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第1回 バランス・スコアカ-ド(BSC)とIT活用

税理士を開業して25年目になりますが、現在私が得意としている分野は中小企業を対象とした「経営計画」です。以前は、損益・資金の改善を目的にした数値計画に終始していましたが、多くの中小企業が次のような課題を抱えているということに気づきました。

① 方針を現場の言葉にして、戦略を方向づけることができない

② 経営計画があっても実行できない

③ 計画と実績の乖離があっても打つべき手立てがわからない

BSCは、1992年ハ-バ-ドビジネススク-ルのR・S・Kaplan教授とコンサルタントのD・P・Nortonの共同研究によって発表されました。それは、経営者の注意と努力が、短期の財務尺度に影響を及ぼすものに焦点を絞りすぎていることから、業績測定システムを示す3つの視点(顧客・内部プロセス・学習と成長)を追加して、成果と非財務尺度のバランスをとるべきである、という提案であり、これがBSCの基本的なアイデアとなっています。

それ以来、BSCという言葉は、新しい経営手法の代名詞のように使われてきました、しかし、最近聞く機会が少なくなってきたように思います。なぜでしょうか。その原因の一つに、金融機関の動向があげられます。金融監督庁の「知ってナットク(中小企業の資金調達に役立つ金融検査の知識)」には、努力する経営者を高く評価します(POINT4)と書かれていますが、金融検査マニュアルがあり、中小企業は格付けによって判断されています。一方、金融機関は経営の合理化により、融資等の業務が大きな支店や本部に集中し、身近にいて、中小企業の見方だった支店長の役割が変わり、より財務尺度を重視した判断をする傾向が強くなっています。中小企業は、金融監督庁の理想と金融機関の現実という、二つの板挟みになっていると言えます。BSCは経営力をたかめるための「根本治療」であり、「対処療法」が必要とされる時代背景に合わないということでしょうか。

中小企業は、利益を出し続ける会社にするため、人材育成に努め組織力を強化する必要があります。短期的な財務尺度のみを重視する会社に明日はありません。今、だからこそわが社の存在は顧客にとって必要なのか(顧客の視点)そのための業務プロセスは構築されているのか(業務プロセスの視点)その業務をやり抜く人材や組織作りは行われているのか(人材と組織の視点)というプロセスがあって、初めて成果である売上利益を勝ち取ることできる(財務の視点)

という、BSCの理論にもとづく、戦略展開が必要です。戦略が「目的と手段」で接合されているか、という「戦略マップ」を作成するだけでなく、戦略の実行状況を可視化するための「業績評価指標」を組織体系や業務に関連づけ、戦略を現場の言葉にして実行する組織づくりが必要なのです。

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BSCで戦略実行を可能にするため、ITの活用はかかすことができません。BSCの役割は、わが社の戦略は実行されているのか、という情報共有と、計画と実績に乖離がある場合はどのような手を打つべきか、という情報活用をすることにもあります。私は、BSCをASPで運用するニデコビジネスソフトhttp://www.bsc-nbs.com/のMyBSCというサ-ビスを利用しています。他にも提供しているサ-ビスがあるはずですから、「利益を出しつづける会社にするため」利用を検討されてはいかかでしょうか。

次回は、BSCの活用事例をご紹介します。

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