地域や企業にデジタルトランスフォーメーションを実現するための情報をお届けします

第1回 準備運動その1

こんにちは、全国IT推進研究会に所属しています、税理士・ITコーディネータの大久保と申します。私の本業は税理士です。その本業の方で携わっている顧問先の大部分が、零細企業に分類されます。というわけで、今回のコラムは零細企業を対象としたIT導入のすすめとさせていただきます。これから、3ヶ月間の連載となります。最後までよろしくお願いいたします。

 零細企業にはパソコンが1台もないというところ(最近はさすがに少なくなりました)や、パソコンは持っているけれども有効活用していないところがあります。そのような零細企業がIT導入の第一歩として踏み出せるのが、会計ソフトの導入ではないでしょうか。自計化して経営状態を数字上から判断することは大事というより、やらなければいけないことなのではないでしょうか。

 そのようなまったくパソコンを使ったことのない事業所がIT導入するには、どのような準備が必要なのかを私の経験からお話させていただきます。何かを始める時、たとえば運動する前には準備運動をしますよね。準備運動なしで急に運動をするとけがをしてしまうことがあります。IT導入も同じことが言えるのです。準備運動その1として、何をしたいのか?次にそのツールを使いこなすスキルがあるのか?を検討することではないかと思います。そんなこと検討せずに突っ走る事業所もありますが…。極端な例として次の事業所を見てみましょう。

 「販売業を営むA社、社員は夫婦の他にアルバイトが1名という典型的な零細企業である。帳簿作成は1ヶ月毎に税理士に依頼している。売上帳、現金出納帳は手書きのものがある。最近、営業成績をいち早く把握したいと思うようになった。税理士に相談したところ、会計ソフトの導入を勧められた。なお、A社にはパソコンを使ったことのある人はいない」

 こんな会社あるの?と思われる方もいるかもしれませんが、結構あるんですよ。最近はよっぽど少なくなりましたけどね。

 さあ、A社では会議(家族会議)が行われました。その結果、奥さん(以後、Bさん)が会計ソフトを用いて自計化をはかることになりました(大部分の零細企業ではA社のように奥さんが経理事務を行っています)。困ったのはBさんです。今までパソコンは見たことはあるけど、触ったことなんて一度もありません。ましてやA社にはパソコンがないのですから…。慌てたBさんは近所の大型家電店へ車を走らせました。店員に「経理事務をパソコンでやらなくてはいけなくなりました。適当なパソコンと会計ソフトはありますか?」と聞くと、親切な店員はパソコンのスペックを懇切丁寧に説明してくれました。Bさんは何のことやらちんぷんかんぷん、結局、店員に勧められたパソコンと会計ソフトを購入しました。帰ってから中身を見てみると…。パソコンの方はプリインストールされているのですぐ使えたのですが、会計ソフトの方はCD-ROMがあって、それをインストールすることになっています。Bさんはここでお手上げになってしまいました。

 Bさんはよっぽど慌てられたのでしょうね。このBさんの行動こそ準備運動なしで急に運動することと同じなのです。大型家電店に車を走らせる前に、顧問の税理士もしくは会計ソフトをすでに導入している同業者に相談すべきでした。これからBさんは苦労を重ねていきます。その経過については次回以降で…。

SNSでフォローする

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA