地域や企業にデジタルトランスフォーメーションを実現するための情報をお届けします

不況下でも快進撃を続ける ユニクロの経営理念② 第1条~第5条

コラム・連載

前回は23ヶ条を一読しました。これだけでも大変でしたよね。今回から
5条ずつくらいに分けて個別に見ていくことにします。柳井正氏の解説も
付いているのでそのまま引用掲載していく。かなり長い解説もあるがぜひ
読んでいただき、一緒に考えていただきたい。

――――――――――――――――――――――――――――――

●第一条「顧客の要望に応え、顧客を創造する経営」

これは商売の根本だと思う。お客様がいない限り、商売をやっても無駄。
店を開けていればお客様は来て当然、売れるのは当然と考えるのは
間違いで、お客様の要望に応えないと売れないし、店も繁盛しない。
そして、去年と同じことをやっていたら、お客様はどんどん減っていく。

要望に応えて、お客様を作り出していかなければならないのだ。

⇒商売の根本ということ、特にお客様を作り出していくというのは、
普通ではなかなかできないことですね。

――――――――――――――――――――――――――――――

●第2条「良いアイデアを実行し、世の中を動かし、社会を変革し、
社会に貢献する経営」

自分で良いアイデアを持っていて、それを実行する。商品を買って
もらって、それで世の中が動く。その結果として、社会に貢献できる。

事業とは、こういうことだと思う。自分ひとりの力では難しくとも、同じ志
の人たちと一緒一に仕事をしながら社会を変え、社会に貢献しようと
するのは会社という組織を使えば可能だ。

人と同じことや、社会にあまり影響力のないことをやってもしょうがない。
本当に良い企業というのは、ある意味では社会運動に近いものではない
かと思う。行き過ぎはよくないが、常に積極的に、外向きで顧客の要望に
応えるという原点を忘れなければ、必然的に社会に対する企業としての
使命感が醸成されてくると思う。

ぼくは、アメリカのハイテクベンチャーなど最先端企業の急成長に、
つねに興味を持ってきた。彼らは自分たちの夢を実現し、社会を変えて
いった。逆に言えば、社会を変えたいという信念を持っていたために実現
できたともいえる。そう意識しない限り、急成長できなかったし、高収益もあり
えなかったと思う。今までと同じものであれば誰も評価してはくれない。
世の中に役立つような商売をやらないと、収益はあがらない。そのために、
いい人に会社に入ってもらいたい。単なる金儲けだけだと、いい人は絶対に
入ってこない。

⇒同じ志の人と一緒に仕事をするというところから、一緒に仕事をしながら
社会を変え、社会に貢献していくという発想はすごいですね。でも、会社と
いう組織を使えば可能と考えているところが、またすごいですよね。

――――――――――――――――――――――――――――――

●第3条「いかなる企業の傘の中にも入らない自主独立の経営」

当社は以前、紳士販店をやっていたが、取引をしていた紳士服メーカーの
ほとんどが商社に吸収されたり、廃業や倒産の憂き目にあった。最初は
自分達で資金をだして経営していても、次第に商社などの仕入先が支配
していき、最終的には系列化され、その産業自体が衰退すると、傘下の
会社はつぶれていった。

なぜこのようなことを述べるのかというと、自分達で考えて自分達でやるよう
にしないと、全ての仕組みを変えることができないからである。われわれが、
もし今でも紳士販店を続けていたとしたらどうだろう。つぶれていたかもしれ
ない。

自分達で商品を作り始め、お客様にダイレクトに販売するカジュアルウエア
企業に変えたことで、危機をくぐりぬけられたのではないか、と思う。常に環
境に適応し生き続けるためには、変化し続けなければならず、自分で自分
の運命を決めることができない限り、「自分を変える」ことはできないと思
う。

人は他人からとやかく言われて働くのはいやだし、他社の意のままに働か
されるのはもっといやなはずだ。自分のために、能動的に仕事をすべきだ。
理想や目標は個人や企業によって違う。自分たちが理想とする会社を作ろ
うとしたら、会社を目分たちで自主的にコントロールしていかなければ達成
できない。

