地域や企業にデジタルトランスフォーメーションを実現するための情報をお届けします

財務リスクマネジメントの重要性

hirakawa.jpg
平川 茂

私: 「社長、経営を支えているのは何だと思いますか?」
経営者: 「ファイティングスピリッツ!」
私: 「もちろんそれはとても重要ですが、私の専門分野でいうと経営資源が経営を支えです。」
経営者: 「お金や不動産か?」
私: 「それだけではありません。技術や特許、ブランドや信頼、もちろん従業員もそれに入ります。それらを最大限に活用して利益を上げるのが営利企業の経営者の役割です。」
経営者: 「そんな経営資源はうちにはないよ。俺が駆けずり回って30年やってきたからなぁ。」

上記は顧問先企業の経営者とお酒を飲んだときに雑談ですが、経営資源のない会社なんてないのです。自動車メーカーや百貨店を経営しようとしたら広大な不動産が必要ですが、IT企業やソフト産業なら机の上のパソコン一台で何十億もの売り上げを上げることも可能な世の中です。しかし、人や技術や差別化された商品がなければ企業は収益を上げられません。

財務リスクマネジメントとは経営に必要とされる資産と負債がバランスよく保有されていて、保有資産(経営資源)から効率よく収益が上げられているか?を分析し、問題点があればそれを改善していくことをいいます。

また、資産があればよいというわけではありません。資産は保有しているだけでリスクが伴います。不動産を例にとって保有リスクを見てみましょう。不動産を保有している会社は、デフレ経済で不動産価値が下がれば、収益が減少するし借入金で取得していれば借入金の返済が出来なくなる可能性があります。最悪の場合、債務超過状態に陥ることも考えられます。また、インフレ経済で不動産価値が上昇すれば、その資産を保有するための固定資産税等のコストが増加します。収益を上げていない資産であれば、保有しているだけで赤字の状態となります。

古くから所有している不動産は簿価が時価よりも低くなっているため、財務分析をしても本来の不動産の収益力が判断できない場合があります。例えば、簿価が1000万円で時価が1億円の不動産から毎年100万円の収益が上がっているとすると簿価ベースでの収益率は10%ですが、時価ベースでの収益率は1%しか確保できていません。

経営者「うちは資産が1億円しかないけど利益を1000万円上げているので総資産に対する利益率は10%だからまあまだな。」
私「いいえ、社長の会社の工場の土地は都内にあり、時価評価をすると5億円の価値があります。5億円で1000万円の利益では2%しか上げられていません。不動産投資では4%ぐらいの収益が上げられますので、従業員をすべて解雇して事業を廃業して、不動産賃貸業に転業すれば2000万円ぐらいの利益が苦労なく上げられるかもしれません。経営の苦労も半減しますよ。でもどうしても経営を続けたいなら所有している不動産の賃貸収益よりも事業利益を上げましょう。」

税理士 平川 茂
株式会社サテライト・コンサルティング・パートナーズ代表取締役 
中央大学商学部、中央大学大学院商学研究科兼任講師。中央大学卒。63年税理士登録。

税理士業務に活躍する傍ら、税理士をはじめ、弁護士、不動産鑑定士、FPなどの各分野のエキスパートを集めて独立系の財産活用コンサルティング会社を主宰する。
企業のM&Aコンサルティングを数多く手がけ、M&A税務について、業界内でも評価が高い。

平川会計パートナーズ
NAC21会長

エム・エム・プラン提供コラム集 トップに戻る

SNSでフォローする

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA