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第2回 管理会計の発想を会社にとりいれるには?

コラム・連載

こんにちは、会計人IT コーディネーターの前澤三恵です。
前回は、経営を会計に活かす為には、税務署や銀行に提出する為の決算書に加えて、そこで見つけた問題点を深く掘り下げるための管理会計をとりいれると良いというお話を差し上げました。
第2回目は、管理会計の仕組みを実際に会社内に取り入れるためのヒントについてお話したいと思います。

管理会計を会社内にとりいれようというと、「管理会計のソフトを導入すればいいの?」ということになります。WEBで検索すれば、たくさんの管理会計ソフトが販売されており、値段も本当にピンからキリまで、いったいどうしたらいいのか迷われることと思います。
管理会計、例えば損益分岐点分析や部門別試算表、商品別利益率などたくさんの仕組みがあり、それをすべて取り入れていては、本業に取り組む時間がなくなってしまうかもしれませんね。
残念ながら、最初の意気込みと反比例して塩漬けになってしまったソフトウェアは数知れません。
計画倒れにならないためにも、自社にとって一番必要な仕組みはなにか?を考えていただく必要があります。

例えば、卸売業でこんな例がありました。
そちらの会社では、利益率の低下に悩まされていました。
売上はなんとか確保できているものの、特に期末直前になるとどんどん利益率が悪くなる。
原因をさぐると、それは、売上予算にありました。
売上予算を達成する為に、値下げが横行し、それが利益を圧迫していたのです。
その為、粗利(売上からそれにかかる仕入を引いたもの)を予算にして、それを目標値とすることにしましたが、粗利って、売上と違い達成できているのか出来ていないのか自分で把握しにくいですよね。
いまいち、わかりにくいと社員の方に不評でした。
そこで考え出したのが、次のような方法です。
模造紙に担当者別の粗利予算を縦の棒を記入します。
毎日、契約が取れるたびに売上と仕入原価の伝票を営業のアシスタントに渡し、アシスタントが色紙で現在の粗利と売上を予算の横に貼り付けるのです。
小さい事業所で目につくところに色づけされて成績表が貼り出されると、毎日、意識せざるをえなく、とても効果的だったとのことです。

さて、この方法がすべての業種に効果的だとはいえません。
企業の仕組みというのは本当に千差万別で、毎日売上が上がる企業から、年間の売上が一ヶ月で上がってしまう企業もある。また、仕入原価の管理が重要な会社もあれば、社員の時間採算の管理が重要な会社もあります。
重要なのは、自社の経営において、もっとも重要な指標は何かをさぐり、その指標を算出し、対処するための行動に移す為にもっとも効果が高い仕組みは、どんなものかを考え一つずつ取り入れていくということです。
例えば、販売管理費の削減が重要なテーマなら、コピー機に「白黒1枚5円、カラー一枚40円」という張り紙をしただけで、トナーやカウンター代が削減できたという企業もあります。これだって立派な管理会計です。

また、今お使いの会計ソフトに少し手を加えて管理会計の仕組みを作るというやりかたも有効です。例えば、科目に補助をいれる、部門を設定してみるなど、最近の会計ソフトは安価でかつ高機能なので、運用の工夫次第では結構高度なことも可能です。
下記のようなサイトを参考にされると良いでしょう。
※「会計ソフトで管理会計を行うための注意点とは?」

会計ソフトだけでは物足りない、しかし、高価なパッケージソフトを購入するのは二の足を踏むという方には、最近話題のSaaSなどをご利用されるという手もあります。
「SaaS? なんのこっちゃ?」という方も多いのではないでしょうか?
大体、読めないですよね。サーズと読むのだそうです。
software as a service の略語で、通常のパッケージソフトはソフトを丸ごと買って、会社のパソコンやサーバーにインストールする仕組みなのに対して、SaaSは、インターネットを通じて、ソフトウェアを利用する仕組みになっておりまして、安価な導入が可能なのが特徴です。インターネットの回線が早くなってきているので、今後、こういったサービスの提供をする会社がどんどん増えてくると思います。
どんなソフトがあるのか興味のある方は、下記のサイトを参考にしてみてくださいね。
※ASP/SaaSサービスの導入・比較・検討ポータルサイト

さて、最後に。
管理会計でもっとも重要なのは、アクションつまり行動です。
どんなに正確でどんなに迅速な分析ができても、それに対処する行動がとれなくては全く意味がありません。
その行動をとるのは、もちろん経営者である場合もありますし、一人ひとりの社員である場合もあります。
次回は、一人ひとりの社員が経営者の意識をもって行動する仕組み「オープンブックマネジメント」についてお話しようと思います。  

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