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第1回失敗は成功の基

皆さん始めまして。4月から3ヶ月間、コラムを担当することになりました、岡崎です。表題にあります通り、私は、税理士業の傍らITコーディネータとして、特に中小企業を中心に、セミナーやシステム導入支援、業務改善プロジェクトなどで、日々駆け回っています。そして、全国IT推進研究会は、そんな税理士でありITコーディネータの集まりです。

さて、今回は、そんな私がITコーディネータとして経験した様々なIT導入や各種コンサルティングの経験からお話をさせていただきます。ただし、せっかくの機会なので、今回はIT導入が上手くいった話ではなく、あまり上手くいかなかったお話をさせていただきたいと思います。・・・だって、「失敗談」の方がおもしろいでしょ?

さて、早速、失敗談です。相談者Aさんは、卸業にあたる業者さんで、年間売上高は数億円、経常利益は1~2千万円ほどの方です。当時、売り先が5~10件ほど、仕入れ先が20~30件ほどでした。相談当時は開業後1年ほどで、経理・事務を担当する奥さんとお二人で業務を行っていました。

そんなAさんの相談内容は一からのコンピュータ導入でした。当時、会計帳簿から売上管理、仕入管理を手書きの帳簿で奥さんが管理し、在庫をAさんがノートに付けて管理していました。まあ、我々ITコーディネータにとっては、まさに「一寸相談」といえる規模・内容の相談でした。業務内容や商品の特殊性、売り先・買い先の特徴などを一通り聞いた後、実際の手書きの帳簿類を見させていただき、やはりIT導入自体はサーバなどの導入も必要なく、PC1台で終わる、「一寸相談」くらいだな、と判断しました。唯一の心配は、Aさん夫婦は今まで、PCを持ったことが無く、最近、奥さんがPCの1日研修を受けたことがあるだけ、ということでしたが、奥さんがPCでの処理に乗り気であったこともあり、さほど心配しては居ませんでした。

実際の導入の段階にはいると、既に奥さんが、近所の家電屋さんでPCを買っていました。大手メーカーのいわゆる「お座敷パソコン」でした・・・。買う前に一言言って欲しかったのですが、ご本人はスッカリ「お気に入り」で、家電屋さんがセットアップからネット環境まで整えてくれてあったので、毎日、インターネットに繋いだりしていたようです。買ったのは良いけど、ほこりをかぶっているPCが多い中、「まあ、結果的には良かったかな」と思いました。今回の相談は、導入は極々容易で小規模、一番の心配は、「ユーザーがPCを使いこなせるか」でしたから、既に問題は解決したのも同然でした。

PCは既に導入され、ユーザーもPCに慣れつつあったので、後は、業務に必要なアプリケーションを立ち上げ、使ってもらうだけです。業務内容は若干特殊なところもありましたが、通常の業務アプリケーションで充分カバーできそうでした。足りない部分をMS-Officeでまかなうこととし、必要な部分の定義づけも終わりました。業務アプリケーションの立ち上げ時には、やはり、ユーザーの経験不足もありましたが、近くに住む娘さんも手伝いに来てくれたので、スムーズに運びました。業務も拡大していたため、この娘さんはAさんの事業所のパートとして働くことになり、さらにスムーズに導入は進み、数ヶ月後には、完全に、業務処理のシステム化は完了しました。

さて、Aさんの件についてはスッカリ安心していた私が、数ヶ月後、業務システムの稼働状況を確認に行くと、システムは問題なく動いています。私も「ホッ」としながら、いくつか質問をしていると、途中で、奥さんが「それについては・・・、エーと」と言いながら、「手書きの帳簿」を見始めました!

勿論、移行期はPCと手書きは併存します。そして、業務システムへの移行に問題がなければ、完全に切り替わります。そして、この時の訪問は、既に、移行に問題ないことが確認でき、最終的な確認にお邪魔したときでした。

「何故?」勿論私は聞きます。システムは完全に稼働して数ヶ月は経っていますからね。

「だって・・・」奥さんの答えは続きます。「手書きの帳簿を止めてしまったら、私の仕事が無くなって、給料下げられます!」。

「・・・PCで、管理するのは遊びじゃなくって、仕事なんですよぉ!!」

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