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中小企業における事業承継成功の6つのポイント

業承継は、相続問題や株式譲渡等の税務問題に目が行きがちだが、それだけにとどまらず真の目的はゴーイングコンサーンを実現するための、イノベーション(経営変革)を励行して経営体質を強靭にする機会と捉えて中長期的視野で経営体質の強化取組むことが成功のポイント1です。

事業承継の形態には次の4スタイルがあります。
①血族・姻族間の承継
②知人等の縁故者による承継
③社員による承継
④取引先等によるM&A
それぞれに特有の人的課題があり、一概に対策を論じることはできませんが、その対応を誤ると人心と組織がガタガタになり、業績も悪化することがありますので、十分に気を付けなければなりません。その対応策のポイントを述べます。

◎ポイント2:新体制に移行した後の組織運営
新体制に移行するということは、今までの組織運営の慣習が変わることですが、その備え無しで、新リーダーが自分の判断で組織運営を独善的に行いますと、旧勢力との摩擦を生み出して混乱して、企業力(収益力・成長力)を悪化させますので次の対策で備えましょう。皆の共感と支持を受けて新体制が発足するにはキーマンへの根回しや協力支援が欠かせません。くれぐれも十分な配慮を怠ってはいけません。

◎ポイント3:組織運営を制度化して人を育てる
もし、人を使い人を活用して人の協力を得てビジネスをやるのでしたら、企業規模に関わらず組織運営の原則と仕事の基本をしっかりと体に具備(体得)しましょう。大成の条件です。”急がば回れ”100年の基礎を築きましょう。まず「当たり前のことを当たり前にやる」習慣を弛まずに継続しましょう。
*仕事の指示と報・連・相+確認の徹底
*お金の使い方と回収の実践・・予算統制
職務権限と「現状報告・確認・対策」、日常の繰返しで身につく仕事の基本です。”企業は人なり”で人づくりが企業経営の最大のポイントであり、教育訓練は次世代への先行投資です。

◎ポイント4:JOBフロー職務権限の構築
日本の企業は、製品開発・生産管理や品質管理等の技術系は国際競争力もいまだ負けてはいませんが、営業事務、

総務経理、情報管理等のいわゆる事務系は恐ろしいことに発展途上国にも負けているのです。人時生産性(1人当たりの営業利益)がウイークポイントなのです。
これからの人手不足とAI時代に適応するには、仕事のやり方(JOB)を、事業承継を機会に徹底的に見直し改善することを勧めます。営業利益が3倍5倍になることも珍しいことではありません。

◎ポイント5:存在理念・経営計画を更新する
中小企業の経営支援を約50年やらせていただいておりますが、持続し発展している企業には、「存在理念・経営理念・経営計画」が必ずあります。例外はありません。創業の理念を伝え、新しい時代に適応して行くには、事業承継のタイミングは絶好のチャンスですから、取組んでみてください。「温故知新」で、経営理念を今時の言葉に変えて、次世代に受け継ぎましょう。ありたい姿が「世のため・人にため」になるなら、念じれば必ず叶います。

◎ポイント6:全員精鋭で事業承継を進める
事業承継は、第2創業と云える一大イベントです。社員・協力業者・経営者とその家族・株主・金融機関等の全てに関連します。特に、経営者とその家族にとっては、生活に大きな影響を与えます。個人保証問題や生活スタイルの大きな変革。NEXT30=30年後も社員が安心して働けるように経営資源と経営体質をどんな障害や試練も乗り越えられる強靭にする機会でもあるのです。中小企業の経営者程、人格を磨ける職業はないと云えましょう。それは「理念経営のすすめ方」に詳しく解説してますが、徳目を磨く絶好の機会でもありますので、誇りを持って取組みましょう。

中小企業は「少数精鋭」ではなく、持っている力を発揮させて、出番を与える「全員精鋭」があるべき姿です。チームで戦うのが勝利と持続の方程式であるからです。はじめに、申し上げましたように事業承継の目的・企業背景等がそれぞれ違いますので画一的な対策では対応できませんが、組織戦略は企業体質を強靭にするチャンスと捉えて取組んでいただければ、必ず成果はお約束できますので是非実践ください。

執筆者


平本 靖夫 
【 生 年 月 日 】1942年
【 出 身 地 】埼玉県鳩ケ谷市(現川口市)
           
【 職 歴 】 
ブランド・メーカーで工場マネジメント・管理会計・新製品量産化プロジェクトリーダー  
1974年 株式会社 東京ゼネラルコンサルティング設立
1997 株式会社 理念経営東京に社名変更(理念経営を展開)
2002年 株式会社 I&C・HosBizセンターを同志のパートナーと創設(コンサルタントファーム機能強化)
2006年 NPOはとがや100プロジェクトを『街おこし』のため設立(コミュニティビジネス推進)      
2013年「中堅・中小企業“理念経営”ネットワーク」をスタート(構築中)
2018年「理念経営のすすめ方」アマゾン版 出版

【主な図書・著作等】 
「非常時の経営計画のつくり方」「経営計画実戦教本」「もっと良い会社にする経営手順の本」「理念経営のすすめ方」他 多数。
「経営特くんゲーム=ボード型マネジメントゲーム」開発。
      
経営計画策定推進のパイオニアの一人、43年間で約350社を支援、理念経営・清豊の推進普及をライフワークとして取組んでおり、次世代を担う経営者と経営支援家の育成を生きがいとして生涯現役で活動している。

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