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第3回 IT化と経営

皆さんこんにちは、全国IT推進研究会の村瀬です。第2回は、ビジネスモデルに対するソリューションとしての「IT」について、コンビニとホームセンターの例をお話ししました。そして、ITというのは、「矛盾」を解決するソリューションとしてあるはずだ、と申し上げました。では、そのようなソリューションとしてのIT化はどのようなシステムになるのでしょうか。

 ソリューションとは、通常日本語の意味としては、「問題を解決すること、問題を解決する解答や方法」などど説明されます。そうです、「問題」が解決されなければならないのです。「問題」が解決されるとはどういうことでしょうか。一般的には、問題が解決されるためには一定のプロセスが必要なはずです。すなわち、①現状を認識し、②問題点を分析し③対応策を検討する。あたりまえの話なのですが、このあたり前のプロセスを実行することができるようなシステムであれば良いわけです。

 現状を認識し、問題点を分析するためには何が必要でしょうか。それは、データの蓄積です。それがどのような分野であれ、元になるデータがあって、それが蓄積されていなければなりません。しかもそれは、分析できる利用可能な形で蓄積されていなければなりません。データを分類し、整理して蓄積する。すなわち、「データベース」化されていなければなりません。

 問題点を認識するためには、蓄積されたデータを分析しなければなりませんが、そうした情報は広く構成員が認識しなければなりません、すなわち、情報は「共有」されなければなりません。

 情報を共有するためには、システムとしては「ネットワーク化」されることを意味します。最近では「IT」ではなく、「ITC」という用語が使われているとおり、LANやインターネットといった通信系の技術の発達と低価格化はめざましいものがあります。

 情報共有には情報を公開しなければならないのですが、一方で個人情報保護法が施行されて以来、一時の騒ぎは収まってきたとはいえ、いまだに情報の流出、紛失事件は絶えません。また、SOX法なるあらたな難問も加わります。社内情報の取り扱いについて、気を遣わざるをえません。すなわち、適切な「内部統制」が行われなければなりません。これは、情報へのアクセスを管理しなければならないことを意味します。

 以上のような点をふまえると、システム的には、クライアント-サーバー型のシステムを導入せざるをえないと思われます。
情報システムを導入すると一般的に次のような利点があるとされています。
①データの処理がシステム化されるので、処理に一貫性を保つことができる。
②大量の情報を扱う場合でも、高速・正確に処理される。
③情報をそのまま再利用できる
④情報を集中管理するので、文書等の一元管理が可能。
⑤パスワードや暗号化・アクセス権限などにより、セキュリティを強化できる。
このような情報システムの利点をフルに活用し、先にお話ししたような「ソリューションとしてのIT」を実現するためには、サーバーの導入は避けて通れません。
幸いなことに、スモールビジネスサーバーなど、低価格なインフラがパッケージで提供されていますので、中小零細企業でも十分に導入可能となってきています。

 ここで、第1回の時にもお話しした、業務システムのことを思い出してください。どのようなシステムでしたでしょうか。財務管理・販売管理・人事労務管理・在庫管理などのパッケージソフトがスタンドアロンのシステムとして動いていました。そして、それらはどちらかというと、自動集計+清書マシンとして利用されていました。これらの個別のシステムをクライアント-サーバー型のシステムに進化させる必要があります。

 この場合に、気をつけなければならないのは、単純にハード的にネットワークで繋げばよいと言うことでは無い点です。何度も言っているように、「ソリューション」としてのITでなければなりません。

 私は本業が税理士ですので、財務管理について言うとこういうことです。経理担当者の方々を見ていると、自分の職務について何か誤解をしているのではないかと思うことがあります。経理の担当者は何も出納帳を書いて現金預金をあわせたり、小切手や手形の管理をするだけが仕事ではありません。財務管理システムにデータを入力するということは、最終的に月次の試算表となり、経営者に業績の結果を知らせるという重要な役割があるのです。したがって、単に出納帳の入力をするのではなく、管理会計的なセンスをもって予算実績管理をしなければなりません。そして、このデータが販売管理や在庫管理と連携していなければならないのです。繰り返すと、経理担当者の仕事は、帳簿を付けることだけではありません。経営者の意志決定に役立つ業績管理情報を報告しなければならないのです。
そしてこのことは、目標設定や予算管理などを通じて、経営計画そのものに反映されるのです。

 おわかりいただけますでしょうか。ぜひ、クライアント-サーバー型のシステムの導入を検討してください。最近は、グループウェアなどの種類も豊富になり、全社的な業務システム構築が導入しやすくなっています。中小零細企業のIT化は、もう一段のレベルアップをしなければなりません。自社のビジネスモデルとは何かを考えるのにも、良いチャンスになると思います。

 では、最後にお聞きします。あなたの会社のITシステムは、意志決定に役立ってますか?

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