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第3回 主役は・・・

みなさんこんにちは、全国IT推進研究会の岡崎です。「会計人ITコーディネータ走る」と題して、お話しさせていただいたこのコラムですが、私の受け持ちはいよいよ最終回です。第1回では笑い話のような失敗談を、第2回では失敗は成功への第一歩であるといったことをお話しさせていただきました。今回は、私が会計人ITコーディネータとして、日々駆け回ってきた経験の中で見いだした、IT化や経営改善のために必要な要件のうち、特に中小零細企業で見落としやすい点を、実際にあった話から考えてみたいと思います。

社は数多くの製法特許を持つ製造業の会社で、経営状態も良好な会社でした。私との最初の出会いは、一寸IT相談でした。当時、業務部門の管理には数千万円投資したオフコンを利用していたのですが、そろそろシステムの更新の時期に来ていた所での相談でした。オフコンサーバ買い換えに伴うシステムの更新料が数千万円という見積を見て、「これホント?」といった相談でした。

その時、私が社長さんにお話ししたのは、汎用システム(ウィンドウズサーバとパッケージソフト)を利用すればコストは半分以下になる一方で、業務の流れをパッケージソフトに合わせていく必要もあるよ、といったことをお話ししました。また、汎用システムだと、「あんな事」や「こんな事」も比較的簡単に実現できますよ、といったこともお話ししました。結局、コストのことは勿論、システムリプレイスに併せて業務も改善していくこと、さらには、「あんな事」や「こんな事」に社長さんは大乗り気で、私も、システム導入のお手伝いをすることになりました。

元々、オフコンを使って業務は問題なく動いていたので、システム導入する時に中小企業にありがちな「一からの業務手順検討」もなく、適切なシステムを選定し、業務フローやデータフローを選定したパッケージソフトに合わせて手直しし、どうしても適合しない部分はカスタマイズやオフィスアプリケーションで解決する手法で行けそうだと思っていました。ところが、プロジェクト立ち上げのための最初のミーティングから雲行きはおかしくなってきました。社長さんに、会社側のプロジェクトリーダーの人選をお願いしておいたのですが、会社側の答えは「適任者無し」だったのです。社長さん、会社側の責任者無しでIT導入するのはキツイッスよ。

局、社長さんの強いお願いに負けて(また、この社長さんが凄くいい人で)、私が極力カバーすることとなりました。結果的には、データ移行や立ち上げに若干時間はかかった物の、有名パッケージメーカーの基幹業務ソフト(ERP)システムは無事立ち上がり、某県でIT経営のモデルとして表彰もしていただきました。しかし、契約終了後1月ほどして社長さんから電話が・・・。
やはり、社内にプロジェクトリーダーがいないので、運用につまずいたり、業務フローの適合性に問題があったり。今も連絡を取りながら、様々な「問題解決」のお手伝いをさせていただいています。

また、B社と同時期にIT導入の相談を受けていたC社は売上10億円以上の貿易商社。C社では営業部門の責任者のHさんと、管理部門の責任者のKさんにプロジェクトリーダーになっていただき、パッケージの導入は比較的すんなりと進みました。ところが、システム立ち上げ後、営業責任者のHさんが退職してしまったのです。一体どうなってしまうのでしょう?
現在、管理部門では、パッケージソフトとオフィスアプリケーションは大きな問題もなく稼働し、次の段階をにらんでいます。一方、営業部門は、Hさんの抜けた穴を埋めるため、社長さんの陣頭指揮の下、残った従業員一丸となって、ようやく業務が落ち着きを見せ始めました。これから、改めて、既に導入済みの業務システムの立ち上げや情報共有、ファイル管理などの問題を解決していかなければなりません。プロジェクトリーダーが抜けたために、1年近い遅れが出てしまいました。

わたしも、この二件の導入をとおして、改めて、社内のリーダーの重要性を思い知りました。中小企業でのIT導入や経営改善は、どうしても外部専門家やITベンダさん任せになりがちですが、やはり「主役」は会社であることを忘れてはいけませんね。
幸い、私はというと、B社にもC社にも、何かとお声をかけていただき、今も、様々な支援をさせていただいています。
さあ、またB社からヘルプです。社内リーダーに成り代わり、事務員さん達やパートさん達のもとへと、問題解決に行ってきます。

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