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福岡農産株式会社

Windows 95の登場と共に、情報発信・情報共有をいち早く推し進めた


主食米や原材料米の精米・卸を行う
福岡農産株式会社

ご飯やお酒、味噌、お菓子、改めていうまでもなく、お米ほど日本人の食生活と切り離せない食品はない。福岡農産株式会社(福岡県田川郡川崎町)は、主食米や原材料米の精米・卸を行う「複合精米工場」だ。その活動は精米卸にとどまらず、品質信頼性の高い有機米の輸入販売、棚田の保全活動まで多岐にわたる。米業界では数少ないISO9001の取得業者であり、また日本穀物検定協会の情報提供システム(精米袋に貼られたシールから原料米の情報を得られる)に参加するなど、安全な米を提供するための仕組みにもいち早く取り組んでいる。

福岡農産では、コンピュータ制御の精米装置や財務会計処理のオフコンを業界に先駆けて導入するなど、ITによる業務の効率化を早い段階から進めていた。加えて、同社取締役社長の中島良一氏が社内での情報発信・情報共有の重要性を意識し始めたのが1995年のことであった。1995年といえばWindows 95が発売され、本格的なインターネット時代の幕開けとなった年である。そして、食管法から新食糧法に切り替わったのもこの翌年からだ。新食糧法の施行によって、政府に保護されていた米業界は、一転して自ら営業の努力をしなければならなくなった。中島氏はこれを好機と捉えた。ITを駆使することで、業界大手とも十分張り合えるようになるのではないか。

そこで96年には「rice.co.jp」のドメインを取得し、Web上での情報発信に乗り出す。社内業務にも積極的にパソコンを導入し、効率化を行ったが、特に大きな役割を果たしたのが電子メールだ。インターネット以前からパソコン通信で電子メールに親しんでいた中島氏は、CCやBCCで同報できることのメリットを実感していた。ITを活用した社内情報共有の始まりだ。


工場内にある、コンピュータ制御される巨大な精米機。
会社全体で1日に60トンの精米が可能という

Windows 98が発売されると、社内のパソコンを結んでピアツーピア(集中管理用のサーバがなく、パソコン同士が対等の関係でつながる)のLANを構築する。社員のスケジュールを書き込んだExcelファイルをネットワーク上の共有フォルダにおいて、全員がいつでも参照できるようにしたのだ。スケジュール以外にも、プレゼンテーション用書類など各種の社内資料を共有して、社員の意思統一と業務の効率化を図った。重要な書類は共有フォルダに入れて管理するという習慣もこの頃から徹底されるようになっていった。

こうしたWindows 98ベースの情報共有システムは構成がシンプルで安価、使い勝手も悪くなかったが、徐々に欠点も見えてくる。特に大きな問題が信頼性とメンテナンス性だった。共有ドキュメントを保存しているパソコンは、365日24時間電源を入れているわけだ。ITで効率化を進めた分だけ共有ドキュメントの重要性は高まっており、万が一にもこうしたデータが消失するようなことがあれば、業務に深刻な支障を来すようになっていた。

重要情報を扱うシステムに求められるのは絶対の信頼性

「幸いなことに、データを集中して保存してあるパソコンが壊れることはなかったのですが、自分が使っているパソコンのハードディスクが壊れることは何度もありましたから、危険性は認識していました」(中島氏)

ここまで同社では、パソコンとネットワークの管理もすべて社内で行ってきた。しかし、ITの専門家がいるわけではなく、ネットワークに接続できないといったトラブルが起こるたび、解決に人手と時間がかかっていた。

信頼性が高くて、操作性も良いシステムはないものか。ロータスノーツなどの導入も検討したが、導入コストを考えるとどうしても二の足を踏んでしまう。こうした案件に応えられるシステムベンダーを求め、中島氏は福岡県中小企業振興センターに問い合わせる。ここで紹介されたのが株式会社バリューシステムサービスだった。バリューシステムサービスは、Windows Small Business Server 2000(以下、Windows SB Server 2000)を利用したソリューションを提案する。

Windows SB Server 2000と、グループウェアツールであるGroupBoardの活用で、スケジュールなどの情報の共有も手軽にできるという。機能が競合製品よりシンプルで、すぐに使いこなせそうな点にも中島氏は魅力を感じた。そこで、2001年にサーバ用マシンを購入し、バリューシステムサービスがWindows SB Server 2000のセットアップおよび年間契約によるメンテナンスを担当した。