勘違いしてほしくないのは、「自主独立」は、自己中心的なこととはまったく
違うということだ。企業経営者には自己中心的な人が多い。自分がルール
だ、常に優先順位第一位だと主張している人もダメである。単なる金儲け
主義に偏った人に経営を任せていては、自主独立の経営はできない。

理想的な会社を作ろうとしたら、正しい考えの人たちが、目標に向って正しく
実行できるような会社にしないといけない。そういう前提に立った自主独立の
経営を大事にしていきたい。自主独立の精神でないと、自分たちの運命を自
分たちで決めるということはできない。

⇒自分だけが頼りなのだ、ということなのでしょう。だから自分の仕事は自分
のために自分の考えで自分からする、ということなのでしょう。考えがしっか
りしていないとできないことですね。

――――――――――――――――――――――――――――――

●第4条「現実を直視し、時代に適応し、白ら能動的に変化する経営」

小売業の場合とくに顕著だと思うが、お客様や周りの環境に対してどうして
も受身になってしまい、攻めようとしない。店を開く前はあれこれ考えるが、
開いたらそれでお終い。

黙ってお客様を待っていたら、売れない店は絶対に売れない。店の態勢を
抜本的に変えようとしなければ売れる店には変身しない。

売れないという現実を直視して、どう対応していくか。それは時代背景、社
会環境やお客様の心理を読むことから始まる。「自分だったらこうする」と
考えていろいろと実行してみることだ。能動的に対応していくことこそが大
事なのだ。

個人でも企業でも同じだと思うが、チャンスというのは、待ち受けてから掴
むやり方に慣れてしまうとそれは後追いと同じである。たまたま今週の売れ
筋商品は、一位がトランクス、二位がポロシャツ、三位がショートパンツだ
とする。この三つの商品を着ると、まさに「おっさんのファッション」になってし
まう。「こうありたい」とか、「ユニクロではこういった商品を売りたい」と思うの
ならば、なすすべもなく待っているのではなく、能動的に商品構成を変えて
いかなければいけない。

2001年8月期が4185億円の売上高だったので、2002年8月期は5千億
円の売上高のつもりで計画したのに、3416億円になってしまった。というこ
とは、かかる費用を3分の2に押さえなくては利益は出せない。これは、受身
では絶対変えられない。自分達全員で能動的に変えていこうと心底思わな
くては減らせないのだ。

事業というのは、もともとほとんど成功しないものだと思っている。10回やっ
たらおそらく9回は失敗する。成功しようと思ったら、今述べたことを全部クリ
アしてうまくやれば成功するが、確率としては非常に低い。そのためにも、チ
ャンスがあったら自分からどんどん近づいていき、自ら実行していかないと
うまくいかない。客観的な要因と主体的な部分がうまく噛み合ってこそ、成
功につながると思う。これらを継続してはじめて、企業は永続するのだ。

⇒前条と関連していますね。自分のビジネスは自分でこうすると考え、自分
から動いて対応していくということですね。業績低迷時の体験からのもので
すね。

――――――――――――――――――――――――――――――

第5条「社員ひとりひとりが自活し、自省し、柔軟な組織の中で個人ひとり
ひとりの尊重とチームワークを最重視する経営」

「自活する」ということは、1人前になるということ。

1人前になるということは、どこの会社にいっても「食べていける」こと。
どんな境遇でもその仕事で「食べていける」ということだ。社員には、まず
1人前になっていただきたいと思う。また、上司には部下を1人前にしなけ
ればならない義務がある。

「自省する」とは、自分の行動を反省して、次にどうやっていくがを考える
ことである。

計画し、実行し、反省し、次の行動に活かす。そういうサイクルを自分で
まわしていくことが重要である。

自活し、自省しないと、仕事仲間や交渉相手に一人前として認めてもらえ
ない。自分で自分の仕事をまわしていがない限り、自分の仕事とか自分と
いうものを認めてもらえないはずだ。

