経革広場は、地域や組織の変革に取り組む人たちがつながる場です。変革に取り組む人の日々の活動やノウハウを発信し、地域や業種や世代にとらわれない連携を促進します。

分業化と属人性

売上でも利益でも新たな桁に行く。今までの成果が実を結んだかけがえのない瞬間だ。

今年、夏の全国高校野球選手権大会がその大台にのり、100回大会を迎えた。回数に負けない名勝負が何試合も繰り広げられた。その100回大会の決勝は大阪桐蔭と秋田の金足農業だった。私立と公立、分業型と専念型と、両校は本当に対照的なチームだった。最後は一人で投げぬいてきた投手が力つき、分業制を引いた大阪桐蔭が真紅の大優勝旗を手にし、史上初の二回目の春夏連覇をした。

近年の企業経営で売上(利益)を伸ばしていくには、効率化が重視される。
効率化、換言すると、マニュアル化、システム化、標準化という事ではないかと思う。また、分業制という事も言えるのではないかとも思う。

売上の計算方法は簡単だ。顧客単価×顧客数である。つまり、単価を据え置くと顧客数を増やさないとならない。医療の現場を考えてみると、受診時間はある程度決まっている。また、診療報酬も国の規定で決まっている。となると収入を伸ばすには患者数を増やすしかない。その為には、次から次と診察していくしかない。つまり、一人一人の患者さんとの会話を長くせずに、予め決められた事項を次から次へと問診していく事が収入の増加につながる。恐らくそのマニュアルには、医療ミスを最大限縮小する為の質問も含まれるものにもなる。

マニュアル化の整備は製造業を中心に行われてきた。しかし、生産性が低いとされる事務部門もその対象となっている。特にクレームの際にかけるコールセンターなど
では、完璧と言えるほどのマニュアルが作成されている。
マニュアルは一般に三流の人間も二流にすると言われている。しかし一流の人間も二流にしてしまうとも言われている。勿論真の一流であればそれを維持する事が出来るかもしれない。
この世の中には一流の人間より三流の人間の方が多いに違いない。従ってシステム化が企業における生産性を向上させる最良の手段であることは間違いがない。

人と長い時間向かい合い、お互いの意図を理解しながら仕事をしていく事は、格別の喜びがある。
次から次へと降ってくる仕事、それをさばかない事には次の仕事へ向かう事は出来ない。しかし、その仕事一つ一つに相手の顔があり、想いがある。理解しあいながら進める作業を全企業が行う必要はないが、それを売りにする企業があっても良いのではないだろうか。

インターネットやSNSが普及し、文字でのやり取りは容易であり時間がかからない。分業化し効率性を追求するなら、生かさない方法はない。しかし、収入には限界があり、それを感じながらも、時間をかけFACE TO FACEの作業を遣り甲斐に感じる人も少なくはないのではないか。少なくとも私はそういう仕事がしたいし、そういう方と仕事がしたい。

分業制が主流のこの時代、金足農業の野球が多くの人の心に残ったのは、この件とは関係ないとは思わない。

執筆者


NPO東日本事業支援機構 会員
横田税務会計事務所 代表   
横田 道仁
http://npo-east.jp/

1973年生まれ。埼玉県出身。
2002年に税理士試験に合格し、以降税務・会計業務に携わる。
2016年 埼玉県旧大宮市の税務署の前に所在する税理士法人より 開業する。
独立と同時に認定経営革新等支援機関に登録。
2017年 行政書士に登録。 NPO 東日本事業支援機構会員。

経営者の高齢化による廃業、業績悪化による倒産をなくす為、
M&A を含む事業承継及び経営改善に取り組み、
日本の活力の源である中小零細企業が生き生きとした社会にする為に業務を行う。

SNSでフォローする