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新会社法、決算公告強化とリスク開示 (内部統制)

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浦嶋 繁樹

昨年5月スタートした新会社法だが、経営者にとって、何がどう変わったのかがわかりにくいかもしれない。しかし、経営者がこの流れを理解できなければ、確実に淘汰される側にまわることは間違いないだろう。それだけ大きな改革であることを認識していただきたい。

このたびの新会社法施行は、1899年施行の商法、戦後の商法改正に次いで大きな経営改革と私は思っている。今回の改正の背景には「自由と自己責任」がある。一円から法人を設立できる自由、しかし、法令違反に対する経営責任は重い、という考えだ。大手企業の粉飾決算、製品の事故隠し、談合など、経営責任を追及される場面が最近増えているのは、こうした背景があってのことなのだ。それが今、中小企業にも降りてきている。

帝国データバンクによると、今年1月から6月までの倒産件数は16.6%増加したようだ。その理由で注目していただきたいのは「法令違反」が倒産理由に入っていることなのだ。それは新会社法と無関係ではない。そこを認識の上、決算と会計を考えてみよう。

新会社法の定義は、企業の社会的責任(CSR)を果たしているかである。そうすると、何をしなければいけないかが見えてくるはずだ。新会社法の取締役の責任(法務省令)に沿って並べてみると、リスクマネジメント(内部統制)が中心にあることがわかる。

① 自己責任…リスクマネジメント・「損失の危険を管理するための規定と体制」
② 情報管理…「情報の保存および管理に関する体制」
③ コンプライアンス…「使用人の職務の執行が法令および定款に適合する体制」
④ 親会社・子会社…「企業集団の適正を確保する体制」

付け加えておくと、もともと商法上「決算公告」という情報開示(リスク開示)は義務付けられている。罰金は100万円である。そのことを忘れないでいただきたい。

さらにこのたび、新会社法と連動して「中小企業会計基準」と「会計参与制度」が導入された。この意義は、中小企業に対して「決算報告書における正しい情報開示」を迫っていると言っても過言ではない。現在は義務付けではないが、状況を見て国は大きく舵を切ってくるだろう。そのときから対応しても遅いかもしれない。

中小企業会計が出てきた大きな理由は、
① 中小企業の粉飾決算が多い…企業の社会的責任である正しい情報開示がなされていない
② 税法会計から財務会計(中小企業会計基準)への転換…税金を納めるための決算書ではなく、企業の財務評価を正確に表すための企業会計への転換が必要とされる時代背景

などが挙げられる。

そして、その決算書が中小企業会計基準を遵守しているか、そうした制度の導入を促進させるために生まれてきたのが「会計参与」という社外取締役なのだ。

早めに決算書を中小企業会計に移行し会計参与を迎え入れた企業と、そうでなかった企業、どちらが信用度が高いか、どちらがチャンスを掴む可能性が高いか、当然お分かりだろう。すでに、金融機関、上場企業取引基準、行政の入札評価の中にも取り組まれてきている。

ぜひ、新会社法を積極的に取り入れ、リスクマネジメント、中小企業会計、決算公告、会計参与制度を活用し、大きく成長していただきたい。それが、21世紀に活躍できる企業の姿であると確信する。

会計参与推進機構  専務理事 浦嶋 繁樹

※株式会社日本アルマック
http://www.almac.co.jp/

※会計参与推進機構
http://www.kaikeisanyo.net/

※浦嶋繁樹の全国リスク行脚ブログ
http://blog.goo.ne.jp/risk-management

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