連載・コラム

AI・RPAを利活用して倒産時代を勝ち抜く!

中小企業が近未来を拓くためのテクノロジーの進歩は社会構造、経営環境を激変させる。適応できねば生き残ることはできない。地球上のあらゆる生物は「食べ・排泄し・眠り・子孫を残す行為」を絶え間なく持続して地球環境の激変に適応できるように変態し進化して来たのである。哺乳類の繁栄、更には人類の爆発的増殖は良い例である。

企業経営も同じ摂理である。

・人間の死のプロセスを見てみよう。食べられなくても死はすぐには迎えない。尿や便を排泄できずに毒が臓器をむしばみ死を迎えるのである。ここから分かることは「捨てる、排泄する・そして食べる」の順番が狂うと体は持続出来ないのである。

・企業の経営体質の改善も同じである。創造的な破壊をして、毒の要素を排泄してから新しい考え方・技法・システムを入れないと成功しない。それをスクラップ&ビルド(以下:S&Bと云う)と呼び、重ねて言いますがこの順番が成功のポイントです。

・AI・RPAを導入するには経営者の強い改革の意思が前提になります。経営者が持つ近未来への不安は幹部や社員には分からない。抵抗勢力が障害になる例が後を絶ちせんから毒を取除けなければ失敗します。

1、テクノロジーは社会・経済活動のS&Bを促す。

 第1次産業革命と云われた以降のテクノロジーの変革を俯瞰してみましょう。

①18世後半から19世紀に起きたテクノロジーは第1次産業革命と云われ、蒸気機関の出現が軽工業を発展させ、それに続く電気・石油の利用は重工業を発展させた。農業者が工業へシフトし農村から都市へ移動したのはそう遠くない時代である。

②50年程前から電子計算機(EDPS)の時代が来て、記憶量・計算スピードが飛躍的に高まり、事務処理か計算処理が駆逐され情報処理の時代が来た。その活用には専門家が必要であり一般の人々は利用するだけであり、企業の利活用の範囲であった。個人利用はできなかった。

③バブル崩壊以降はPCの発達、携帯電話の普及等でSNS等が個人の生活にも大幅にかかわりキャシュレスの時代となり、人々のコミュニティには不可欠な時代となった。生活様式も変化しTVや新聞の利用度は落ち通販が大幅に伸びている。働き方も変わり格差社会が問題視され始めている。それ程に社会にインパクトを与えているのが現状である。

④今、始まっているAI時代。このようにテクノロジーは社会や企業の持続の在り方に大きく影響を与えるのである。AIには光と影があるが避けられない以上生き残りたいのであれば備えなければいけない。古い体質を捨ててAIに適応することを経営者は決意せねばならない。

2、なぜ今AIPRA なのか。活用する前に経営者が考えなければいけないこと

・貴社のことを考えながら読んでみてください。何に困っていますか?障害は?

・今より良い会社にしなければ企業間競争に勝ち残れないのは自明です。企業ビジョンをアリアリと描けますか?存在理念や経営計画を社員・協力者と共有して脇を固めましょう。

・労働時間を減らし給与を上げることを解決するのが具体的な課題で、ビジネスフローを徹底的にスリム化して作業時間を短縮して、総労務費の投下をMIN化します。

・AI・RPAに取組むには、自社の体質をよく認識して手順を組みましょう。くれぐれもアプリを先に買うのはやめ体質に合うアプリを選択するのが賢明です。毒に毒を注ぐことにもなりかねません。AI・RPAにも合う仕事と合わない仕事があるからです。

3AIPRA導入成功のポイント

・多くの場合、①マニュアル化②RPA化③AI化のステップを踏んだ方がうまく行きます。

システム導入や管理の基本である「Plan(調査・設計)⇒Do (実行)⇒Check(差異分析)⇒Action(回復策)」の内、AI/RPAができるのはDoのみです。設計されたとおり実行するのであり自律的にCheck・Actionはできないので、人の状況判断が決め手になります。

中小企業ではそれをできる人材はいませんので、信頼できるプロに委託し、運用は理念を共有する仲間とシアリングをして、安全性とコストを確保しつつ取組みすることをお勧めします。

・マニュアル化できない業務はAI・RPA改善ができないことを認識してください。

執筆者

平本 靖夫
【 生 年 月 日 】1942年
【 出 身 地 】埼玉県鳩ケ谷市(現川口市)

【 職 歴 】
ブランド・メーカーで工場マネジメント・管理会計・新製品量産化プロジェクトリーダー
1974年 株式会社 東京ゼネラルコンサルティング設立
1997 株式会社 理念経営東京に社名変更(理念経営を展開)
2002年 株式会社 I&C・HosBizセンターを同志のパートナーと創設(コンサルタントファーム機能強化)
2006年 NPOはとがや100プロジェクトを『街おこし』のため設立(コミュニティビジネス推進)
2013年「中堅・中小企業“理念経営”ネットワーク」をスタート(構築中)
2018年「理念経営のすすめ方」アマゾン版 出版

【主な図書・著作等】
「非常時の経営計画のつくり方」「経営計画実戦教本」「もっと良い会社にする経営手順の本」「理念経営のすすめ方」他 多数。
「経営特くんゲーム=ボード型マネジメントゲーム」開発。

経営計画策定推進のパイオニアの一人、43年間で約350社を支援、理念経営・清豊の推進普及をライフワークとして取組んでおり、次世代を担う経営者と経営支援家の育成を生きがいとして生涯現役で活動している。