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第1回 管理会計について

はじめまして。
税理士でITコーディネータの前澤 三恵 です。

このたび、3回にわたり、経営とITについて、コラムを書く機会をいただきましたので、「会計を経営に活かす! 」というテーマで、会計について、経営について、そしてそれをつなぐITについてお話できればと思いますので、よろしくお願いいたします。

「会計を経営に活かす」この当たり前のようなことが、案外当たり前ではないのだということに気がついたのは、会計ソフトの導入支援をした会社の社長さんより、ある疑問をぶつけられたからです。
5年ほど前からでしょうか、市販の会計ソフトの機能がアップしましたので、一般の中小企業でも手軽に会計ソフトの導入が可能になりました。私のお客様の多くが会計ソフトの導入をされるようになり、その際によく受けたのがこんな疑問です。
「会計ソフトを入れたおかげで、確かに早く試算表を作れるようになったけど、いまだにどう使っていいかわからないのだけど。。。」

会計ソフトを導入される際に、一般に期待されることは、
「早い」、「安い」、「うまい」の3つです。
つまり
・会計情報が早く受け取れる
・記帳業務の軽減によるコスト削減できる
・会計情報を経営にうまく活かすことが可能になる
こと。ちょっとこじつけかしら?

このうち、「早い」と「安い」は実現されることが多いです。
記帳業務の軽減は確かに実現されるでしょうし、会計情報が早く受け取れます。
しかし、それを経営に活かすことは、単に会計ソフトを導入するだけではむずかしいケースが多いです。
会計を経営に活かすというのは、会計を羅針盤にして、問題の発見、問題の解決や新たなビジネスの開発に活かすことです。そしてそれは、IT導入だけではない「仕組みづくり」が重要になってくるのです。

【試算表を見て、問題の原因を指摘できますか】

試算表を見て、問題点を指摘できますか?
この質問に、YESと答えられる方は結構多いのではないかと思います。

それでは、試算表を見て、問題の原因を指摘することができますか?
この質問にYESと答えられる方はそうそういらっしゃらないのではないかと思います。

これは、実は、経営者の方が勉強不足なのではなく、試算表だけでは会計情報として、不足していることなのです。
税理士から、試算表の説明を受けても、「なんだかいまいち実感と違うなぁ」とか「実際の業務との関係がわからないなぁ」などと思われることはないでしょうか?
これは、実は結構当然のことで、月次試算表というのは実は経営のためにあるのではないのです。
税務署や銀行といった外部の方に、法律にもとづいて公表することを目的として作成されています。これを制度会計などと呼ぶことがあります。

もしも、経営のために会計を使いたいのであれば、そのための会計制度を会社に導入しなくてはなりません。これを管理会計などと呼ぶことがあります。

制度会計と管理会計、どんなところが違ってくるか例を出してお話しましょう。
例えば、デザイン会社を経営されているとしましょう。
デザインという仕事は、値段を決めるのが難しい業種といえます。
パソコンの値段であれば、安い高いの判断は誰でも出来ますが、デザインの値段って安いのか高いのか比較が難しい。ですから、つい値下げに応じてしまって、利益がなくなってしまうことも少なくありません。

試算表をみて、売上に対して人件費が高くなっているとします。
この原因をさぐるのが管理会計です。
例えば、顧客ごとの採算性を算出することが必要になるかもしれません。
顧客ごとに費やした時間を管理し、顧客ごとの人件費を算出して、採算がとれているかどうかを判定する、このような仕組みが管理会計なのです。
そして、この結果を元に、どんな選択肢を採っていくのかを考えるのが、会計を経営に取り入れるということです。

次回は、「管理会計の発想を会社にとりいれるには?」と題して、管理会計の仕組みづくりについてお話したいと思います。

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