今年のNPO合同新年会は完全オンラインで行われました。そこで恒例の世界の経済をホロスコープで読み解く講演で、昨年末にグレートコンジャンクションがおこり、今年は次第に「地」の時代から「風」の時代に変わると言う話がありました。
詳細は割愛しますが、ここ最近の出来事や過去の風の時代の歴史を振り返ると非常に腑に落ちる内容でした。たとえば「風の便り」、「風のうわさ」、「風評被害」などの言葉にみられるように「風」という文字は「情報伝達」の意味合いで使われており、これらの言葉で表されているとおり「風の時代」はいくつもの情報に惑わされることなく流されるイメージとしてとらえることができます。
さてそんな講演を聞いた直後のタイミングでまさに「風の時代」を感じさせる「Clubhouse(クラブハウス)」と言うアプリが日本で急速に拡大しはじめました。音声版のTwitter(ツイッター)ともいわれているとおり、リアルタイムによる音声での会話(チャット)を気軽に楽しめる新SNSアプリとして登場しました。今回はそんなClubhouseについてお話ししたいと思います。
Clubhouseの特徴として、ユーザーネームは基本実名で登録します。誰もが自由に「ルーム」という架空の部屋をつくることができ、リアルタイムな音声での会話なだけに保存記録(アーカイブ)を残さない秘匿性と、すでに使っている知り合いから招待状もらって参加が許されるという招待制でもあり希少性でもある機能を備えている点です。
もちろん「ルーム」は一般公開仕様にも限定公開仕様にもすることが可能(ただし参加している名前は公開される)であることと、招待状がなくてもユーザーネームを登録してウエイトリストに入って始めることができます。(ちなみにユーザーになった際の最初の招待枠は2名です)
そんなClubhouse、なぜここまで急速に人気が拡大するのか・・・私も疑問に思いまして2月初めに知り合いに招待してもらい使ってみました。この1週間だけでも次々と友人や知り合いがClubhouseを始め、急速に利用者が増えているのを感じています。日本人で最初にClubhouseを使ったといわれる起業家やその周辺の投資家だけでなく、IT・ネット業界の人やメディア関係者、TwitterやInstagramなど他SNSでも多くのフォロワーがいる芸能人も利用しています。こうして中小零細企業の経営者や個人事業主、各種士業の方やさまざまなコンサルタントの方々といつのまにかつながることができる点こそが急速な人気拡大の要因のようです。
またfacebookやYoutube、Instagramと明らかに違うのは文字を使ったメッセージ機能は一切なく、リアルタイムで“しゃべる”ことによってコミュニケーションをはかりますので、PCでは使用できないという点です。iPhoneかiPadを傍らにPCでの作業をしながらルーム参加する様子は、ラジオ番組で大勢の会話に参加しているにもかかわらず、好きなタイミングで会話に参加しているかのような不思議な雰囲気を楽しめます。
ただ2021年2月現在ではiOS版のみにしか対応しておりません。今後は資金調達をしてAndroid版の開発を始めるとの情報もあります。(1月24日のClubhouse公式ブログでは「まもなく開始」と発表されております。)
Android版の開発のみならず、今後のサービス展開にも期待が高まります。ある一定のフォロワー数をもつユーザーがルームを立ち上げクリエイターとしてマネタイズできる仕組みも予定されているといわれています。
ともあれ今後いかにして活用していこうかを1週間使用してみて検証できましたのでClubhouseの期待値は高まりました。たとえば特定のテーマについて興味を持つユーザーが集まりディスカッションを行うだけでなく、特定の案件の事例について全く見ず知らずの士業の方々どうしでブレーンストーミングを行うなど、リアルタイムによる音声での異業種交流会等を行うことも可能なのです。今後様々な活用方法をNPO東日本東日本議場支援機構では見出していきたいと考えております。
執筆者
高巣 忠好氏
認定経営革新等支援機関NPO東日本事業支援機構 理事長
1971年生まれ。愛知県豊田市出身。
時計・輸入雑貨量販店・ベンチャー系卸売会社・輸入卸売会社に勤務。チーフマネージャーを務め、コンサルティングファームに転職後独立。
「過去を否定せず、時流に合った方針・計画に書き直す」=アットリライトを理念として中小企業の経営改革支援や事業承継、事業再生の指導を実践している。
認定経営革新等支援機関NPO東日本事業支援機構[関財金1 第145 号] 事務局長