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第 3 回 「会計の便利な道具を使いこなす」

○はじめに

私の事務所では、西暦 2,000 年より関与先企業への市販の会計ソフト導入のサポートを始めました。現在、法人企業の約 8
割のお客様が会計ソフトを使用しています。会計ソフトを導入したお客様とは、通信で会計データをキャッチボールしています。今では、会社で作った会計データと同じデータを私の事務所で、もう一度入力作業をするような二重作業を完全に排除できました。

事務所内でのデータ入力作業が少なくなった分、会計データの解説や、経営計画の作成等の業務に時間を割いています。

また、会計ソフト導入企業においても、経理・会計業務の著しい効率化が図れています。経理業務を作業から、データを読む、データを活用する事にシフト出来たと感じています。会計の便利な道具「会計ソフト」は、中小零細企業においても取り組みやすく十分に効果の上がる、IT
化の一つだと確信しています。

実際に会計ソフトを使っておられる方に、お話をお聞きしました。

●1. A 鉄工

A 鉄工は創業 50 年余り、平成 12
年に経理を担当されていたお母様が亡くなられ、お母様の業務を娘さんである現社長の奥様が、急遽担当されることになったのです。私どもは、現社長の奥様が経理担当をされることになった時から、A
鉄工に関与させていただいています。A 鉄工では、経理を担当されている奥様へインタビューをしました。

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― Q.1 : 会計ソフト導入のきっかけは何ですか。

今から約 10 年前、北畑先生(北畑会計事務所) にお世話なったのをきっかけに、会計ソフトを利用することになりました。

― Q.2 : 会計ソフト導入当時を振り返って、感想をお聞かせください。

経理担当の母が亡くなったため、否応なく経理業務を担当しなければならなくなりましたが、母より業務の引継ぎも十分でなく、経理の知識も経験も全くない状態でした。不安だらけの状況で会計ソフトを使って経理業務を行うことになったのですが、使ってみると振替伝票を作らなくても良く、数字を入れるだけで業務がほぼ完結する状態だったので、大変助かりました。

― Q.3 : 会計ソフト導入が成功した要因は何でしたか。

会社の取引の多くは毎月同じことを繰り返していますが、その経理取引のパターンを会計事務所の方に作っていただいた事と、北畑先生の強い勧めで、会計ソフト導入と同時に手書きの帳簿を完全にやめた、二重の作業をしなかった事が大きいと思います。

― Q.4 : 10 年間使っての感想をいくつかお聞かせください。

1 つ目は、入力さえ間違いがなければ、計算が自動なのでミスが無くなります。
2
つ目は、一か所への入力で他の帳簿にも自動転記されるので、作業の効率化が図れます。
3
つ目は、毎月発生する取引をあらかじめ登録できるので、ワンクリックで取引を登録できます。
4
つ目、会計ソフトの付箋機能には驚きました。不明な取引は、とりあえず登録し付箋を付けておくと会計事務所で訂正してくれますので、遅れずに試算表が出来上がります。
5
つ目は、会計事務所の方から試算表の解説を多くしていただいています。お陰で、数字による会社の状態をタイムリーに把握できています。

●2. B 運送

B 運送は、私どもが関与させていただいて約 5
年で、当初から会計ソフトの導入を始めました。また、愛知県にある関連会社も同様に、会計ソフトを使ったサポートを行っています。B 運送では、C 社長と経理担当の D
さんにインタビューをしました。

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― Q.1 : C 社長、会計ソフト導入の感想をお聞かせください。

通信でデータのやり取りを行うので、会社と会計事務所の距離が無くなったと感じています。トラブル時は、パソコンを会計事務所より遠隔操作で即時の対応をしてもらえるので助かっています。データ通信でのやり取りとトラブル時の会計事務所によるパソコンの遠隔操作によって、愛知県の子会社も和歌山県の本社のようにサポートしてもらっています。

― Q.2 : 経理担当の D さんの感想をお聞かせください。

私は、昨年の 6 月より経理を担当しています。会計ソフトは、操作が簡単でわかり易いと感じています。

― Q.3 : どのようなところがわかり易いと感じていますか。

前月に入力したデータをコピーして利用できることや、あらかじめ作成されている取引パターンを使うことにより、データの入力時にあまり考えなくて業務が出来るからです。給与ソフトも操作が簡単です。今後の課題は、給与ソフトより給与の仕訳を自動作成し、会計に自動転送できるように設定する事です。設定さえできれば簡単に出来ると考えています。

● 3. 和歌山アゼリアロータリクラブ

次にご紹介する和歌山アゼリアロータリクラブは、和歌山市で 9 番目に出来たロータリークラブ (以下、RC と言います) で、会員 50
名弱、会員の約半数は女性であるのが特徴です。今年度の会計を私が務めておりますが、会社ではなく、事務所のお客様ではないので、通信によるデータのやり取りは行っていません。

導入は今年の 7 月 1 日より、私が事務局に 3 回訪問し、事務局員の E
さんに直接指導しました。いわば、「導入ほやほや」の状態です。ほやほやの事務局員の E さんにインタビューをしました。

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― Q.1 : 会計ソフト導入前は、どのようにして業務をされていましたか。

RC では、多くの会計があります。会計ソフト導入前は、6 冊の手書の帳簿を作成し、パソコンで 5 つのエクセルの表を作成していました。

― Q.2 : 現在、業務はどのようにされていますか。

全ての会計を会計ソフトで処理しています。日常の処理で、手書きの帳簿を作成することはなくなりました。また、会計データをエクセルに変換し、加工したりして、必要な資料を作成しています。

― Q.3 : 会計業務の作業時間は、どのように変わりましたか。

以前は、日常の会計業務にかける時間が、週 0.5 時間 × 4 = 2 時間。そして、月次試算表作成に 12 時間。したがって、会計業務に月 14
時間かかっていました。

今では、月次試算表はデータさえ入力されていればすぐに印刷できますので、一か月に会計業務にかける時間は 2 ~ 3 時間です。月 10
時間以上の短縮が図れました。

日常業務では大幅な効率化が図れました。決算業務も大幅な効率化が図れそうです。

○最後に

10
年前、パソコンを触った事のない経理担当者が、会計ソフトの利用がきっかけで、インターネット・、メール、エクセル等も使えるようになったことがありました。また、会社設立当初より社長自らが会計ソフトを導入した企業では、設立後
10 年たち従業員が 50
名近くになった今でも、多忙にもかかわらず、社長自ら会計ソフトを操作しています。まだまだ、紹介したい導入事例は沢山ありますが、ご紹介できないのが残念です。

会計ソフトは中小零細企業にとっても、取り組みやすく十分に効果の期待できる IT
化の一つです。便利な道具「会計ソフト」を使いこなすことにより、会計業務に追われることから、会計を使いこなす事が可能となり、経営のための次の一手を考える事が出来るようになります。

会計の便利な道具「会計ソフト」を IT 化の一歩として経営に活用してください。

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