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経営者の方々の持つ”バイアス”について

前回、当ニュースで事業承継を円滑に進める必要な「ありかた」(事業戦略ニュース:事業承継者に必要な「ありかた」とは? 2014/07)という内容を寄稿させていただきました。
「価値観を共作」するスタンスの話をしましたが、おかげさまで多くの方に”企業にとって多様性は大事”であることに共感頂き、最近では事業承継のみならず起業の相談案件も増えつつあります。
相談に来られる方の多くは、これから個人事業主あるいは会社を設立して新しい事業を始めようとしている方々です。これから起業しようと考えている方の多くがそうであるように、相談に来られる経営者のみなさんも、起業するにあたって多くの課題、不安を抱えながら、アイデアを”新規事業”に変えられないだろうか・・・と相談に来られます。
相談内容は様々ですが「サラリーマンだった自分が本当に起業できるのだろうか?」、「これまで経験したことのない業界での新規事業だが大丈夫だろうか?」・・・というように”これまでの経験”がないと「最初からうまくいかないんじゃないか?」という不安もって相談に来られる方が多いようです。
どうやら”これまで経験がない”というバイアスを持つあまり、意思決定がぶれてしまい悩まれる方が多いように感じます。
今回は、経営者の方々の持つ”バイアス”について考えてきたいと思います。
バイアスとは、偏りや先入観のことで、育った環境や文化、経験などさまざまな要素からなるフィルターのようなものです。意志決定の際に大きな影響を与えます。無意識でバイアスがかかることもあり、この場合は思考プロセスが圧倒的に短い時間で行われますが正確な判断を下すことを困難にしてしまうこともあります。
一方で、バイアスがかかっていない決断は、時間が係るものの機能的・合理的な面を持ち合わせています。
どちらかといえば、これから新しいことを始めたり、新しいノを作ろうとする企業にとって大事なのは多様性であり、バイアスのかかっていない決断のできる状態こそが”理想”と言えます。では、多様性を妨げる無意識バイアスを打ち負かすにはどうすればいいのでしょうか。
中小零細企業も個人事業主の経営者さんにも共通することですが、それぞれの経営者の方々が持つヒト・モノ・カネ・情報全てを一度”認める”、”受け入れる”ことから始まるのではないかと考えます。否定もせず肯定もせず・・・。
もちろんこれから持つであろうヒト・モノ・カネ・情報の全ても”認める”、”受け入れる”ことが多様性を妨げる無意識バイアスを打ち負かすことになると思います。
例えば”履歴書”もひとつのバイアスです。経営者の方々が社員やアルバイト、パートを採用する際には”履歴書に目を通します。それ等の人の採用が、会社に何をもたらすのか”をしっかりと理解する必要があります。履歴書記載事項をよく考えると、名前、住所、学歴も、年齢も仕事のパフォーマンスに関係ありません。
実は、履歴書でみるべきことはほとんどないに等しいのです。つまり面接では履歴書に書かれていることをベースに質問を考えるのではなく、面接担当者は会社として重要なことは何なのかを理解して質問をします。履歴書にとらわれない面接のほうが無意識バイアスの効力を弱めて、会社で成功する人物を雇うのに適しているといえます。
 
私たちコンサルタントも例外ではなく、正確な判断を行うには無意識バイアスを打ち負かす努力は欠かせません。特定のバイアスだけで課題を見るのではなく、さまざまな情報を集めた上で常に”視点”を変え”判断”し、それぞれの相談案件に最適な「解決策」を見いだしてアドバイスしていきたいと考えております。
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執筆者

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高巣忠好
NPO 東日本事業支援機構 事務局長
株式会社アットリライト(http://www.at-rewrite.com) 代表取締役
1971年生まれ。愛知県豊田市出身。時計・輸入雑貨量販店・ベンチャー系卸売会社・輸入卸売会社に勤務。チーフマネージャーを務め、コンサルティングファームに転職後独立。「過去を否定せず、時流に合った方針・計画に書き直す」=アットリライトを理念として中小企業の経営改革支援や事業承継、事業再生の指導を実践している。
認定経営革新等支援機関NPO東日本事業支援機構[関財金1 第145 号] 事務局長。
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