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第2回 システムはヒトが考える以上のことはできない

システムはヒトが考える以上のことはできない

 いまでも雑誌などでは、「動かないシステム」に関する特集が組まれています。

 どのようなシステムにするかは、それを活用する人や組織が決めることです。

 前回の最後にお願いした、「お金を残す」ために、「自社の強みは何なのか?」「それを支えているものは何なのか?」「それを活かすためにはどのような業務の仕組みが必要なのか?」「そこにどう資源を集中するのか?」を考えてみていただけたでしょうか?

 この問いにキチンと答えていないシステム構築は、「動かないシステム」の事例になるだけです。

 会計パッケージソフトを導入する場合でも、自社の業務特性を把握しておく必要があります。

 基本的に会計業務の成果物は、標準化されています。しかし、分散入力をするのか?予算管理や部門管理などの管理会計は実施するのか?などの処理内容で、各ソフトの得手不得手が出ます。

 まずは、組織が「やりたいこと」(今やっていることではありません。業務を見直し整理した上でのものです。)をはっきりと決めて、それを実行できるソフトを選択することです。いくら安くてもソフトが「できること」が「やりたいこと」と適合していなければ、時間と金の無駄になります。

 最悪なのは「途中から気が変わること」です。例えば、売上を補助コードで管理するつもりだったのが、導入作業の途中で主コード管理に変更するような場合です。コード桁数の変更が必要になるかもしれません。管理会計の設定に影響が出る可能性もあります。

 商品管理でも、棚卸資産のコード体系決定で同様の問題が発生する場合があります。

 経営トップが突然「こんな帳票ができないか?」と言った途端に、開発費用と納期が大きくかわってしまったケースもあります。

 経営者の考えが開発者にうまく伝わらないこともあります。

 卸業の販売系システム開発でのことです。メーカーからの仕入リベートの処理が問題になったことがあります。

 ベンダー開発担当者は簿記の基本通り、買掛金の減額処理を考えていました。しかし、会社側は仕入リベートは、対象商品を顧客に販売した営業マンの成績として、各人の売上とひも付きで管理したいとの考えでした。販売系と経理系の処理について両者が理解、納得するまで意外なほど時間がかかってしまいました。

 システムはヒトが考えて決めた以上のことはできません。また一度決まったことを変更するためには、相応の時間と金がかかります。

 「やりたいこと」を整理し共有することがIT化の第一歩です。また、これによりシステム投資をしなくとも済む業務効率化の要点が発見できるのです。

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