地域や企業にデジタルトランスフォーメーションを実現するための情報をお届けします

第 2 回 「会計の便利な道具」

○はじめに

会計人・ITコーディネータである私にとって、中小企業の IT 化促進の得意分野は、やはり、会計ソフトの導入指導です。

現在は、会計ソフトの導入を積極的に進めている私ですが、実は 10
年以上前はそうではありませんでした。10年以上前までは、「中小企業が会計ソフトの導入を進めると、会計事務所の主要な業務である記帳代行業務がなくなる。会計ソフトは、会計事務所にとって脅威だ」と考えていました。

当時は、Windows 3.1 の発売、それに続く Windows 95 の発売、パソコン本体の低価格化、さらに業務ソフト (会計ソフトを含む)
の充実と低価格化が進みつつありました。そのため、小さな事業所であってもパソコンと会計ソフトを利用できる環境が出来つつある時でした。

家電量販店で様々な業務ソフトメーカーの会計ソフトが並んでいるのを見かけると、こんなに安い会計ソフトを事業所がどんどん導入していくと、税理士業界の主要業務である記帳代行業務がなくなると感じ、いつも「ドキリ!
」としていたものです。

現に、私どもの事務所の関与先企業でも、会計ソフトを導入し、社内で経理業務を行うお客様が現れてきました。当時、その様なお客様には、会社で処理されたデータを振替伝票の形式で出力していただき、私どもの事務所で、その振替伝票に基づきデータ入力をしました。つまり、会社で作った会計データと同じデータを、私どもの事務所でもう一度入力作業をして作成することになってしまったのです。同じ作業を二度行っていたのです。二重作業は無駄な業務です。本来不必要な業務です。二重作業を行うことに、私は矛盾を感じていました。そして、インターネットで会計ソフトに関する
Web サイトを検索し、この矛盾解消の答えを見つけたのでした。ある Web サイトで、「アメリカでは、CPA (会計士)
が、企業にパソコン会計ソフトの導入を指導している。」と書いているのを見つけた時、私も、便利な道具である会計ソフトを進めていく立場になろうと思いました。それ以来、迷うことなく積極的に会計ソフト導入のお手伝いをしています。

会計ソフト導入支援を始めて 10 年超、今では私は「技術の進歩の結果、安価になったパソコンと業務ソフト (会計ソフト)
が事業所にどんどん導入されていくのが、時代の流れであり、世の中の進歩である、止める事は出来ない。新しい便利な道具 (IT 化)
を企業が使っていくのが正しい企業の姿だ。」と確信しています。

○手作業と会計ソフトの利用の場合の違い

手作業の場合、会計ソフトを利用した場合の作業の流れを簡単に示すと、以下の図のようになります。

column2_img1.jpg



















手作業では、転記や計算の繰り返しで、作業ステップが多くなります。

  • 会計ソフトを利用すると、作業が簡単になり、次のような効果があります。
  • ★ 取引が自動的に整理されるので、帳簿の作成が簡単。
  • ★ 転記や集計が不要なので、作業が大幅に省力化でき時間短縮がはかれる。
  • ★ 集計作業は自動処理化されるため、取引訂正時の再計算が不必要。
  • ★ 最近は、給与ソフトや販売ソフトのデータの連動が進んでおり、会計データとの連動により大幅な事務効率の低減をはかることができる。
  • ★ 最新データに基づいて、いつでも試算表などの経営資料を確認できる。

○会計ソフトの進化

上記のようなメリットがあるのですが、私が会計ソフトを積極的に進める理由は、会計ソフトの進化にあります。現在の会計ソフトは、最初の設定さえうまくできれば、簿記の知識がない方でも、試算表の作成まで出来るようになります。いわば、会計が専門家
(簿記の知識がある人) だけの業務でなくなり、誰でも出来る業務になってきたのです。

多くの会社の取引は、以下のような事が当てはまる事が多いのです。
★毎月決まった得意先に販売している。
★毎月決まった仕入先より仕入れている。
★毎月決まった取引先より物を買ったりサービスを受けたりしている。
★毎月決まったところに地代や家賃を払っている。
★毎月決まった銀行に借入金の返済をしいる。   等々

つまり会社の取引の 90% 近くは、毎月同じことを繰り返しているのです。

毎月繰り返される取引パターンをあらかじめ登録するのです。取引パターンが登録されていると、会計取引ごとに新たに仕訳を作成する必要がなくなり、そのパターンを選択するだけで、会計処理が出来るようになります。その結果、会計処理の時間を大幅に短縮することが出来るようになり、簿記の知識がない方でも、会計処理が可能となるのです。
つまり、会計処理作業の効率化と大衆化
(誰にでも出来る) が実現できるのです。

○会計帳簿は会社の日記帳

私は日記を付けていませんが、「日記を付けると自分の成長につながる。とにかく毎日日記を付ける事を心がける、気分が乗らない日は一行で済ます。過去の日記を読み返すと、自分でも気付かないうちに同じ失敗を繰り返している。それが自分の弱点なので、その事を改善すれば自分の成長につながる。」と日記を永らく付けている方より聞いたことがあります。非常に納得できる話です。

私は、「会計帳簿は会社の日記だ」と思います。個人と同じように、会社が成長するために毎日記録を付け、振り返り、弱点を克服することが欠かせません。会計帳簿を毎日、簡単に付けるために、会計ソフトは威力を発揮します。

日記も会計帳簿もただ付ける事が目的ではありません、記録を振り返り、成長につなげる事が目的です。企業経営者の皆様には、自分自身の成長のために日記を毎日付け、会社の成長のために会計ソフトを利用して会社を振り返り、会社の成長に役立てて頂きたいものです。

SNSでフォローする

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA