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最近の地方での事業再生の現状と人手不足

社のクライアントの多くが、人手不足による売上不振になっています。特に首都圏を除くクライアントのすべてに人手不足に陥っています。元々経営不振企業だったのですが・・・より一層厳しくなっているのが現状です。

仕事はあるが、人がいない。従って、売上╱利益が上がらない。極めつけは、同業他社からの人材引抜きに遭い、売上が減少する始末です。最近ではどこでも聞くフレーズになりましたが、地方では相当に人材不足で苦労しています。

事業再生のコンサル現場も金繰りから人繰りに変化してきています。生産年齢人口(15~64歳)は1997年を境に減少を続け、2018年には全人口の60%を下回る結果となった一方で、2019年5月の有効求人倍率は(パート含む)は、全産業で1.62倍となりました。

2018年12月の入国管理法が改正により新たな在留資格「特定技能」ビザもできました。従来からの在留資格「技能実習生」も増加し続けています。

法改正に伴い、当社も有料職業紹介事業許可・「特定技能」登録支援機関としてライセンス取得しクライアントの要望に何とか対応しています。

警備会社(隊員数25名)の事例

当社顧客の警備会社は、ここ数年募集しても人が集まらない状況が続き、現状人員を維持するのがやっとの状況でした。年に100万円程度の募集コストをかけたものの成果が上がりません。

売上は横ばい、人員維持コスト増加で毎年厳しくなり、募集を止めました。

元々業績不振のため、求人時の給与も大幅に上げることが出来ないのも原因です。

まさしく悪循環です。建設土木の現場での警備などは建設関係にもなるのですが、警備業での就労ビザや在留資格はないので外国人労働者の採用は出来ません。日本語のできる留学生などはアルバイトとして採用対象になるのですが、地方にはそのような留学生はなかなか見つからないのが現状です。

再生シナリオを描くにもこれ以上のコストダウンはお葬式(倒産状態)になりかねないので、苦肉の策を考えました。

この警備会社の顧客は建設土木関係の会社なので、当然人手不足で苦労されています。同じ顧客へ違うサービスということで建設経験者の社員(日本人)を選抜し、外国人労働者を雇用して簡易な工事の請負を始めました。まずまずの滑り出しです。

しかしこれからが今後の地方の大きな問題点です。地方の求人時の基本給は15万~16万位が比較的多い現状です。新しい「特定技能」ビザや「技術・人文・国際業務」ビザは、日本人と同等以上の給与が条件になっています。またこの就労者は転職が可能です。

首都圏及び地方都市での求人の基本給を比較するまでもありませんが、日本語が上手になってきた外国人労働者はインターネットやSNSで情報収集を行い、やがて給与の高いところに転職をする可能性が非常に高いので継続雇用という点が大きな課題になります。

最近ベトナムの送出し機関から、「その給与(特定技能15~16万)では集まらないよ!」と言われ、送り出しを断られました。

(エンジニアは18万以上でないとビザが出ません)

また今年からは、働き方改革も中小零細企業再生の現場では足かせになります。

地銀・信金・信組などの合併再編も加速するのでしょうが、中小零細企業の大きな意味でのM&Aも今まで以上に盛んになることでしょう。

事業再生指導や人材確保支援など少しでも多くの中小零細企業の経営者支援をできるよう努めたいと思います。

執筆者

NPO首都圏事業支援機構 理事
株式会社FGグループ 代表
吉野 兼司氏
1965年生まれ。埼玉県出身。平成14年5月より企業/事業再生・FCコンサルティングを開始。平成18年より小売店舗20店舗を展開、平成21年9月中小企業に特化した事業再生FGグループを設立。豊富な実績と経験を活かし、全国の中小企業の事業再生に日々取り組んでいる。JSK事業戦略研究会 会員、NPO法人首都圏事業支援機構 会員

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