「柔軟な組織でひとりひとりを尊重する」というのは、それぞれ個人が自活
して自省していかなければ実現しない。

チームで仕事をする場合に一番悪いのは、マンネリ化・硬直化・形式化・表
面主義だ。例えば、「仕事をやっているような格好はしているが、まったく成
果があがらない」状態。やはり根本がら本気で実行しなくては、成果はあが
らない。野球に例えれば、ピッチャーはピッチャーの本来の仕事をしない限
り絶対に勝てない。ピッチャーがキャッチャーの能力や相性ばかり気にす
る。これでは駄目なのだ。自分達ひとりひとりが自活して自省する。それが
柔軟な組織の源をつくると思う。

「自活」か「自省」のどちらかが抜けていると組織は硬直化する。われわれの
組織が今ややもすると硬直している原因は、まさにそこにあると思う。自活し
自省できれば、個人個人の尊重ができると思う。個人個人の尊重というの
は、それぞれの持ち味、あるいは欠点を認め合って仕事をするということに
通じる。

「自活」と「自省」は組織と相反しているように恩うかもしれないが、そんなこ
とはない。チームプレーの基礎は、すべて個人ブレーである。これを両立さ
せるということが、組織で経営する、運営するということ。これができてはじ
めて仕事ができ、反対にそれがないと仕事はできないと思う。

個人プレーを優先し誰にも聞かずに自分の思った通りにやる人がいる。逆
に、自分で考えないで上司にすべての判断を仰いでいる人もいる。これは、
両方ともダメだ。組織内では全員がもっと柔軟に考え、ひとりひとりが柔軟
に行動できるようにしていただきたいと思う。

⇒人それぞれが1人前になること(自活する)、それには反省し(自省する)
次に活かすこと、これは難しいですよね。また、組織の中では己の役割をわ
きまえて行動することともいっています。組織の中での個人のありかた関わ
り方、組織としてのチームワークのあり方にも言及しています。これもすご
いと思いませんか。

――――――――――――――――――――――――――――――

第3条~第5条の解説は長いですね。それだけ想いが込められていると
見ていいでしょう。今回はここまでです。

――――――――――――――――――――――――――――――

また、「一勝九敗」にはこんな文章もあるというものを、長い経営理念の合間
に適宜引用紹介していくので、参考にしていただきたい。

●会社とは

会社とは本来、つねに実体がなく、非常に流動的で、永続しない可能性の
強いものなのだ。

そもそも、最初にビジネスチャンスがあって、そこにヒトやモノ、カネという要
素が集まってきて、会社組織という見えない形式を利用して経済活動が行
われる。

しかし、経営環境は常に変動する。当然のことながら、金儲けやビジネスチ
ャンスが無くなることがある。そうすれば、会社はそこで消滅するか、別の形
態や方策を求めて変身していかざるを得ない。

会社とは一種のプロジェクト、期限のあるもの、と考えるべきではないだろう
が。収益を上げられない会社は解散すべき、ともいえよう。

●商売人から経営者へ

経営者と商売人はどう違うのか。

商売人は、売ったり買ったりすること自体が好きな人。ほとんどの中小企業
の社長は、その意味で経営者ではないと思う。

経営者とは、しっかりした目標を持ち、計画を立て、その企業を成長させ、収
益を上げる人のことだ。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

さて、わたしは・・・ また、これを読んだあなたは・・・・

共感し、いいと思い、これならできるよ、と思ったらやってみましょうよ。

続けていると何かが起きてくると思います。

今日も一日、明るく、元気に、仲良く、喜んで取り組んでいきましょう!

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ビジネスをシステムとしてとらえ あなたの夢実現をアシスト、ナビゲート
しています

渡邉ビジネスシステム研究所 中小企業診断士 渡邉 勲
E-mail watanabe-bsl@nifty.ne.jp
URL http://www.wbslabo.jp/

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

SNSでフォローする