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第二会社方式での留意点

企業の再生を進めるに当たり、再生スキームとして第二会社方式が多く使われています。第二会社方式は財務状況が悪化している中小企業の収益性のある事業を会社分割や事業譲渡により切り離し、他の事業者(第二会社)に承継させ、また、不採算部門や過剰債務は旧会社に残し、特別清算等をすることにより事業の再生を図る方式です。


改正産活法で許可の承継は認められたが・・・
  

事業渡や会社分割で別会社に事業を移管したからといってそれで手続きが終わりではありません。許可業種であれば、許可の継続の問題があります。許可にもよりますが、基本的には法人格が別になるため許可の再取得を求められるケースが多いです。会社分割の際に許可の所管官庁へ取扱いを確認することが重要になります。例えば、建設業の場合第二会社方式の場合は、通常許可の承継は認められず、建設業許可を新会社で新たに取得する必要があります。許可の空白期間があると営業は原則継続できないので、許可の取得は事業の存続にかかわります。建設業の場合は、建設業許可がないと継続工事は続けられますが、新規受注はできません。

許可の継続性の問題に対処するために、2009年4月の産業活力再生特別措置法(産活法)が改正されました。新たに中小企業承継事業再生計画の認定制度が創設され、事業にかかわる許認可の承継、税負担の軽減低利融資等、第二会社方式が抱える課題を解決するための具体的な支援策が措置され、中小企業再生における第二会社方式の有効利用が制度的に後押しされることになりました。

この産活法改正から2年以上経過しましたが、産活法を活用し、第二会社方式で再生した例は数件とのことです。

なぜ、改正産活法は活用されないのでしょうか。その理由としては、手続きに手間と時間がかかることが考えられます。産活法の適用を受けるためには、中小企業の第二会社方式による再生計画(中小企業承継事業再生計画)の認定を受けることが要件になります。許可の承継の対応であれば、会社分割前に受け皿会社で許可を取得したうえで吸収分割すれば、産活法の適用を受けなくても新会社で許可は継続でき問題ありません。時間と手間をかけて、中小企業承継事業再生計画を策定して許可の継続必要もないのです。


許可以外の諸手続き

建設業の場合、許可の取得以外に、建設業経営審査事項(いわゆる経審)と各地方自治体に対しての入札参加資格の再申請を、分割に際してする必要があります。産活法では経審のポイントは引き継げることになっていますが、分割後に再度経審を受けたほうが会社にとってはプラスになります。国土交通省も建設業の事業再編は後押ししているため、営業年数、施工実績などは新会社にも引き継げ会社分割により財務体質が改善されるため経審のポイントは上がるからです。


会社分割するタイミングを間違うと・・・ 
   

この会社分割に伴う一連の手続きで注意しなければならないのは、会社分割の実施時期です。先ほどの経審のポイントについても、決算時期、分割時期、新会社の決算時期等により算定が異なります。分割前にポイントがどうなるか確認の上、実施することが重要です。

また、分割から経審の再申請、入札参加資格の申請まで3カ月から4カ月かかります。新設分割した場合は分割後に上記手続きの前に建設業許可を取得しなければなりませんから、許可の取得期間が約1カ月(知事許可)かかり、その分上記期間に加算されます。

この一連の手続きを行っている期間と、会社分割前1カ月は官庁工事を受注することはできません。

つまり、会社分割を行うことで、4カ月から6カ月間は官庁工事が受注できなくなります。官庁工事は1年間平準で発注されるわけではなく、発注時期に偏りがあります。発注が多い時期に会社分割をすると、官庁工事が受注できませんので新会社の受注計画がスタートで躓くことになります。発注が少ない時期に会社分割を行い、管轄による受注機会ロスを最小限に抑えることが肝要です。会社分割の時期としては、官庁工事の発注が少ない春先が最も適している時期だと思います。

このように、会社分割を実施するに当たっては、許認可やその後の必要な手続きを確認したうえで極力業務に支障がないタイミングで実施することが必要です。

株式会社フューチャーソリューションズ 

代表取締役 勘坂 剛正

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