地域の中小企業の優れたクラウド活用事例を表彰するコンテスト「総務大臣表彰全国クラウド活用大賞決勝大会」が2018年10月22日開催された。主催は一般社団法人クラウド活用・地域ICT投資促進協議会。
本コンテストは、地域のクラウド活用事例を発掘し広げることで、クラウド化が遅れている地域や中小企業のクラウドの普及促進を目的としている。
大阪府八尾市、青森県八戸市、福岡県福津市、石川県加賀市、長野県伊那市の5都市で地方大会が行われ、地方大会を勝ち抜いた10社が自社の事例をもとに競い合った。
以下の4つの基準をもとに審査が行われ総務大臣賞1社と優秀賞2社が選出された。
1.クラウド活用度:クラウドサービスによって、その会社の業績や働き方がどれくらい変わったかの「クラウド活用度」
2.浸透度:社内、もしくは取引先など多くの人がクラウドサービスの恩恵に預かっているか、長く使っている かの「浸透度」
3.革新性:今までのビジネスや IT ツールの使い方の枠を超えた「革新性」
4.熱意:プレゼンテーションの熱意や技術
総務大臣賞を獲得したのは株式会社お掃除でつくるやさしい未来。福岡県春日市に本社を置く会社で、共同住宅での清掃を主力サービスとして全国11ヶ所で事業展開をしている。
クラウドを活用することで事業所や営業所を構えない効率的な事業活動が可能となっており、女性スタッフやお客様ともクラウドでつながり高いモチベーションを持って業務にあたっている。
業務基盤をクラウドを置くことで自社の業務効率化だけでなく、雇用創出を生み出している点などが評価された。
優秀賞を獲得したのはNKアグリ株式会社と株式会社小田島組。
NKアグリは和歌山を拠点とした農業ベンチャー。クラウドに情報を集約し日本全国での生産体制の整備、希少品種の供給体制を築き高価格帯での流通網の実現ができている。
天候不順や後継者問題などで持続性の危機を迎えている農業において次世代モデルとして実践している点が評価された。
小田島組は、岩手本社の建設会社。ここ10年で売上5倍、社員3倍と成長をつづける企業だ。経験産業といわれる建設業において同社は珍しく30歳以下の社員が半分を越えており、業務水準の標準化が課題にあった。飲食店のセントラルキッチンモデルから着想を得て、経験が必要とされない業務を本社で一括で行い、経験が必要とされる業務への注力や経験を伝える環境の整備などを進めて業務拡大を実現している点が評価された。