Excelによるスケジュール共有が浸透していたこともあり、Windows SB Server 2000の導入で業務の流れに劇的な変化が起こったわけではなかった。しかし、導入効果は非常に満足のいくものだったと中島氏は語る。

「ネットワーク管理は単にアプリケーションの使い方を覚えるという以上の知識が求められます。会社としてやらなければいけないことはいくらでもありますから、そんなところに時間を取られたくないのです」(中島氏)

ネットワークやマシンにトラブルが起こるとバリューシステムサービスに相談。たいていの場合は、遠隔地からのリモート操作でトラブルは解決するし、そもそものトラブル件数もWindows 98のころに比べて激減した。さらにデータは定期的にDATへバックアップするようにしたため、致命的な操作ミスをしたとしても、被害は最小限に抑えられ、しかもすぐに復旧できる態勢が整った。

Windows SB Server 2003+GroupBoardで、電話の応答もスピードアップ

2005年9月には、システムをWindows SB Server 2003に入れ換えたことでより一層使い勝手が良くなった(画面1)。Windows SB Server 2000のGroupBoardには、月単位での一覧表示ができなかったり、表示速度が遅いという欠点があったが、Windows SB Server 2003とGroupBoardワークスペースの組み合わせではこの辺りが完全に解決されたのである。

特にGroupBoardワークスペースの表示速度が改善された点は大きかった。顧客から電話を受けてから、予定を確認して応答するまでの時間を大幅に短縮することができたという(画面2)。

また中島氏によれば、GroupBoardワークスペース上のスケジュールを、Office連携機能を使ってOutlook上に呼び出して印刷するということもよく行うそうだ。Outlookの印刷機能を使えば、GroupBoardワークスペースの画面を直接印刷するよりも見映えよく出力できる。パソコンを使えない関係者もいるため、紙でも情報共有できることは今でも必須なのだという。

Windows SB Server 2003の共有FAXも福岡農産で大いに活用されている機能だ(画面3)。

「FAX専用機の場合、同じ内容の文面なのに送信先をそれぞれ指定して1枚1枚送らなければなりません。
けれどもWindows SB Server 2003なら、送信先リストを呼び出して送信先を複数指定するだけで簡単に一括FAXを送れます。また送信先リストを後から増やすことも簡単ですね。

送信先は100件くらいありますし、新しい取引先店舗が増えたら追加しなければなりませんから、このメリットは大きいです。」(業務部主任 河野彰氏)


画面1■GroupBoardワークスペースのトップページ。
今日のスケジュールや伝言、ToDoなどを一覧できる


画面2■複数ユーザーのスケジュールもまとめて閲覧できるので、社員の動きが一目で分かる。「Outlookへのリンク」を実行することで、個人のOutlook上の予定と同期を取ることも可能だ


画面3■共有FAXの送信リスト。送信先の管理や送信履歴の確認も一覧画面で簡単に行える

情報共有は全社員のスキルアップにつながる

Windows SB Server 2003で行うような情報共有は、企業にとってどういう意味を持つのだろう。早くから社内ドキュメントを共有してきた中島氏はこう語る。

「製品説明や見積りなどが共有ファイルに落とし込まれることで、誰でも取り出して簡単にアレンジできるようになります。例えば、新商品の提案書なら、定型的なものでは不十分で、担当者が自分の思いを込めることが必要になるでしょう。こういう思いのこもったうまい文書を共有できれば、そのノウハウをみんなが学んでスキルアップできるようになるのです」(中島氏)

共有ドキュメントやGroupBoardワークスペースは、メールと組み合わせることでさらに強力なツールになるという。

「社長が日々考えていることを全社員に伝えるのは大変なことなんですよ。けれどGroupBoardワークスペースや共有ファイルを使うことで、それが一発でできるようになります。共有ファイルだけだと一方的な情報発信になってしまいますが、メールで返信してもらえれば各人の理解度や反応が把握できます」

「今の企業は、昔以上に理念や思想を社員が共有しなければならないといわれています。こうしたツールで情報共有し、コミュニケーションを図ることがますます重要になってきているのです」(中島氏)

【企画:アイティメディア 営業局/制作:ITmediaエンタープライズ 編集部/再編:経革広場】

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