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九州の地銀再編を予測する

1.九州(7県)に地銀は、第一地銀11行、第二地銀7行、合わせて18行ある。
全国の地銀総数は105行。日本の人口、1億2,689万人に対して九州の人口は、約1,300万人で、全国の約10%のシェアとなる。これに対し、全国地銀105行のうち、18行が九州にあり、約17%のシェアとなる。この二つのシェアのアンバランスが起因し、
九州の地銀再編の波が来ている。
2.九州地銀(18行)を分析する
(1)預金残高の多い順
①福岡 ②西日本 ③肥後 ④鹿児島 ⑤大分
⑥十八 ⑦親和 ⑧宮崎 ⑨佐賀 ⑩熊本
⑪北九州 ⑫南日本 ⑬筑邦 ⑭宮崎太陽
⑮豊和 ⑯福岡中央 ⑰長崎 ⑱佐賀共栄
(2)九州地銀の所属する金融グループ
[1] ふくおかフィナンシャルグループの3行(①、⑦、⑩)
[2] 西日本シティ銀行グループの2行(②、⑰)
[3] 九州FGの2行(③、④)
[4] 山口FGの1行(⑪)
計8行がグループに属している。この他に⑯はふくおかFGの傘下、
⑮は西日本シティ銀行Gと提携。実質10行が金融グループ属している。
(3)去就が注目される残り8行の行方
第一地銀では⑤大分、⑥十八、⑧宮崎、⑨佐賀、⑬筑邦の5行。
第二地銀では⑫南日本、⑭宮崎太陽、⑱佐賀共栄の3行。
今までは様子見をしていた銀行も、九州FGの設立によって、もはや安閑としてはいられなくなったというのが本音のところだろう。
先行する3グループにとっても、その組み合わせ次第によっては、九州地銀の覇権争いに大きな影響が来るものと思われる。
3、誰がキャスティングボードを握るのか、予測する
(1)大分の地銀
預金残高3位の肥後銀行、4位の鹿児島銀行が設立する九州FGに5位の大分銀行が加わってもその影響力を行使できるかどうかは微妙。むしろふくおかFGと経営統合し、ナンバー2の地位を確保した方が得策ではないか。いずれにしろ、単独で生き残るのは難しい。同じ慶大経済学部卒の福岡FG社長と大分銀行頭取の信頼関係も影響しそうだ。
(2)十八銀行と佐賀銀行、筑邦銀行は共同システムで連携しており、いずれ3行は提携し、
最終的には九州FGとの経営統合へ目指すものと思われる。
(3)宮崎銀行
宮崎県の人口は佐賀県に次いで少なく、今後単独で生き残りを図ることは厳しい状況にある。今後の選択肢は九州FG又は福岡FGとの経営統合。
(4)南日本銀行
健全銀行に戻るためには、経営統合による効率化を図るしか道はない。筆頭株主の整理回収機構の意向に従う、又は4位株主の福岡FGとの経営統合が考えられるが、南日本銀行の財務内容を熟知しているのは金融庁であり、必然的に大蔵省出身の頭取が率いる西日本シティ銀行Gと経営統合か。
(5)宮崎太陽銀行
筆頭株主は整理回収機構、2位西日本シティ銀行南日本銀行と同様に、西日本シティ銀行Gと経営統合か。
(6)佐賀共栄銀行
預金残高最下位、昨年6月にお旧大蔵省の出身者が頭取に就任した。同出身の西日本シティGとの経営統合になりそうだ。
4、九州地銀は3つのグループに集約
今後九州地銀は3つの金融グループに集約されるものと思われる。
(1)ふくおかFG 5行(第一地銀3と第二地銀2)
福岡銀行、熊本銀行、親和銀行の3行に、福岡中央銀行と大分銀行が加わり、5行を参加に持つ地銀で最大級の金融グループとなる。
(2)九州FG 6行(すべて第一地銀)
肥後銀行、鹿児島銀行に、経営統合で宮崎銀行が加わり、その後、十八銀行、佐賀銀行、筑邦銀行の3行が合流。第一位地銀6行を参加に持つ九州FGは、ふくおかFGに肉薄する金融グループとなる。
(3)西日本FG 6行(すべて旧相互銀行)
西日本シティ銀行グループは豊和銀行を加えて西日本FGを組成。新たに佐賀共栄銀行、南日本銀行、宮崎太陽銀行を加えて、6行を参加に持つ金融グループとなる。
5、金融再編は待ったなし
経営統合の傾向としては、頭取の出身母体(大蔵省出身)又は出身大学が同じかということも影響している。又システム費用が膨大になるためシステムが同じかどうかも影響する。他に人材や企業文化に共通の部分があるかが、経営統合が成功するかどうかの決め手となる。


宮﨑博幸
宮﨑田嶋会計事務所 代表(http://www.miyazaki-tashima.com/ )
税理士

昭和 23年生まれ。長崎県出身。昭和 59 年 1月に㈱マネジメントパートナーを設立し、一般企業の経営コンサルティグに取り組む。平成16年4月に(株)九州経営情報分析センターを設立。国土交通省の第5番目の認定登録機関として、全国に約5,000社の顧客を持っている。平成20年12月より事業再生のコンサルティング業務を開始し、現在に至る。一般社団法人 事業サポートセンター九州 理事長。JSK事業再生研究会 会員。

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