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第3回 エクササイズ(応用編)

8月が終わり涼しくなるかと思いきや、まだまだ残暑が続きそうですね。オリンピックに一喜一憂した日々が過ぎ、夏の終わりも近付いて少しだけセンチメンタルな気分に浸っている今日この頃、皆様はいかがお過ごしでしょうか?さて、零細企業のIT導入と題して連載してまいりましたコラムも、今回が最終回となります。最終回では効率的な会計ソフトを用いた記帳方法とA社のその後をお話させていただきます。

 現在、会計ソフトを利用してみえる事業者の方にお聞きします。「会計ソフト導入当初、どのように記帳してみえましたか?」、おそらく「手書きの帳簿をそのまま入力していました」と答えられるでしょう。会計ソフトの入力に慣れるまでは、手書きの帳簿との併用はやむをえないことです。今回は手書きの帳簿を作成することは無駄ですとはいいません。では、効率的な記帳とはどういうものなのでしょうか?それは補助科目を積極活用することです。法人税の申告書には決算書とともに科目内訳書を添付します。補助科目を活用することで科目内訳書の作成がかなり楽になりますよ。たとえば預り金、預り金には従業員から徴収した源泉所得税・特別徴収市県民税・社会保険料・労働保険料などがあります。これらそれぞれを補助科目に設定しておけば、決算時の補助科目の残高が内訳書に記載する残高になります。あくまで入力ミスがないと仮定した場合ですが…。

 このように補助科目を積極活用して、決算処理を早めた顧問先(以下、甲社)があります。甲社は会計システムを変更するにあたり、補助科目を細かく設けました。その効果もあってか、決算処理(決算書・科目内訳書作成)が従来の二分の一になったとのことです。担当者が有能であったこともありますが、会計ソフトを有効活用されている一例です。

 補助科目は設定しているけれど、うまくいっていない例もあります。新しく顧問先になった乙社、会計ソフトの科目を見てみると、なるほど補助科目が細かく設定されています。これは有効活用しているなと思いながら、補助科目のひとつひとつをチェックしていくと1年前から不可解な点が散見されます。担当者に聞いたところ、担当が1年前変更になったばかりの上、その担当者は手書きの帳簿の経験はあるがPCを使った経理処理は初めてとのことでした。どうも入力時に補助科目の設定ミスがあったようで、現在精査中です。

 補助科目は導入設定に時間がかかります。また、漫然と入力していると乙社のように補助科目の残高がおかしくなってしまいます。しかし、月次残高のチェックを確実にしていけば決算処理を効率化できます。補助科目のほか、部門設定をしていくと管理会計の入り口に立つこともできるでしょう。経理担当者の腕の見せ所です!

 さて、A社の経理担当者Bさん。とうとう会計データの入力をできるところまできました。最近ではデータの入力が楽しくなったご様子です。以前のPCアレルギーはどこへいったのでしょうかね。そうこうしている間に決算期が訪れました。Bさんは自信満々に総勘定元帳をアウトプットしました。各勘定科目の内訳書を作ろうとしてBさんの手は止まってしまいます。補助科目の設定がされていなかったため、各勘定科目の動きをつぶさに見ていかなければならなかったからです。準備運動を終えたBさんですが、エクササイズ(応用)まではできなかったようですね。エクササイズは次年度以降でしょう。

 会計ソフトの導入を検討されている零細企業の皆さん、導入の際には何をしたいのか(目的)、いくら出せるのか(予算)を明確にしてくださいね。そして、導入したら最後まであきらめずに継続することです。はじめから完璧な人はいません。経理担当者も少しずつ鍛えられていきますから。

 3回にわたりお付き合いいただき、ありがとうございました。皆さんの健闘を祈念して本コラムを終了させていただきます。

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