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創業支援に関して思う事


さまざまな創業支援策

国や地方自治体が経済活性化策として、創業の促進のために様々な支援策を講じています。確かに、2009~2012年までの開業率が1.6%、廃業率が6.1%でしたのでこのままだと事業者数は減る一方ですし、地方ではさらに減少のスピードが速くなっています。さすがに政府もこれではまずいとし、様々な創業支援策を構築して創業を促進しています。その結果、2012~2014年では開業率4,6%、廃業率6,1%と開業率が大幅に向上しました。それでも、廃業率の方が多いのですが、効果はあると言えます。
創業支援策として行われたものとしては、創業補助金の交付、創業者向け融資、創業者が会社を設立する時の登録免許税の減免などがありました。その後、創業補助金は多くの創業者に交付されましたが、今年度は制度としてはあるものの採択されるのは相当に難しくなりました。
 一方で、創業者向け融資は日本政策金融公庫、銀行等の保証協会保証のいずれも借りやすくなっています。当初、自己資金は借入希望額と同額程度を求められていましたが、現在では自己資金が10%程度で残り90%の借入れ申し込みをした場合でも借り入れできる場合もあります。 

 
資金支援だけではなく
また、最近の支援策では創業予定者や創業間もない人向けのセミナー(創業塾)が増えています。私も複数の自治体の創業スクールで講師を務めています。さらに福岡市は創業特区ということもあり、スタートアップカフェを設けて、創業予定者の相談に士業などの専門家が応じるなど資金支援だけでなく、さまざまな支援策が行われています。
この支援策の変化が物語るのは、3つあります。 
1つ目は、創業者向けの補助金は多くのお金をばらまいたが効果が十分でなかったと判断し、補助金制度は残すが計画の内容がかなり良いものに限定し、モデルケースとなりうるものだけにした事です。
 2つ目は、創業を促進するために自己資金が少なくても融資をすることにしたが、借入金が多すぎる創業者が増えているという問題が起きていることです。創業者向け融資は元金返済据え置きをしていることが多いので、元金の返済が始まってから資金が回らない先が出てきます。
最近私の経営相談では、創業したけど売り上げが増えない、利益が少ないので来月から借入金の返済が始まるけどどうしたらいいか、などが多くなっています。
補助金を配っても創業がうまくいかない、融資を多く出したら返済が苦しくなった。
その結果、3つ目の支援策として行われているのが「創業塾」や「スタートアップカフェ」なのです。 
 
教育が必要でないか? 
要するに、お金を補助金や融資制度で手に入れやすくして創業者が増えても、事業がうまく行かず廃業や破たんした事業者も多く出たので、国も税金を創業者にばらまくのではなく、創業するための教育が必要だと考えて創業塾などに予算を多く使うことにしたのでしょう。
私はこれを少し甘やかし過ぎとも思いますが、ある意味いい傾向だとも思っています。ところが、このような支援策を補助金や融資制度を利用するのに有利だからと形式だけで利用している人もいます。 
 
戦略実力を高める 
とはいえ、入り口はどうであれ、経営者(予定者)が経営について学ぶことは必要ですし、このような機会を利用して知識と情報を得て貰うことは良いと思います。
今回は創業支援をもとに考えてみましたが、創業者に限らず、経営は簡単ではないので支援のあるなしに関係なく経営者は経営の勉強を行い、強い熱意を持って行動していく必要がありますし、それでも成功するとは限りません。
私に相談をされる人の多くは売上を多くすることよりも、とにかく今月の支払資金を何とかする方法を教えてほしいという相談です。そういう戦術も必要なことですが、新たな顧客を開拓してお客様を多くすることや販売数量を増やすことなどで粗利益を増やすための、戦略実力を高めてほしいと思います。
私はお金の相談はもちろんですが戦略実力を高めるお手伝いもしていますので、お気軽にご相談ください。

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執筆者: 
本多 俊一氏 本田俊一様.jpg
一般社団法人事業サポートセンター九州  副理事長  
中小企業診断士  
昭和35年生まれ。
北九州市門司区出身2011年、34年間勤めた銀行を退職して、 経営コンサルタント(中小企業診断士)として独立開業。 主に中小企業経営者や個人事業主を対象に、 企業経営全般についてのアドバイスを行っています。
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