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不況下でも快進撃を続ける ユニクロの経営理念③ 第6条~第10条

コラム・連載

●第6条「世界中の才能を活用し、自社独自のIDを確立し、若者支持率
No1の商品、業態を開発する、真に国際化できる経営」

日本にはもともと資源がほとんどないが、文化やいろいろなアイデアも独
自のものは少ない。日本は中国や欧米諸国がら伝来してきたミックス文化
の国だ。その意味からも、世界中の才能を活用しながらやっていくのは、
当然の流れで、世界中の企業と競争するためにもそうせざるを得ない。

日本で一番ということは、今度は世界が競争相手だということ。われわれ
の規模になったら世界中で競争して勝ち残れないと、日本でも勝ち残れな
い。そのためには、世界中の才能を活用しない限り勝ち残れない。

才能には国境がなく、日本のような国であればなおさら国境を作ってはい
けないと思う。社員の皆さんも「海外で活躍しよう」と思わないといけない。

カジュアル衣料の分野のアイデアは主にアメリカのものだ。それを吸収
し、主に中国で商品を作り、日本全国とイギリスと中国にユニクロという
店舗を出店している。これが当社のID(アイデンティティ)である。

「自社独自のアイデンティティ」とは、他社にはない独自の考え方、スタ
ンスを自分たちで確認することである。

最近の社内のものごとの決め方をみると、他の企業と同じようになってい
る気がする。「去年これをやったから」、「他社がこういうことをやっているか
ら」。これでは会社はつぶれる。

去年と今年を変えない限り、会社はつぶれると思って欲しい。あまりにも
他の会社と同じようなことをやり過きるのも問題だ。他の会社が目ざまし
い利益を上げているのであればまだ良いのだが、成長してもいないし、儲
かってもいない。同じ事をやったら絶対失敗する。だからアイデンティティと
いうのは非常に重要である。

一つ一つの行動・事象で差別化できない限り、会社は成長しない。「同質
化=死」と考えるべきだ。

「若者支持率No1」というのは、まず「若い=感受性が鋭い」ということ。われ
われの生み出す商品は、そういう感受性の鋭い人たちに支持されない限り、
うまくいかない。

いまの当社は色々な面で硬直化してきていて、若者支持率No1ということ
が抜けてきている。たとえ、お年寄りに評価されていたとしても、若い人
たちに評価されないと将来性はない。単にトレンドを迫うのではなく、若
い人に本質的な点で評価されるにはどうしたらよいのかを考えなくてはな
らない。商品としての本質、あるいは会社として追求する本質を感受性の
鋭い若い人に評価されることが必要だと思う。

「商品」とか「業態」は自らが開発するもの。毎年変えていかなくてはい
けない。自分たちが考えて作らない限り変えられないし、変化がないと国
際化もできない。「自分たちが持っているもの」がない限り、海外に行っ
ても無駄だ。たがら、この「元」のところを作っていって欲しい。

⇒目指すところは、世界で唯一の若者支持率No1商品の開発と業態開発、
そのためには世界中から知財を集める。一つ一つの行動・事象での差別
化までを求め、同質化=死とまで言明しています。

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●第7条 「唯一、顧客との直接接点が商品と売場であることを徹底認識し
た、商品売壌中心の経営」

当社の社員であれば誰もが、直接間接を問わず、お客様や売場そして商品
に関わり、それぞれ何らかの影響を与えているはずだ。ゆえに、個人個人
それぞれが柔軟に仕事を変えていがない限り、商売はうまくいかない。

世の中はどんどん動いているので、それにあわせて変化させ、お客様の要
望や時代の二-ズとジャストミートしないと売上はとれないし、利益も出
ない。「唯一、顧客との直接接点が商品と売場であることを徹底認識す
る」ということは、どんな仕事をやる場合にも必要になる。

例えば、経理や財務の仕事、あるいは人事の仕事をやっていても、お客様
と商品と売場、これがどういう関係になっているのか、商品や売場は現状
認識としてどうなっているのか、将来どうあるべきなのか、また、自分と
しでは商品や売場にどのように貢献できるのか、ということを考えてもら
わないと、その仕事はうまくiいくはずがない。

つまり、全ではお客様のために仕事をやっているということ。経理の仕事
をしていても、経理の上司がいて、その上の上司としてお客様がいる、と
思わないといけない。

お客様にとって効果がまったく無い仕事は無意味だと思う。それを直接効
果があるようにするためには、商品と売場を変えることが必要で、それが
あって初めて、お客様の要望にジャストミートする、ということだ。

