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活きた言葉に学ぶ危機管理術

露呈した大国の脆弱さ

 

このところ、大きなニュースは中国関連ばかりである。8月の北京オリンピック開催に向けて、国威高揚を図るための政策が順調に進んでいるかのように見えていたが、オリンピックの祭典に照準を合わせてか、チベット暴動の発生があり政府の少数民族への人権抑圧で中国の自己矛盾が露呈してしまった。全世界での聖火リレーにおける中国政府の対応が明白になるにつけ、この国のアキレス腱が分かってきた。
世界の覇権はアメリカから中国へ移動していると思われるが、共産党一党体制の中国では世界のリーダーとしてはやっていけまい。中国へ中国へと世界がなびき、その集大成が北京オリンピック・上海万博となるハズであったこの時に四川省で大地震が起こった。
13年前の阪神淡路大震災の数10倍の規模である。マグニチュード8.0、それも震源が浅く直下型なので、その恐ろしさは想像にかたくない。ニュースが報道される度に死者の数が増えてくる。先の唐山地震が死者24万人と言われているが、その数になるのではないか。唐山地震の教訓は生かされず、開発に取り残された地域・地区・すなわち貧困層がまたも犠牲となった。

 

 

天が与えた試練を警告と受け止めよ

 

13億人の人口を武器に中国の経済成長は目覚しいものがあり、世界の工場になり、次には消費者としても大きくなってきたばかりに、何故この時に大地震が発生するのかと思っていることだろう。
順風満帆の時に天は試練を与える。竹が成長する時に節を作ると同じように、リスクの管理を怠らないように警告を発してくれているのだ。

 

事業において、順調な時に新たなものに進出し、次のためにリスクを取っておくべきだ。まさかの時のために社内留保・自己資本の充実が求められるところである。リスクのない事業はない。リスクがあるから儲けがある。儲けを積み重ねて、強い会社を作っていこう。

 

経営哲学の構築に役立つ 活きた言葉

 

自主判断、自助努力、自己責任の「三つの自」の実行  

牛尾 治朗(ウシオ電機会長)

 

1.IT革命によって、人間の情報量は従来の千倍、一万倍にも達するようになりました。しかし、使い方を誤れば人間性を損なう危険性をはらんでいます。過大な情報と人間を修める哲学のバランスをしっかりとることが、この時代に大切な一つの大局観といえるでしょう。
2.私がサラリーマン時代に最初に上司から教わったことは、復唱、復命の大切さでした。上司から「この書類をA社にもって行ってくれ」と言われたら、「分かりました。この書類をA社に持って行ってまいります」と確認のため必ず復唱すること、担当者が不在であれば、「後ほどまた連絡を取ります」「担当の方が戻られたので、お渡ししてまいりました」などと途中経過も報告すること、つまり復命の大切さです。
3.最近の人は、情報のやりとりをネットに頼っているため、その責任の所在があいまい曖昧になっています。復唱、復命をあらゆる場面で確実に実行して、責任の所在を明確にすること。そして、自主判断、自助努力、自己責任の「三つの自」を実行して自立することです。
4.着眼大局、着手小局。日本が今後新たな道をひらいていくためには、しっかりとした大局観を持つことが重要です。同時に一人ひとりが自立して、この厳しい変化の時代に打つべき布石を誤らないだけの実力を養っていかなければならないのです。

(参考:「致知」2008年4月号)

 

 

経営者のための危機管理、会社が大きくなるリスクを考えておく

大林 豁史(ドトール・日レスホールディングス会長)

 

1.期限切れの食材を使用していた問題が外食産業で相次いで発覚しています。せっかく築き上げた会社の信用や信頼を一気に落とすことがなぜ起きてしまうのでしょうか。
それは、会社が大きくなるという一番のリスクにヘッジがなされていないからです。お店の数が少なくて経営者の目が届いているうちは、大きな問題は起きません。ある規模までは優秀な人に任せれば会社はうまくいきます。
でも、会社が大きくなるとそうはいきません。
安心、安全、信頼についてはもちろん、様々なリスクヘッジを考えなければならない。2.数年来、大手小売業の経営が相次いで行き詰まつたのも、会社が大きくなるリスクに十分な対応が取られていなかったからではないでしょうか。リスクは常に存在しています。自信家は失敗したら目を背ける。その結果、赤字店が増えて会社が危うくなる。成功より失敗しないことを第一に考えることが重要です。

(参考:「日経ビジネス」:2008年1月21日号)        

 

 

新規成長分野

 「もったいない」の精神で環境ビジネス

 

1.日本古来の「もったいない」という言葉が外国人にも知られるようになった。「もったいない」は「物体」の古い読み方で、威厳や品格を表す。本来の意味は、「有用な人間や物体が粗末に扱われて惜しい」。この「もったいない」精神に基づく法律が、無用のゴミではなく、有用の資源として生かすことを数値目標をつけて義務づける「食品リサイクル法」だ。昨年に改正され、食品関連事業者への指導監督が強化された。
2.経済産業省産業構造審議会環境部会が策定した「環境を力にするビジネス」の成長戦略では、2005年に59兆円だった全体の市場規模を2015年には40%増の83兆円と予測。このうち廃棄物処理・リサイクル装置などの3R(リサイクル、リユース、リデュー関連は20%増の30兆円が目標。環境ビジネスの未来を切り開くのは「もったいない」の精神だ。

(参考:「野村週報」2008年3月17日号)

 

                   

古典に学ぶ

「性質気質」

 

 「性は同じゅうして質は異なり、質の異なるは教の由って設くる所なり。性の同じきは、教の由って立つ所なり」(訳)人の本性は同じであり、気質は違っている。気質が違うため教育が必要になる。そして本性が同じであるから教育の効果が出るのである。
(参考:佐藤一斎「言志四録」):PHP文庫

      

 

 

大高友紀
大高友紀税理士事務所。
昭和22年生まれ。
近畿青年税理士連盟元京都支部長、
京都税理士協同組合前専務理事。
現在、近畿税理士会副会長。

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