.com

 

お決まりの、私も一緒に撮っていただきました。

 


執筆者:
一般社団法人日本中小企業情報化支援協議会 牛島
URL:http://www.biz-solution.org/