組織が大きくなると、この認識が一番に抜けてくる。すでに当社はかなり
抜けてきている。

ぼくは、最近の社員の皆さんの仕事振りにたいへん危機感を持っている。
改善しないとまずいと思う。特に、管理職者ほど「自分の責任だ」と思い
集中して改善に取り組むべきである。

そして、この商売で飯を食っている以上は、商品と売場に関して必要最低
限のことを必ず知っておく必要がある。それを知らない限り、どんな仕事
も本当の意味では出来ないと思っている。

⇒お客さま第一主義、現場第一主義ですね。管理部門、間接部門にまでそ
れを要求しています。まさに、全社一丸といった感じがします。

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●第8条 「全社最適、全社員一致協力、全部門連動体制の経営」

「全社最適」や「全社員一致協力」も非常に重要なことだ。自部署の都合
だけを優先して考えることは、絶対にしてはならない。自部署の都合を優
先すると、全社最適を忘れてしまうことになりがねない。

今までの失敗例を見てみると、次のステップヘの足がかりになるような
「良い失敗例」ならまだしも、とんでもない方向に行ってしまう「悪い失
敗例」がかなりある。自部署の都合だけを考えていることが原因だと思
う。

絶対に「全社最適」を第一優先にしてほしい。人間が増えれば増えるほ
ど、自部署の都合で仕事をしないことが大切になる。この考え方がない限
り、多い人数で一緒になって仕事をするということは無理だ。

「全社員一致協力」も忘れてはならない大原則である。討論や論争をして
お互いに競い合い、高めあうということは非常に大事だが、根底にお互い
に対する信頼感や一致協力してやっていこうという気持ちがない限り、仕
事はうまくいかない。

基本的に一致協力してやっていこうという気持ちがない人はやはりダメだ
と思う。

一見、一致協力することと、討論したり競い合うことは相反するように感
じられるが、根本の部分では同じ。本当に一致協力してやろうと考えた
ら、租手の言うことをよく間いて、目分の言うこともよく間いてもらい、
その上でどうするのかというプロセスを踏む。それがないと一致協力は出
来ないと思う。お互い同士がよく知り合って、そのうえでどうするのか、
ということを考えてやっていただきたい。

「全部門連動体制」については、まず、「会社の組織はコンピュータに似
ている」ということから説き起こそう。どちらも、どこか一ケ所がダウン
すると、全部が回らなくなる。会社の組織は、すべてが連動していないと
目的を達成できないのだ。

すべての部門を連動させようと思ったら、まったく個別に思えるようなこ
とをやっていたとしても、全社や他部署の動きを考えて、それらに連動さ
せるという意識を積極的にもたないとダメ。この点が、いまの当社は弱く
なっており、非常に内向きになっている。自部署で内向きになり、さら
に、自分の仕事で内向きになっている。常に、外向きに仕事をやっていた
だきたい。

極論だが、「目分の仕事が社会に全部つながっている、世の中に全部つな
がっている」と思って仕事をすべきだ。

⇒全体最適で部門最適ではない。徹底したセクショナリズムの排除です。
コンピュータを例にとっての表現がわかりやすく際だっていますね。

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●第9条 「スピード、やる気、革新、実行力の経営」

最近の当社は、革新的な企業ではなくなりつつあると思う。あまりにも保
守的、あまりにも用心深く、あまりにも表面的な企業になっている。スピ
ード、やる気、革新、実行力は、小さくて良い企業の特徴だ。それが無く
なりつつあるのは、大企業病の現われかもしれない。

社員の皆さん全員にお願いしたいのは、「自分が経営者」だ、と思ってほ
しいこと。経営者は「企業を儲けさせる」、「企業を成長させる」ために
いる。

これが達成されないと、企業の将来は開けない。そのためにスピード、や
る気、革新、実行力は絶対に必要な概念なのだ。これらが絶対必要だと心
底思ってほしい。そして、手続きや報告が器用にできるだけでは駄目だと
考えてほしい。

世の中が急激に変わってきている。このままでは当社は、他の企業と同じ
ように沈む可能性がある。当社には他の企業以上に逆風がふいているの
で、スピード、やる気等がない限り前にも進まない。会社に期待するだけ
でなく、自分自身で実行するときに常に心がけていただきたい。

企業は環境の変化とともに自己改革していかなければ生き残っていけな
い。改革する場合にもスピード、やる気、革新、実行力の四項目がない限
り変えることはできない。

昨年と同じ事をやれば同じ結果が出る、という保証はまったくない。昨年
と同じ事をやったら、成果はおそらく昨年の三分の一だ。

プラスアルファーとして、どんな価値を付加するかを考えて、考えて、考
え抜き、答えが出たら即実行するようにしてほしい。

⇒社員に自分が経営者であるという認識を持って、会社を儲けさせる、成
長させるという行動を要求しています。そのためのキーワードが、スピ
ード、やる気、革新、実行力です。

