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廃業支援と起業支援


1.日本の人口
先ずは、この数字をご覧ください。総務庁が発表している、2015年4月1日現在の子どもの人口です。(@は年令当たり人口)
 0~2歳    314万人 (@104万人)
 3~5歳    315万人 (@105万人)
 6~8歳    321万人 (@107万人)
 9~11歳   325万人 (@108万人)
12~14歳   347万人 (@116万人)

2.中小零細企業の数
中小企業庁の発表では、日本の中小零細企業の数は、385万社です(2012年)。
この数は毎年10万社程度ずつ減っていますが新たに設立される会社もあり、現在では、約370万社だと言われています。
3.人が採用できない
「1」で見てきたように、各年代の人口は多い層でも116万人しかいません。就職せずに起業したり、留学したり、学校に残る者も居るでしょうし、大企業は数百人単位で採用をします。
〝中小零細企業は、3社に1社が一人雇えるかどうか〟という時代になっているのです。少子化で売上が細るのも大きな問題ですが、それ以前に仕事をしてくれる人が居なくなります。実は今、国が最も頭を痛めている問題の一つがこれです。
4.税収と起業支援
もっとも、廃業ばかりを推進するのでは国家運営が成り立たなくなります。国のもう一つの取組は「起業を促して税収を上げる」ことです。我が国は、歳入が56兆円、歳出が100兆円超とジンバブエに次ぐ債務超過国家で、国家財政が破綻しています。債務者格付で言えば、実質破綻先、よくても破綻懸念先となるのではないでしょうか。国の施策を見ていきましょう。

5.国(金融庁)、金融機関の動き
(1)経営者保証ガイドライン
〝廃業、倒産しても自宅を残してあげますよ〟というガイドラインが昨年2月にスタートしていることは皆さんもご存知の通りです。廃業を促進し会社の数を減らすとともに、経営者の再起(起業)を促すことがこのガイドラインの目的となっています。
(2)県外融資
今年9月に金融庁から地銀、信金、信組に対して、県外融資を増やす方針が出されました。越境をさせて統合させる狙いがあるのですが、当の金融機関も単独ではやっていけないことを重々理解しており、大正銀行(大阪)とトモニHD(徳島)、常陽銀行(茨城)と足利銀行(栃木)、横浜銀行(神奈川)と東日本銀行(東京)、肥後銀行(熊本)と鹿児島銀行(鹿児島)の経営統合がその一例です。
(3)債権カット
同じ時期に、利益は出ているが過大債務を抱える企業に対して債権カットをせよ、という方針も出されています。そして、金融庁から各金融機関には、平成27年7月~平成28年6月における(1)(2)(3)の実績を報告する義務も課されました。
ちなみに、中小零細企業のサポート役として国は中小企業再生支援協議会を各県に設置しているのに、業務が重なる地域経済活性化支援機構(REVIC)をわざわざ立ち上げた理由をご存知でしょうか。それは、中小企業庁管轄の支援協がいくら〝債権カットを〟と銀行に要請しても言うことを聞かない、それなら銀行の監督官庁である金融庁管轄のREVICから債権カットを迫ろう、という発想があるからです。
6.日本政策金融公庫
国が起業を支援するといっても、国が企業に直接貸し付けることはできません。多くは日本政策金融公庫を通しての融資となります。ここで、私が11月に取り組んだ福井県の銭湯経営者への融資についてご紹介します。
ここ3年の業績は、売上1億円内外、営業利益、当期利益、CF全てマイナスでした。借入金は4億80百万円もあり、完全に債務超過です。銭湯の二階が利用されていなかったので、集客も兼ねて県内の果物を使ったアイスクリーム事業を創業することになりました。創業と言っても同じ会社の中に一部門を設けるだけです。日本公庫に相談に行くと、何と2週間後に20百万円の創業資金が無担保で融資されました。アイスクリーム事業は全くの素人だったので事業計画書も作らず(作れず)、口頭での申込みだったのですが、安倍政権の起業支援の本気度を実感する出来事でした。
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執筆者
NPO法人 西日本事業支援機構  
矢島 健二氏
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