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第3回 IT社会のゆくえ

1. アルファベット略語はなくならない

ITの世界ではハードウェアとソフトウェアが必要です。以前はハードウェアがとても高価でしたが、コンピュータの心臓部であるCPUが驚異的なスピードで進化して低価格化すると同時に、ハードディスクをはじめとする記憶装置も大容量で安価なものになっています。一方、ソフトウェアはといえば、インターネットを介して提供されているフリーウェアも無数にありますし、Web2.0と称されるインターネットの環境下では、LAMPに代表されるオープンソースにより、高価なアプリケーション開発用のソフトウェアを購入しなくても自在にプログラムを開発できる状況にあります。

通信の世界の進歩も大変なものです。少し前までは、コンピュータ上で動画を見ることは非常に大変でした。電話回線の通信速度では、容量の大きな動画ファイルはテレビを見るようにコンピュータの画面上にリアルタイムに受信することは出来ませんでした。ところが光通信が主流となった現在では、全く違和感なく鮮明な動画がコンピュータ上で再生できます。仕事上のメールに相当容量の大きいファイルを添付しても瞬時に送信できます。業務効率は飛躍的に高まりました。セキュリティの面でも電子認証システム等が提供されています。

目まぐるしく進化するITの社会において、アルファベット略語の氾濫には食傷気味の方も多いのではないでしょうか。プロでも2~4文字のアルファベットのIT関連用語を全て理解するのは大変なことではないだろうかと考えてしまいます。しかし、増え続けるIT関連用語をすべて日本語に翻訳することも相当に困難でしょうし、カタカナで表記するのと同様にかえって理解の妨げになる可能性もあります。アルファベット略語は今後もなくならないでしょう。改めて英語の勉強をする必要がありそうです。

今後のIT社会の行方は、Web上でのASPやSaaSによる業務用アプリケーションの提供が進み、NGNといわれるコンピュータ通信網と携帯電話システムが一体となった新たなネットワークが構築され、今以上に安全で快適な通信が可能となる見込みです。ハードウェアの面では、パーソナルコンピュータは依然として屋内では主流かもしれませんが、屋外では携帯端末の活用が更に進むものと思われます。ユビキタス社会が進展すれば、朝晩の通勤に長時間を費やす必要もなくなるかもしれません。オフィス街はどうなるのでしょうか。商店街はどうなるでしょう。

人間同士のコミュニケーションも変わらざるを得ないでしょう。既に手紙や葉書での心の通うやりとりがコンピュータや携帯電話によるメールにとって代わられたことを嘆いている方もありますが、これからは双方向のテレビ電話が小型化し、翻訳装置を介して世界中の相手と簡単に交信できるようになるでしょう。便利ですよね?それともジョージ・オーウェルの『1984年』を思い浮かべますか?

2. 中小企業の対応は?

このような状況下で、企業経営者はどう対応すべきでしょうか。このコラムの最初にデジタルデバイドが企業間格差をさらに拡げることが危惧されると書きましたが、だからといってやみくもにIT化に走ることは問題です。Webサイトやバーチャル・ショップを開設しても売るものがなければどうにもなりません。データベース・サーバを購入しても、肝心のデータベースが貧弱では話になりません。大量の情報をセグメントして目的に応じて使い分ける人間のスキルが要求されます。

この先IT社会がどのように進展しようと、企業経営にとって最も大切なことが『顧客にどのような効用をどのように提供するか』であることに変わりはないでしょう。ITは企業目標達成のためのツールに過ぎません。しかし、強力なツールであることは確かです。ITには中小企業が大企業と対等に競争できる環境を作る可能性も秘められています。従って、IT社会の動向には十分に注意を払い、ビジネスチャンスを逃さないようにする心構えは必要でしょう。

人間が筆算で円周率の計算を行うことは気が遠くなるような終わりのない作業ですが、コンピュータなら夜も寝ないで計算してくれます。そのかわりコンピュータはどんな小さな決断もしてくれません。当り前のことなのですが、判断を下すのは人間(経営者)であり、下された判断を適切に具現化するためにコンピュータ(IT)を活用するのだという自覚が何よりも大切なことであると考えます。

現在あなたの会社には何台のコンピュータがありますか?それらはどのような用途に使われているのでしょうか?請求書発行や給与計算あるいは日々の会計処理といった事務の効率化のためだけですか?データマイニングという言葉がありますが、コンピュータはデータを掘り起こし、宝を発見するためにこそ使われるべきものです。経営を改善し収益力を向上させるために、身近なIT化から取組んでみてはいかがでしょう。

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