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●第10条 「公明正大、信賞必罰、完全実力主義の経営」

勘違いしないでほしいのは、この条文に書かれていることは「会社のモッ
トー」ではないということ。これは、会社がそうする、のではなく、社員
の皆さん自身が実行しないといけないことなのだ。

何か「会社」という自分たちとは別物の客体があって、それが「皆さんの
代わりに実行してくれる」、そういう風に思っているのかもしれないが、
それは誤解である。

「公明正大、信賞必罰、完全実力主義」を「実行する」のは皆さんだ。実
行する、とはどういうことかというと、四半期に一度の評価や人事考課の
時だけが問われているのではない。

例えば「公明正大に仕事をする」とは、良くやった人には良くやった時点
で誉め、良くやらなかった人にはその時に注意する、ということ。日々の
仕事のなかで実行することが大事だ。

「完全実力主義」とは、同じ土俵で、フラットで明解、かつ透明性の高い
組織で、気分良く仕事が出来る場をつくる、ということを指す。

「気分良く仕事をする」というのは、仕事をする上で必要最小限のこと
だ。皆さんにこれらの実行をお願いしたい。今出ている問題点も成果も皆
さんの努力次第なのだ。

⇒経営理念に基づいて陰日向なく仕事をすること。良くやった人には良く
やった時点で誉め、良くやらなかった人にはその時に注意する、という
こと。日々の仕事のなかで実行することが大事だ、と具体的に示してい
ます。

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第6条~第10条の解説も長いですね。経営者の想いが込められていること
がよくわかり、ここまでくると行動規範・行動基準、企業風土・社風造りの
まで触れてきていますね。今日はここまでです。3回続きましたのでちょっ
と一休みして、また、次回をお楽しみに。

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また、「一勝九敗」にはこんな文章もあるというものを、長い経営理念の合
間に適宜引用紹介していくので、参考にしていただきたい。

●何でも言い合える雰囲気

会議で、もし最後まで何もしやべらない人がいたら、ぼくは「何も発言し
ないのであれば、もう次回から出席しなくて結構です」と言うことにして
いる。

会議とは、読んで字のごとし、会して議論して決めるべき場所。だから、
参加者は活発に発言する。会議は会議の場だけではない。いつでも、どこ
でも自然発生的な会議をしている。その場ですぐに議論して、すぐに決め
て実行するためだ。
誰でも臨機応変に自分の意見を言い合えないと、対応の遅れが会社にとこ
って致命傷になることがあるのだ。

表面的に社長の一言うことを間くのではなく、まずは社長が言いたいこと
の本質を理解すべきなのだ。現場では自分なりにその本質を見極めどう具
体化するかを考える。そして、実行する。これができる会社がほんとうに
立派な会社である。

ぼくも「自分の都合」ばかり考えて会議で意見を言うことがある。しか
し、異業種からきてくれた多種多様の個性ある人たちと議論し、「会社に
とってより良いこと」とは何か、課題の優先順位は何がなど、ぼくとはま
ったく違う見方からの発言や提案を聞くと、もう一度考え直さないといけ
ないかなと、はっと気づくことがある。

必然性のないところには、人は集まらない。こういう人に来てもらいたい
と心底思っていたら、それは必ず伝わるものだ。志のある人も真剣に探し
ている。情報化社会のありがたさでもあろうが、会社が真剣に自己改革し
前進していれば、そういう情報は「思い」として必ず伝わるのだ。必要な
人が求められているところに集ってくる。

会社と個人が緊張感ある対等の関係をもつわれわれの会社は、革新的小売
業であることはもちろんだが、日本社会で持続されてきた旧来の会社と個
人の関係を根本的に変えることで、”会社の発展”と”個人の幸福”を同
時に実現させたいと考えている。その目的を達成するために日々改革を進
めているのだ。

⇒同じ志の人を集めその人達で切磋琢磨していく、日本社会での旧来の会
社と個人の関係を根本的に変えるとまで明言し、そういう集団づくりを
志向していることがよくわかりますね。すごいことですよね。快進撃の
一端が窺えるようです。

 

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さて、わたしは・・・

これを読んだ あなたは・・・・

共感し、いいと思い、これならできるよ、と思ったらやってみましょうよ。
続けていると何かが起きてくると思います。

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今日も一日、明るく、元気に、仲良く、喜んで取り組んでいきましょう!

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ビジネスをシステムとしてとらえ あなたの夢実現をアシスト、ナビゲート
しています

渡邉ビジネスシステム研究所 中小企業診断士 渡邉 勲
E-mail watanabe-bsl@nifty.ne.jp
URL http://www.wbslabo.jp/

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